あんばいのリースバックを解説!サービスの特徴や運営会社、注意点

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あんばいのリースバックを解説!サービスの特徴や運営会社、注意点

リースバックはさまざまな企業から提供されており、サービス内容も会社によって違いがあります。そのため、リースバックを検討するときは、企業が提供するサービスが自分に合っているかどうかを知ることが重要です。

株式会社インテリックスが提供する「あんばい」も、そんなリースバックサービスのひとつです。どのような特徴を持つリースバックなのか見ていきましょう。

あんばいとはどんなサービス?

「あんばい」は、株式会社インテリックスが提供するリースバックサービスです。リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手にしたあとも、賃貸契約を結ぶことで住み続けられるサービスです。

リースバックの大きな特徴は、居住環境を変えずに売却資金を得られるという点にあります。リ・バース60などと異なり資金の使い道に制約がないため、医療費や生活費などを工面できることが特徴です。

現在、リースバックはさまざまな会社によって提供されていますが、あんばいは国土交通省が発行するガイドライン「住宅のリースバックに関するガイドブック」に準拠しています。そのため、安心して利用できるサービスといえるでしょう。

参考:国土交通省「「住宅のリースバックに関するガイドブック」 を公表しました

あんばいの特徴

リースバックにはさまざまなメリットがありますが、ここからは、「あんばい」ならではの特徴を見ていきましょう。

いつまでも自宅に住み続けられる

賃貸物件を借りるときの契約方法には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。リースバックでは、自宅を借りることになるため、いずれかの賃貸借契約を用いることになります。

それぞれの契約の大きな違いは契約更新の可否で、定期借家契約では契約期間が切れると更新ができず、そのままでは住み続けられません。居住を続けるには貸主と再契約を結ぶ必要があり、交渉がまとまらなければ、退去しなければならないリスクがあります。一方の普通借家契約では、契約期間が満了したあとも借主が希望すれば、貸主は原則として拒否できません。

一般的なリースバックでは、定期借家契約が用いられることが多いため、自宅に住み続けられないリスクがあることがデメリットです。一方、あんばいでも2年間の定期借家契約が用いられますが、大きな違いは「何回でも再契約できる」ことです。

再契約を希望して賃貸借契約を継続すれば、いつまでも愛着のある自宅に住み続けられるのが「あんばい」の大きな魅力といえるでしょう。もちろん、「家賃の支出を減らしたい」などの事情があれば、期間満了時に退去することも可能です。

多様な物件で活用できる

あんばいのもうひとつの特徴が、多種多様な物件で活用できる点です。リースバックは会社の運営形態によって、個人の一戸建てだけを想定していることも多く、区分所有のマンションや店舗併用住宅といった物件では断られる場合があります。

あんばいでは、一戸建てからマンション、店舗併用住宅、ビル一棟まで、さまざまなタイプの不動産で利用できます。また、個人だけでなく法人でも利用可能なので、幅広いケースに対応していることがあんばいの利点です。

ていねいかつ柔軟な査定を行ってもらえる

リースバックは、基本的に買い手が不動産会社になるため、「相場がわからないまま、査定価格をうのみにしてしまう」というリスクが難点です。あんばいでは依頼から7営業日前後で机上査定を行い、スケジュールをすり合わせ、現地で正確な査定を行う仕組みとなっています。

査定価格や月額賃料は、地域の相場や利用者の要望、状況といったさまざまな要素を踏まえて検討されるため、納得感が得やすいことがポイントです。また、競売や差し押さえ回避のためにスピードが求められる場合は、事情を伝えることで速やかに対応してもらえます。

保証人は不要

リースバックでは、通常の賃貸物件を借りるときと同じように、保証制度を利用しなければなりません。保証人が必要な場合に、「高齢で保証人を用意できない」「子どもに迷惑をかけたくない」などの理由で、リースバックを利用できないケースがあります。

一方、あんばいでは契約時に保証会社を利用できます。そのため、親族などに保証人や連帯保証人を頼む必要がありません。

2カ月分のフリーレントがついている

「フリーレント」とは、一定期間にわたって家賃が無料になるサービスのことです。入居後の1~3カ月間の家賃が免除される仕組みで、借主は初期費用を大きく抑えられます。

一般的に、借り手がなかなか見つからないなどの事情から、賃貸物件の貸主が空室を埋めるための対策として導入されます。あんばいでは、利用者へのサービスとして2カ月分のフリーレント期間が設けられているので、初期費用の負担を大幅に減らせるのがメリットです。

