リースバックでは何年住める?一般的な居住期間と退去するタイミング

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リースバックでは何年住める?一般的な居住期間と退去するタイミング

リースバックの利用を検討している人にとって、「契約後は何年住める?」という疑問はつきもの。売却後も自宅に住み続けることができるという点に魅力を感じているからこそ、できるだけ長く住み続けたいでしょう。

しかし、リースバックの契約内容をきちんと理解しておかなければ、短期間で退去しなければならないという状況に陥るおそれがあります。

今回は、リースバックでは何年住み続けられるのか、そして売却後に長く住むために気を付けるべきポイントはあるのか、考えてみましょう。

まずはリースバックについて理解しましょう!

リースバックとは?

リースバックを利用すると何年住める?

リースバックを利用して建物を売却したあとは、実際のところ何年住むことができるのでしょうか。

まずは法律的な観点で建物賃貸借契約について紹介します。

リースバックの契約と居住可能期間

自宅を売却した後は、リースバック事業者と居住者の間で建物賃貸借契約を締結します。

建物賃貸借契約には、主に普通借家と定期借家という二種類の契約形態があり、それぞれ性質が異なります。リースバック利用者は、契約する内容がどの形態に該当するかを把握し、契約内容を理解する必要があります。

普通借家契約

普通借家は、建物の貸し借りを行うときに用いられる一般的な契約形態です。
普通借家契約の中にも、(1)期間の定めがある普通借家と、(2)期間の定めのない普通借家という二つの分類があります。

(1)期間の定めがある普通借家を締結した場合、原則として、契約期間は自動更新となります。たとえば普通借家契約の期間を2年と定めた場合においては、2年が満了したときに自動的に契約が更新され、再び2年の契約期間が開始します。

(2)期間の定めのない普通借家を締結した場合、特段の事情がなければ建物を永続的に借り続けることができます。期間の定めのない普通借家契約を結んだ場合は、借主が解約通知をしたとき、もしくは貸主が正当事由とあわせて解約を申し出たときに契約が終了します。

定期借家契約

定期借家契約は、期間限定で建物の貸し借りを行うことを前提とした契約形態です。

普通借家との大きな違いは、契約更新や期間延長といったシステムがないということです。そのため定期借家契約を結んだ場合は、期間満了すると同時に当然に契約が終了します
定期借家契約の期間満了後も継続して住み続けたい場合は、貸主・借主の協議のもと新たに借家契約を締結しなおす必要があります。

長く住むために選択すべき契約は?

長く住みたいのであれば普通借家契約を選択したほうがよいでしょう。

普通借家は期間の定めがない契約も締結できますし、期間を定めた場合であっても自動更新があるので長く住みたいというニーズに適しています。しかし、対応できる契約形態は会社によって異なるので、必ずしも希望が通るわけではありません。それぞれの契約形態において、注意すべき点を押さえておかなければなりません。

期間の定めのない普通借家の場合

長く住むという前提で建物賃貸借契約を結ぶときは、期間の定めのない普通借家がもっとも適した契約形態だといえます。

しかしながら、この契約形態は貸主にとってリスクが大きいため、対応できないリースバック事業者が多いでしょう。

期間の定めのある普通借家の場合

期間満了のたびに自動的に契約が更新されるので、長く住みたいという要望に適した契約形態だといえます。

ただし、貸主側(リースバック事業者など)は、正当事由があれば更新を拒絶することもできます。たとえば建物の老朽化が激しいため取壊しを要するという事情が正当事由に該当すると認められる場合、賃貸人の解除通知によって賃貸借契約が終了します。

いかなる場合も契約更新ができるわけではない、という点に注意しましょう。

定期借家の場合

定期借家は期間を限定して建物賃貸借契約を結ぶための形態なので、継続的に住み続けたいというケースには不向きであるといえます。

交渉が整わずどうしても定期借家契約でなければならないという事情がある場合は、借主としては。少なくとも契約期間を長めに設定しておくなどの対策をとっておきたいところです。

何年住めるかはリースバック事業者に確認を

長く住みたい場合は普通借家契約が推奨されますが、建物賃貸借の契約形態は借主が一方的に決められるものではありません。そして貸主側も一方的に契約内容を決めることはできません。
契約の要素になる部分は、すべて貸主と借主の合意によって成立します。

そのため、リースバック事業者が普通借家ではそもそも契約できないのであれば、その時点で交渉が決裂します。

逆にいえば、貸主・借主双方の合意さえあればどのような契約内容でも締結することが可能です。売却後の可能居住期間含めて、リースバック事業者がどこまで利用者の要望に応えてくれるのか確認することが重要でしょう。

会社によって条件はさまざま。一括問い合わせで比較・検討しましょう。

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何年も住みたい場合はどうすればよい?

