リースバックプラス（一建設）はどんなサービス？特徴をわかりやすく解説

不動産事業を手がける一建設株式会社は「リースバックプラス」というサービスを提供しています。リースバックプラスの特徴は、幅広いニーズに応えられる独自のサービス内容です。他社のリースバックを比較したとき、魅力的なポイントがいくつも見つけられるでしょう。

この記事では、リースバックプラスのサービス内容をコンパクトにまとめました。リースバックを検討している人は、ぜひチェックしてください。

リースバックプラスとはどんなサービス？

「リースバックプラス」とは、一建設株式会社が提供するリースバックのことです。一建設株式会社は飯田グループホールディングスの子会社で、2020年よりリースバックプラスを提供しています。

リースバックは、持ち家を売却したあとに売却先と賃貸借契約を交わし、家賃を払ってそのまま自宅に住み続ける仕組みを指します。

現在の生活スタイルや居住環境を保ったまま、まとまった資金を得たい人に注目されているサービスです。収入や年齢に大きな制限がなく、多くの人が活用できるため、現在はさまざまな会社がリースバック事業を行っています。

リースバックプラスの特徴

リースバックプラスの特徴としては、ライフスタイルに合わせて以下の3つのタイプから自身に合ったプランを選択できる点が挙げられます。

標準プランは普通賃貸借契約を結び、定期プランは定期賃貸借契約を結びます。プランを選択する際に注目すべきポイントは「更新の有無」です。

普通賃貸借契約は、借主が望む限り更新が認められ、基本的に貸主が更新を断ることはできません。それに対して、定期賃貸借契約は更新がなく、契約が満了するとそのまま退去となります。継続して入居するには再契約を結ぶ必要がありますが、普通賃貸借契約と違って貸主が応じなくても問題ありません。

リースバックでは、運営会社の方針でどちらかの賃貸借契約を採用はしていますが、リースバックプラスでは、どちらのプランも用意しています。そのため、「売却後にどれくらいの期間まで住み続けたいか」を基準に、プランを選択するとよいでしょう。

すべてのプランに共通するメリット

すべてのプランに共通しているのは、敷金・礼金と仲介手数料がかからないことです。リースバックプラスでは、一建設株式会社が自宅を買い取ったあと、そのまま貸主となり、元の所有者（売主）に賃貸として貸し出す仕組みを採用しています。

売買と賃貸の契約を交わす際に仲介業者が入らないため、仲介手数料が発生しません。通常の賃貸借契約を結ぶ際に発生する、諸費用が不要な点は大きなメリットといえます。

標準プラン

「標準プラン」では、賃貸期間中に再購入価格が段階的に下がっていくという、業界初の仕組みを導入しています。長く住むほど再購入価格が段階的に下がる仕組みのため、長期間にわたって賃貸として住み続けることで、より安く自宅を買い戻すことが可能です。

たとえば、2,000万円で売却をした自宅の再購入価格が2,300万円だった場合、長期の賃貸で再購入価格が段階的に下がり、売却金額と同額まで下がるケースもあります。また、一般的な普通賃貸借契約の場合、2年ごとに更新料が発生しますが、標準プランは更新料がかからない点も利点のひとつです。

定期プラン（賃料優遇タイプ）

「定期プラン（賃料優遇タイプ）」の特徴は、最初の1年間、売却代金の一部を賃料に充当することで実質的に賃料が無料になる点です。

そのため、自宅を売却してまとまった資金を引っ越し費用にあてつつ、転居先が決まった段階ですぐに新しい住居に移動できます。定期プラン（賃料優遇タイプ）を利用せずに引っ越す場合、先に新居を確保するためにまとまった購入費用が必要です。

新居への入居時期が売却時期がズレてしまった場合は、一旦仮住まいを探さなくてはいけません。仮住まいと新居で2回も引っ越すことになるため、費用がかさむだけではなく、体力的・精神的な負担も大きくなるでしょう。

一方、賃料優遇タイプを利用すれば、自宅を売却して資金を得られるので新生活の準備をスムーズに進められます。さらに、1年間は家賃が発生しないため、経済的にゆとりを持って生活することが可能です。