複数社のリースバックを比較できます

あんばいの運営会社と特徴

「あんばい」を運営しているのは、東京都に本社を置く「株式会社インテリックス」です。所在地は東京であるものの、全国8カ所に営業拠点を置いており、幅広いエリアに対応しています。

株式会社インテリックス
運営会社名株式会社インテリックス
設立1995年7月17日
所在地〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー9階
営業拠点札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・大阪・広島・福岡
代表者俊成 誠司(代表取締役社長)
上場の有無東京証券取引所スタンダード市場[証券コード:8940]
資本金22億53百万円
従業員数連結311名、単体195名(2025年5月末時点)

中古マンションのリノベーションで豊富な実績を持つ

インテリックスは、もともと中古マンション再生流通事業を目的として、1995年に設立されました。業界に先駆けてリノベーション事業を展開し、全国の主要都市でアフターサービス保証付「リノヴェックスマンション」の販売をスタートすると、国内トップクラスの販売実績を築き上げています。

中古物件の豊富な取り扱い実績とノウハウに加え、一般社団法人リノベーション協議会をはじめとする多数の信頼性が高い団体と結ばれたネットワークの厚さが、同社の強みといえるでしょう。そうした流れを受け、時代のニーズに合わせて2017年にスタートしたのが、リースバック事業の「あんばい」です。

リースバックサービスに特化した会社ではありませんが、もともと中古物件における豊かな実績を積み上げてきた会社なので、相談先として確かな安心感があるでしょう。

サスティナビリティへの先進的な取り組み

インテリックスのリノベーション事業の根幹には、地球環境の確かな思いが存在しています。同社はCO2排出量の削減という観点から、リノベーション住宅の普及の重要性を示しており、とりわけ省エネリノベーションを軸に成長戦略を展開しています。

上場企業としての責任を持ち、グループ全体で「循環型リノベーションモデル」の促進に取り組みつつ、持続可能な社会の実現に貢献している企業です。

あんばいを利用するときの注意点

あんばいを利用するうえで、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ここでは、利用を検討する前に覚えておくべき注意点について詳しく見ていきましょう。

家賃滞納や過度なマナー違反があれば再契約できないことも

あんばいの契約方式は定期借家契約であるものの、基本的には何回でも再契約が可能です。ただし、契約後に著しいルール違反があれば、再契約を認めてもらえないことがあるので注意しましょう。

たとえば、「家賃の滞納が続いている」といった場合は、再契約を断られるおそれがあります。この点は、通常の賃貸物件と同様で、「あんばい」特有のデメリットというわけではありませんが、資金繰りには十分な注意が必要です。

また、重大なマナー違反がある場合も、内容や利用者の対応によっては再契約ができないことがあります。

家賃以外にも費用がかかる

リースバックは毎月の家賃が発生するため、きちんと資金計画を立てておく必要があります。そのうえ、あんばいでは保証人が不要な分、賃貸保証会社との契約費用がかかります。

保証会社の利用料にはさまざまな種類があり、初年度は初回保証料として賃料の0.5~1カ月分、再契約後以降は再契約保証料や更新保証料として1〜2万円程度(もしくは賃料の1~2%程度)支払うのが一般的です。利用料は物件によって異なるため、必ず見積もりを取りましょう。

また、それ以外にも火災保険料や契約事務手数料などの費用が発生するため、事前にトータルコストを計算しておくことが大切です。

なお、通常の賃貸物件とは異なり、あんばいでは基本的に敷金・礼金、管理費などがかかりません。ただし、審査結果によっては敷金が必要になるケースもあるので、些細なことでも不明点は事前に確認しておきましょう。

