「セゾンのリースバック」は、その名称からわかるとおり、セゾングループが提供するリースバックのサービスです。セゾングループの知名度の高さと豊富な実績により、安心して利用できます。しかし、リースバックは事業者によって、さまざまな違いがあります。
セゾンのリースバックがどのようなサービスなのか、どういった特徴があるのかを見ていきましょう。リースバックは比較して選ぶことが大切です。各リースバック会社の違いをチェックし、比較して検討を重ねてください。
目次
セゾンのリースバックとはどんなサービス?
セゾンのリースバックとは、株式会社セゾンファンデックスが取り扱うリースバックサービスです。リースバックとは、自宅を売却して現金化したのちに、賃貸という形で自宅での居住を続けられるサービスのことです。
リースバックの基本的なメリットは、住み慣れた環境を変えずにまとまった資金が得られる点にありますが、運営会社によって仕組みが多少異なります。セゾンのリースバックは、契約に関する初期費用が抑えやすい点と、普通借家契約による安定した契約形態が特徴です。セゾンのリースバックならではの特徴を、詳しく見ていきましょう。
セゾンのリースバックサービスの特徴
リースバックには、「自宅に住みながら多額の資金が得られる」ほかに、「固定資産税やメンテナンスコストがかからなくなる」「売却資金の使い道は自由」「いつでも買い戻せる」といったメリットがあります。これらの特徴は、ほとんどのリースバックに共通するポイントで、セゾンのリースバックにも該当します。
そのうえで、セゾンのリースバックならではの魅力として、3つの特徴を見ていきましょう。
普通賃貸借契約(普通借家契約)のためいつまでも住み続けられる
もっとも大きな特徴といえるのが、賃貸借契約に「普通借家契約」が用いられる点です。賃貸物件の契約方法には、大きく分けて普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。
リースバックでは、定期借家契約が用いられることが多く、契約期間が過ぎると自宅に住めなくなることがあります。一方、セゾンのリースバックでは普通借家契約が採用されており、希望すれば長く住み続けられるのです。
普通借家契約と定期借家契約の違い
普通借家契約とは、一般的な賃貸物件で広く採用されている方式で、契約期間が満了したら「自動的に更新される」のが特徴です。借主が希望する限り、よほどの事由がなければ貸主側から更新を断ることはできません。どちらかといえば、借主に有利な契約方法です。
それに対して、定期借家契約は期間が満了したら、更新ができずにそのまま契約終了となる契約方式です。再び同じ物件に住み続けるには「再契約」を結ぶ必要があり、再契約は貸主側から断ることが可能です。
貸主からすれば「マナー違反や家賃滞納のある借主をスムーズに退去させられる」「期間が満了したら不動産を自由に活用できる」といった点がメリットです。一方、借主にとっては必ずしも再契約できるとは限らないため、居住環境が安定しないことが難点となります。
普通借家契約のリースバックの利点
リースバックでは定期借家契約が用いられるケースもめずらしくありません。リースバック会社と再契約ができなければ、いずれは自宅から出なくてはならないリスクがあります。
しかし、セゾンのリースバックは普通借家契約を結ぶため、借主が希望すれば、契約を継続的に更新可能です。そのため、住環境の安定を保ちながら、安心して資金調達ができます。
契約の更新手数料がかからない
セゾンのリースバックでは、契約更新の手数料が不要というのも大きな特徴です。一般的な賃貸物件では、「2年間の普通借家契約」が設定されており、2年に1度の更新時に手数料が発生します。
更新手数料の金額や有無は地域、物件ごとに異なりますが、相場は「家賃1カ月分」です。国土交通省がまとめた「令和6年度住宅市場動向調査」によれば、賃貸物件の約半数が更新手数料を徴収しており、そのうちの61.5%が更新手数料の月数(家賃分)が「1カ月ちょうど」と回答しています。
2年に1度のペースで家賃1カ月分の支払いが加わるとなると、借主の負担は大きいといえるでしょう。セゾンのリースバックは3年に1度の更新になりますが、更新手数料がかかりません。そのため、長い目で見てもお得になるケースが多いのが特徴です。
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書(PDF)」
最短2週間で契約可能