定期プラン（買戻優遇タイプ）

「定期プラン（買戻優遇タイプ）」は、2～5年の定期賃貸借契約を結び、その期間中はいつでも売却価格と同額で買い戻しができるプランです。一般的に、リースバックで買い戻す金額は、売却時の1.1～1.3倍に設定されるケースが多いといわれています。

これは、リースバック会社が税金などの諸費用や自社の利益を計算したうえで、買い戻し金額を設定するためです。しかし、買戻優遇タイプでは売却価格と同額の再購入価格を設定しており、原則として契約期間中はいつでも買い戻しができます。

そのため、短期間での買い戻しを検討している人に向いているプランです。

リースバックプラスのサポート体制

リースバックプラスの特徴のひとつに、他社との幅広い提携による手厚いサポートがあります。ここでは、具体的なサポート内容を紹介します。

退居後の部屋探しをサポートしてもらえる

リースバックプラス利用後に、不動産賃貸大手の3社（センチュリー21、ハウスコム、ピタットハウス）のサポートを受けられます。3社合計で全国各地に1,000店舗以上の営業所があるため、リースバックプラスの退去後に賃貸物件を探す際、幅広い選択肢のなかから新居を探すことが可能です。

はじめスタイルMembersのサポートを受けられる

はじめスタイルMembersでは、自宅売却後の生活サポートや多彩な特典のほか、高齢者の見守りサポートや24時間ホームセキュリティなどの安全面に配慮したサポート体制が整っています。リースバックプラスの利用者全員「はじめスタイルMembers」への加入が可能です。

次からは、はじめスタイルMembersで受けられるサポートを紹介します。

24時間ホームセキュリティ

はじめスタイルMembersが受けられるサポートに、24時間ホームセキュリティがあります。住宅に設置したセンサーが異常を感知するとセコムの緊急発信拠点（全国各地に約2,800カ所）に信号が送られ、専門スタッフが自宅に来てくれるサービスです。具体的なサービス内容には、次のものがあります。

はじめスタイルSUPPORT

はじめスタイルSUPPORTは、自宅内の設備に問題が起きた際に、簡易的な作業であれば無料で対応してもらえるサービスです。駆けつけサービス、暮らし相談サービス、お手伝いサービスの3種類があり、生活全般をサポートしてもらえます。

年齢を重ねてからも安心して利用できる

高齢者向けの無料サービスが充実しているのも、はじめスタイルMembersの特徴です。たとえば、70歳以上でひとり暮らしの人に、毎日連絡を取ってくれる「はじめごあいさつコール」があります。

実際に自宅まで専門のスタッフが向かってくれる「在宅確認サービス」もあるため、ひとり暮らしの高齢者とその家族にとっても安心できるでしょう。

はじめスタイルCLUB OFF

リースバックプラスの利用と同時にはじめスタイルMembersに加入すると、はじめスタイルCLUB OFFという優待サービスを活用できます。はじめスタイルCLUB OFFは、株式会社リロクラブが運営元の福利厚生制度です。主なサービス内容は次のとおりです。

ほかにも、カラオケや映画館を優待価格で利用できます。無償サービスの場合は利用回数の上限があるとはいえ、サポート体制が充実している点はリースバックプラスを利用するメリットといえるでしょう。

リースバックプラスの運営会社

リースバックプラスの運営元は、飯田グループホールディングス株式会社のグループ企業である、一建設株式会社です。会社概要は次のとおりです。

国内シェアNo.1の実績

飯田グループホールディングス株式会社では一建設株式会社をはじめ、グループ全体で不動産事業を行っています。特色として挙げられるのは2023年4月から2024年3月までに、40,000棟の分譲戸建を供給している点です。

これは日本全体で同時期に供給された分譲戸建ての約30%にあたる数字で、日本国内のシェアNo.1となっています。グループ全体としては、不動産関連の実績やノウハウを豊富に蓄積しているなかで、一建設株式会社は適切な広さや価格の住宅「ちょうどいい家」を提供することをモットーにしています。

資産活用方法を比較・検討できる

一建設株式会社は、分譲住宅事業やリフォーム事業など、不動産全般の事業を扱っており、リースバックプラスは2020年4月に開始しました。通常の不動産売却事業の「ラクいえ売却」や、中古住宅の再活用である「買取販売（リユース）」事業も行っています。

そのため、リースバック以外の方法も含めて、資産活用について幅広く比較・相談できる点が一建設株式会社へ依頼するメリットです。また、不動産事業での実績が豊富な企業が運営元のため、長く賃貸するうえでも安心感があります。

