「お金や時間を自由に使いたい」、「趣味を存分に楽しみたい」など様々な理由で、独身女性は年々増えているそうです。国の調査によれば、50歳時の未婚率は女性が約14%、男性は約23%とのことで、2020年には4人に1人が生涯独身になるともいわれています。
しかし、独身で暮らしていくということは、自身の力で老後の生計を立てる必要があるため、お金が不足しないように計画を立てておくことが大切です。今回は、独身女性の老後資金に焦点を当てて説明していきます。
目次
シニア女性の一人暮らしにはいくら必要か
国立社会保障・人口問題研究所のデータでは、独身女性の老後資金は、会社員ならば約920万円、自営業やフリーランスならば約2,300万円と算出されています。
まずは、なぜこのような金額が必要なのか、みていきます。
独身女性の老後にかかる生活費
ここでは、老後の必要資金を以下のように、老後に不足する金額として計算します。
老後の生活費-公的年金による収入=老後の必要資金
まず、生活費をみていきましょう。
総務省の「家計調査(2020年)」によると、65歳以上の独身女性にかかる、1ヶ月の生活費は143,810円。この中にはお菓子や外食を含む食費・水道光熱費・被服費などが含まれます。
仮に65歳で仕事を辞め、日本人女性の平均寿命(2019年 簡易生命表より)である87歳まで生きた場合、その22年間にかかる生活費は以下のように計算できます。
143,810円(毎月の生活費)×12ヶ月(1年分)×22年=37,965,840円
ただし、この毎月の生活費は、主に持ち家がある方からデータ収集しています。そのため、賃貸にお住まいの方は、家賃も上乗せして計算する必要があります。
公的年金などによる収入
次は老後の収入についてみていきましょう。なお、収入は公的年金のみの場合を想定します。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概要」によると、65歳以上の女性の場合、厚生年金は平均月額108,813円で、国民年金は平均月額56,000円です。
この金額を65歳から平均寿命の87歳まで受け取り続けた場合、合計金額は以下のようになります。
〈厚生年金〉
108,813円(毎月の年金)×12ヶ月(1年分)×22年=28,726,632円
〈国民年金〉
56,000円(毎月の年金)×12ヶ月(1年分)×22年=14,784,000円
老後にかかる支出と収入の差額
では、自力で準備しなければならない金額を、先述した老後の必要資金の式に当てはめて計算していきましょう。
〈厚生年金〉
37,965,840円(生活費)-28,726,632円(年金収入)=9,239,208円
〈国民年金〉
37,965,840円(生活費)-14,784,000円(年金収入)=23,181,840円
会社員なら約920万円、自営業やフリーランスの場合は約2,300万円必要になることが、お分かりいただけましたでしょうか。
なお、こちらはあくまでも平均寿命まで生きた場合の金額です。
現在は人生100年と言われるほど高齢化社会。長生きすることは喜ばしいことですが、長生きすればするほど、さらに出費が増していきます。
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独身世帯で注意が必要な生活費
老後に想定される出費は、食費や水道光熱費ばかりとは限りません。医療や介護の費用、旅行や習い事にかかる費用、車や家電の買い替え費用、リフォーム費用など、意外に支出はあるものです。
ここでは老後の代表的な出費である、医療・介護・死後整理資金について説明していきます。
医療費の負担が最も多いのは老後
病院で治療を受けた際、清算時に保険証を提示すると、医療費の自己負担額が減ります。
自己負担の割合は、70歳までは3割、70~75歳までは2割、75歳以上は1割です。
「高齢になるほど優遇されるため、出費も減るのでは」と思いがちですが、実は違います。厚生労働省の「生涯医療費」によると、女性が一生でかかる医療費の平均自己負担額は約2,800万円で、そのうち約1,400万円は70歳以降の出費であることが分かっているのです。
先述した毎月の生活費の中に、医療にかかる出費も含まれていますが、ケガや病気の度合いは人それぞれ違うものです。
ちなみに、有効性や安全性の高い先進医療は公的保険の対象になりません。100万円以上の自己負担額が発生することもあるので、民間の保険に入るなどの備えが必要です。
子に頼れなければ介護費の負担が多い
高齢になるほど、介護状態になる可能性は高くなります。
介護保険制度により、介護費用の自己負担額は所得に応じて1~3割になりますが、介護用品の購入やバリアフリー工事などは保障の対象外です。
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、夫婦を対象とした場合、介護費は初期費用に平均242万円、そして毎月約7.8万円かかることが分かっています。
独身の場合は、配偶者や子がいないぶん、自身を介護してくれる身内が少ないはずです。そのため、介護施設やヘルパーなどのサービスをフル活用する必要があり、自己負担額はさらに増える可能性もあるでしょう。
死後の整理費用はどのくらいか
死後の整理資金とは、葬式や墓地にかかる費用を指します。地域や葬式の規模によって価格が異なりますが、200万円程度が相場のようです。
独身の場合、亡くなったら親族が葬式を行いますが、この費用を自身で負担するという方も少なくありません。
また、もし身寄りがなかったり親族への依頼に抵抗を感じたりする方は、生前に法律専門家と死後事務委任契約を結ぶことで、葬式や遺品などの整理をスムーズに手配してもらえます。その際の費用は50~100万円が相場のようです。
老後資金が不足している場合の対策
「このままではお金が足りない」という場合には、早い段階から対策する必要があります。
ここで、貯蓄を増やす対策を3つ紹介します。
確定拠出年金を利用
確定拠出型年金はiDeCo(イデコ)とも呼ばれ、公的年金では賄いきれない老後生活費を、自分で補うためのしくみです。
簡単に内容を説明すると、毎月積み立てをしながら資産運用を行い、掛金や購入する投資信託商品は自分で決めることができます。
iDeCoの優れている点は、掛金の全額が所得控除の対象になることです。
企業にお勤めの方で医療保険やガン保険などに加入している方は、その年に支払った保険料を計上する、年末調整をしたことがあるでしょう。iDeCoも同じように、年末調整を行うことで、所得税と住民税が安くなるのです。
NISAで資産運用
NISAは国の制度です。株式や投資信託などの資産運用で利益が出た場合、売却時に約20%の税金が掛かりますが、NISA口座を使って運用したら非課税になります。
20歳以上の方はNISAもしくはつみたてNISA、どちらか1つの制度を利用でき、それぞれ毎年の購入金額の上限や、運用期間などが異なります。
NISAは年間120万円までが上限で、運用期間は5年、つみたてNISAは年間40万円が上限で、運用期間は20年です。
持ち家を持っているならリースバック
持ち家をお持ちの方で、「まとまった資金がすぐに欲しい、資産運用はしたくない」と思っている方には、リースバックがおすすめです。
リースバックとは、持ち家などの不動産を売却してお金を受取る方法です。最も大きな特徴は、売却後も家賃を払うことで自宅に住み続けられる点です。
お金が用意できれば、契約内容によっては将来的に家を買い戻すことも可能です。
資産運用は、こまめな運用チェックが必要であったり不景気の際に大きな損失が出たりするデメリットがあります。しかしリースバックならば、まとまった資金をすぐに調達できるのです。
さらに、リースバックの利用後は、固定資産税の支払いがなくなります。将来の不安を取り除き、老後はゆとりある生活を送れるよう、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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