契約までの手続きがスムーズな点も、セゾンのリースバックのメリットです。Webサイトからの問合せは24時間365日いつでも可能で、入力情報をもとに簡易査定が行われます。
その後は簡易査定の結果を通じて取引の希望があれば、面談や現地調査が行われ、正式な買取価格と家賃が提示されます。そして、条件面での折り合いがつけば、売買契約・賃貸借契約を結び、売買代金が振り込まれるという流れです。
クレジットカード会社ということもあり、査定や手続きの仕組みが確立されているため、全体を通して最短2週間で完了するスピード感も強みとなっています。
充実の関連サービス
セゾンのリースバックでは、契約者を対象とした限定サービスが充実しているのも魅力です。ここでは、4つの関連サービスについてご紹介します。
グルメ・レジャーに大活躍のプレミアムサービス
セゾンのリースバックの契約者は、「セゾンのリースバックClubOff」というプレミアムサービスを利用できます。「株式会社リロクラブ」が運営する会員制優待サービスで、飲食店や国内のリゾートホテルなど多様な施設を最大80%OFFで楽しめます。
- 国内約20,000件のホテル・旅館が最大80%OFF
- 約40,000件の飲食店が最大50%OFF
- 約1,000件の日帰り温泉、銭湯が最大60%OFF
- 1,000カ所以上のテーマパークが最大65%OFF
- 映画やカラオケなどを会員優待価格で利用可能
困りごとを解決する駆けつけサービス
「セゾンの駆けつけサービス」とは、水回りや玄関の鍵など生活の困りごとを24時間受付けているサービスです。1次対応時の調査・点検費用は無料で、水回りの修理から窓ガラスの割れ替え、電気設備のトラブル処理などを幅広くカバーしてもらえます。
高齢者向け見守りサービス
高齢者を対象にした安心サポートサービスで、通報ボタンやセンサーで異常を検知すると、ガードマンや緊急対処員が駆けつけてくれる仕組みです。具体的には、「セコムのホームセキュリティ」か「HOME ALSOKみまもりサポート」のいずれかを選び、利用することとなります。
選べる特典
その他の特典として、「セゾンカードの永久不滅ポイント20,000ポイント分」「女性誌『ハルメク』の3年間定期購読無料」「ハウスクリーニング」のいずれかを選べます。永久不滅ポイントを受け取るには、リースバックの契約成立時に対象となるクレジットカードを持っていることが条件です。
セゾンのリースバックサービスの運営会社
セゾンのリースバックは、株式会社セゾンファンデックスによって運営されています。セゾンファンデックスの特徴は次のとおりです。
| 運営会社名 | 株式会社セゾンファンデックス |
|---|---|
| 設立 | 1984年2月1日 |
| 所在地 | 〒170-6037 東京都豊島区東池袋3丁目1番1号 サンシャイン60 37階 |
| 営業拠点 | 関西営業部(所在地:大阪府大阪市)、九州営業部(所在地:福岡県福岡市) |
| 代表者 | 青山 照久(代表取締役会長) 三浦 義昭(代表取締役兼社長執行役員) |
| 株式 | 株式会社クレディセゾンが100%保有 |
| 資本金 | 45億9万8,000円 |
株式会社クレディセゾンの100%子会社で、不動産の担保融資事業をはじめとする不動産事業、融資事業、ソリューション事業などを幅広く扱っています。リースバックは、同社が扱う「個人向けソリューション」の一環として行われており、シニア世代の問題解決を目指して2016年からスタートしました。
不動産の取り扱いについて豊富なノウハウを蓄積していることから、リースバックサービスの安定性にも定評があり、現在の相談件数は年間10,000件近くにのぼります。また、親会社であるクレディセゾンは、代表的な国産クレジットカード「セゾンカード」の運営会社です。
セゾンファンデックスのリースバックサービスは、セゾンカードと連携した特典が扱われているため、日常的に利用されている人にとってはよりメリットを活かしやすいといえるでしょう。
セゾンのリースバックサービスを利用するときの注意点
ここからは、セゾンのリースバックサービスを利用する際の注意点について見ていきましょう。セゾンのリースバックを利用する際は、どういったことに注意が必要で、他社のリースバックとは何が違うのか、よく確認する必要があります。
利用できないケースがある
セゾンのリースバックに限らず、住宅ローンの残債が買取金額を超えている場合は、利用できないことがあります。住宅を売却するには、引き渡しまでに住宅ローンを完済して、金融機関による抵当権を抹消しなければなりません。