リースバック利用者が何年も住み続けたいと考える場合はどのようにするべきか考えてみましょう。

長く住むためのコツ

長く住むために最も重要なポイントは、利用者としての希望をリースバック業者へ的確に伝えることです。そのためには、普通借家と定期借家の違いなどのような必要最低限の知識を持っておかなければなりません。

また、各会社の特徴の違いについて事前に把握することも大切です。リースバック契約後に後悔しないためにもできる限りたくさんの情報を収集するとよいでしょう。

長く住むための注意点

リースバック事業者は、定期借家を勧めることが多いです。

その理由の一つに、再契約のときに家賃値上げなどの新たな条件提示ができるなど、貸主として優位に立ちやすくなるという点が挙げられます。

中には「定期借家でも期間満了時に再契約ができるので長く住み続けることができますよ」という説明をする会社もいるようですが、この言葉は過信してはいけません。定期借家には契約更新や期間延長といった概念がなく、期間が満了したときに当然に契約が終了します。そのときに、リースバック事業者が再契約に応じる義務は法律上ありません。

つまり「数年後に再契約できます」という説明があったとしてもそれは単なる口約束でしかなく、事情変更などにより簡単に再契約を拒絶されてしまうおそれがあるということなのです。

リースバックは会社選びが大切

リースバック商品を扱っている会社は複数あります。長く付き合っていく会社ですので、自分の希望を叶えるために、慎重に検討しましょう。

リースバックは会社によって違いがある

対応できる契約形態や年数というのは、リースバック事業者によって大きく異なります

ある会社では契約期間を原則2年としていたとしても、別の会社では5年、10年といった長期契約に応じてもらえるというケースもあります。
また、定期借家しか対応できないという会社もあれば、定期借家・普通借家のどちらも対応しているという会社もあります。

例として、リースバックサービスを行っている大手不動産企業の三社を比較してみましょう。

リースバック大手不動産企業の比較
HOUSE DO(ハウス・リースバック) 利用者のニーズに合わせて長期リースバックと短期リースバックという二種類の商品から選択できるようになっています。長期リースバックは、普通借家にも対応しており、長く住むことを前提としたリースバック契約を締結することが可能です。一方で、短期リースバックは、買取査定が高くなる契約内容です。
センチュリー21(売っても住めるんだワン!!) 定期借家による契約が条件となっています。期間満了時に、利用者が再契約か退去を選択できるようになっているようです。
(前述したように法律上は将来再契約できるという保証がないため、契約書の内容は確認しましょう。)
一建設(リースバックプラス+) 長期で住み続けられる標準プラン、短期を前提とした定期プランのほか、数年後に新築に住み替える充実プランが選択できるという特徴があります。

担当者との相性も大切

リースバック事業者とのやり取りで重要となるもう一つのポイントは、担当者との相性です。

高額な金銭が動く不動産取引は、高度な信頼関係の上に成り立っています。たとえ契約内容や査定金額に納得したとしても、担当者との相性が合わなければ後々些細なことでトラブルになる可能性があります。

面談の際には、長期間付き合っていくという目線を持って、信頼できる事業者かどうか見極めましょう。

一括比較で手間なく会社を比較しましょう!

会社によって扱っているサービスや契約内容、査定金額は大きく異なるので、並行して複数の会社と相談することで、自分にとってベストな選択肢を導き出しやすくなります。

複数のリースバック事業者とやり取りするのが大変だという場合は、一括比較を利用すればスムーズに幅広い情報を収集することができます。煩雑な手間をかけることなく、できるだけたくさんのリースバック事業者の条件を比較してみましょう。

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執筆・編集

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