リースバックプラスを利用するときの注意点

リースバックプラスに限らず、リースバックを利用する際、自分に合っていないプランを選択してしまうことがあります。たとえば、自宅を売却したあとも長く住み続けたい人が定期賃貸借契約を結んでしまうと、契約終了時に転居しなければいけません。

事前にしっかりと契約内容を確認したうえで、次の3点に注意しましょう。

契約期間中に買い戻しが必要なケースがある

リースバックプラスの定期プラン（買戻優遇タイプ）では、2年～5年に設定されている契約期間中に買い戻しを行う必要があります。買い戻しを行わないと転居しなくてはならないため注意しましょう。計画的に買い戻しをするためにも、税金などを含めたトータルコストの計算や、事前に買い戻しの費用を準備することが大切です。

買い戻し時に諸費用がかかる

定期プラン（買戻優遇タイプ）は、売却価格と同程度の金額で買い戻せるのが魅力の制度です。買い戻す際は、不動産取得税や登録免許税などの諸経費は買主（リースバックプラス利用者）が負担することになります。不動産取得税は固定資産税評価額の4%です（令和9年3月31日までは軽減税率が適用されて税率は3%）。

登録免許税は固定資産評価額をもとに、土地と建物それぞれに評価額の2%（土地は令和8年3月31日までは軽減税率が適用されて1.5%）が課税されます。

取り扱いエリアが決まっている

2025年11月現在、リースバックプラスの対象エリアは、東京、千葉、埼玉、神奈川、京都、大阪、兵庫に限定されています。また、対象エリア内であっても、物件の状態によっては利用できない可能性があるため、利用を検討する方は早い段階で問い合わせることが大切です。

リースバックプラスが向いているのはこんな人

リースバックは、「自宅に住みながらまとまった資金を得たい」という人に適したサービスです。運営会社によってサービスの特徴や仕組みが異なるため、自分に合ったサービスを比較検討しながら選ぶことが大切です。

ここでは、一建設株式会社のリースバックプラスに向いている人の特徴を見ていきましょう。

10年以上先に買い戻しがしたい

リースバックプラスの標準プランは10年以上住み続けると、原則として売却価格と同額で買い戻しができます。しばらくの間は賃貸で生活をしてから、将来的に再び自宅を購入したいと考えている人にぴったりの制度です。

たとえば、子どもの生活環境を変えずに、まとまった資金を確保したいというニーズに対応できるサービスといえます。自宅を売却して学費などにあてたうえで、子どもが独立してから、時間をかけて買い戻しを検討できます。

施設への入所を検討している方やその家族

定期プラン（賃料優遇タイプ）であれば、1年間家賃が無料の状態で自宅の生活を続けられます。たとえば、自宅の売却費用を老人ホームの入居費用や引っ越しの費用として確保し、ゆとりを持って施設を探すことが可能です。

新生活を準備している期間も、高齢者のサポート機能が充実したはじめスタイルMembersのサポートを受けられるため、家族も安心できるでしょう。

旅行やレジャーを楽しみたい方

どのプランでも加入できる、はじめスタイルCLUB OFFは、国内25,000件ほどの宿泊施設や、約40,000件の飲食店などで料金の優遇を受けられるサービスです。リースバックプラスで資金を確保したうえで、割安で旅行や外食に出かけるといった形でサービスを活用できます。

また、リースバックプラスは契約から決済までの対応が早く、最短即日で資金を調達することが可能です。思い立ったらすぐに行動に移せる点も魅力のひとつです。プライベートをより充実させたいと考えている人にとっても、リースバックプラスは有効な選択肢といえるでしょう。

最適なリースバックはどれ？比較が重要

リースバックプラスのサービス内容からもわかるように、リースバックは事業者ごとにさまざまな特徴を持っています。そのため、1社のみのサービス内容をチェックするだけでは、自分に適したリースバックを見落としてしまうでしょう。

リースバックを利用するときは、複数社のサービス内容を比較・検討することが大切です。

「リースバック比較PRO」は一度の入力で、複数のリースバック会社へ問い合わせられるサービスです。自宅のある地域に対応しているリースバック会社を紹介してくれるため、対応エリアを気にせず利用できるのがメリットです。