基本的には売却で得られた代金の一部を返済に充てることとなりますが、買取金額より残債が多ければ、手続きを進められません。セゾンファンデックスではローン残債があった物件も取引した実績がありますが、事前に残債がどのくらいあるのかをチェックしておくことが大切です。
また、セゾンのリースバックは全国で物件を取り扱っていますが、中には対象外のエリアもあります。
保証料がかかる
リースバックでは賃貸借契約を結ぶため、連帯保証人として第三者に契約を保証してもらうことがあります。セゾンのリースバックでは、保証人が不要な代わりに、保証会社と賃貸借保証契約を締結することとなります。
もし、家賃の滞納などがあれば、保証会社が一時的に立て替える仕組みです。そのため、契約時には契約プランに応じて、保証会社に所定の保証委託料を支払わなければなりません。
賃貸借保証の保証料は「家賃50%~100%程度」が相場で、契約更新のたびに発生するのが一般的です。事前に金額と支払いのタイミングをチェックしておきましょう。
セゾンのリースバックサービスが向いているのはこんな人
セゾンのリースバックは、一般的なリースバックサービスと異なる特徴を持っています。ここでは、この記事で解説した特徴をもとに、特にセゾンのリースバックが向いている人のタイプを紹介します。
いつまでも自宅に住み続けたい
セゾンのリースバックのもっとも大きな特徴は、3年更新の普通借家契約を結べる点にあります。定期借家契約と異なり、借主側が希望する限りは何回でも契約更新ができるため、「自宅に長く住み続けたい」という人にはぴったりといえるでしょう。
さらに、更新時の手数料もかからないため、全体的な負担を抑えやすいのもうれしいポイントです。また、運営会社のセゾンファンデックスはクレディセゾングループの一員として、安定した経営基盤を持っています。
セゾンファンデックスは設立40年以上の歴史があり、不動産活用の事業を多数手掛けています。リースバックでも豊富な実績があり、長く安心して任せられる売却先のひとつです。
旅行やレジャーをアクティブに楽しみたい方
リースバックが活用されるケースとして、「老後の自己実現や趣味の資金を用意したい」というパターンも少なくありません。セゾンのリースバックには、契約者を対象とした充実の関連サービスが用意されており、特に老後の自己実現にぴったりなのがセゾンのリースバックClubOffです。
国内20,000件ものホテルや40,000件ものレストラン、レジャー施設などの料金が特別料金で利用できるため、旅行や外食を楽しみたい人には魅力的なサービスでしょう。
高齢の単身・夫婦のみ世帯で暮らしの安心を求める方
セゾンのリースバック利用者は、高齢者向けの見守りサービスを無料で利用できます。握るだけですぐに救急信号を発信できるボタンや、玄関の防犯センサー、外部からの安否見守りシステムなど、高齢者世帯が安心できる仕組みが多数用意されています。
また、水回りや設備の不具合には、24時間受付のセゾンの駆けつけサービスを利用できるので、住まいのトラブル発生時にも安心です。
法人・個人事業主として利用できるリースバックを探している
セゾンファンデックスでは、法人や個人事業主を対象に、事業用リースバックも取り扱われています。最短即日での見積もり、最短2週間での契約が可能なため、緊急で不動産を現金化したいときにはとても頼りになります。
また、売却した不動産は固定資産税がかからず、さらに賃料は経費として計上することが可能です。そのため、キャッシュフロー改善の有力な選択肢となるでしょう。
なお、売却した物件は、将来的に再度購入することも可能です。財務状況が改善されれば買い戻せるため、「税金の納付期日が迫っている」「借入金の返済期日が迫っている」という場合に、一時的な資金繰りの困難を解消する手段として検討してみてはいかがでしょうか。
リースバックは比べて選ぶことが基本
リースバックは事業者ごとに特徴あるサービスを提供しているため、1社だけで決めてしまうのは禁物です。複数社のリースバックの特徴を比べて、自分にぴったりな会社を選びましょう。
複数社を比較して選びたい人の強い味方が「リースバック比較PRO」です。自宅の情報を入力するだけで、対応できるリースバック会社を紹介します。
主なリースバック会社のサービスも紹介していますので、リースバックを検討している人はぜひチェックしてください。