利用できないケースがある

あんばいは、次のようなケースでは利用できない場合があるので注意が必要です。

  • 借地に建物が建っている
  • 住宅ローンの残債が査定価格より大きい
  • 物件が取り扱いエリア外にある

それぞれのケースを詳しく紹介します。

借地上に建物が建っている

借地に物件が建っている場合は、土地と建物の所有者が異なるため、原則として建物の所有者だけでリースバックを利用することはできません。ただし、土地の所有者と合意が取れれば活用可能なケースもあるため、まずはあんばいの窓口へ相談することをおすすめします。

住宅ローンの残債が査定価格よりも大きい

リースバックに限らず、不動産を売却する際には住宅ローンを完済し、金融機関の抵当権を抹消しなければなりません。完済には売却代金を当てることもできますが、売却代金よりも住宅ローン残債が大きい場合、そのままでは手放せません。

この状態を「オーバーローン」と呼び、売却には差額分を自己資金で埋め合わせるなどの方法が必要です。リースバックの場合、不動産会社からの査定価格がそのまま買い取り金額となるため、住宅ローン残債と査定価格の差額が重要なポイントです。

オーバーローンにならない場合でも、残債と査定額の差額が手残りになるため、両者のバランスが重要となります。「思ったよりも自己資金が少なく、家賃を払っていけない」といった状態を避けるためにも、査定を依頼する前に必ず住宅ローン残債を確かめましょう。

物件が取り扱いエリア外にある

株式会社インテリックスは本社のある東京をはじめ、北海道・仙台・横浜・名古屋・大阪・広島・博多に営業拠点があります。支店を中心とした都市圏やその周辺は、リースバックの対象エリアとされていますが、地域によっては取り扱いができないケースもあります。

リースバックが可能かどうかはケースバイケースのため、まずは気軽に問い合わせてみましょう。

あんばいが向いているのはこんな人

リースバックはさまざまな会社が取り扱っており、それぞれに異なる特徴を持っています。これまでに紹介したあんばいの特徴を踏まえて、特に利用が向いている人の特徴を見ていきましょう。

リースバック後も安心して住み続けたい

あんばいの大きな特徴は、定期借家契約を何度でも再契約できる点です。目立った規約違反がなければ、いつまでも自宅を借り続けられるため、住環境を変えずに長く住み続けたいという人にはぴったりのサービスです。

自宅兼店舗の取り扱いに困っている

店舗併用住宅は、店舗部分の活用が難しいなどの理由から、売却やリースバックが難航しやすい側面があります。しかし、あんばいは取り扱いが難しい自宅兼店舗でも問題なく、リースバックを利用できます。

そのため、売却により現金化し、運営・設備資金を確保して店舗の運営を続けるといった選択肢も選べるのです。

法人でもリースバックを利用したい

あんばいでは、一棟ビルなどの法人資産の売却でも活用できます。たとえば、一時的に業績が悪化した際に、リースバックで資金調達をし、当面の運転資金に充てることも可能です。

再び業績が回復した際は、買い戻すこともできるため、柔軟な財務戦略を立てられます。また、一般的な融資と違って審査を受ける必要がないため、財務状況が厳しいときでも活用しやすいサービスです。

主な活用事例

あんばいが実際にどのような形で活用されているのか、さまざまなケースを紹介します。

老後の自己実現

リースバックは、老後生活を安定させるうえで有効な手段となり得ます。たとえば、住み慣れた家を離れずにまとまった資金が得られることで、「自由に旅行へ行ける」「趣味に思う存分に打ち込める」というケースが多いようです。

老後生活の安定・ライフスタイルの維持

病気などで急な出費が生じたときも、リースバックは有力な選択肢となります。自宅に住み続けることで、周りの目を気にせず、これまで通りの生活を続けられます。

また、経済的な状況が改善されれば、買い戻せるのもリースバックの特徴です。過去には、数年後に満期を迎える投資信託の償還金での買い戻しを見据え、高額な治療費を確保するために「あんばい」を活用した例もあります。

リースバック会社は比較が重要

リースバックは会社ごとにサービスが異なるため、自分にぴったりなものを見つけるには、非常に手間がかかります。自宅に対応できるリースバック会社を探すときは「リースバック比較PRO」が便利です。自宅の情報を入力するだけで、複数のリースバック会社を紹介します。

複数のリースバック会社を比較できます


また、リースバック会社を比べてみたい人は、ほかの会社のサービスもチェックしてみましょう。

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執筆・編集

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