リバースモーゲージの審査のポイント。子どもがいなくても利用できる?

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リバースモーゲージの審査のポイント。子どもがいなくても利用できる?

近年、人気のリバースモーゲージ。存命中は利息分のみの返済でよく、亡くなった後に物件を売却して元本を返済するという仕組みのローン商品で、老後資金の調達に適しているといわれます。しかし、借り入れである以上、利用するには審査があります。いったいどのような審査があるのか、みていきましょう。

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リバースモーゲージの審査とは

リバースモーゲージは、ローン商品のなかでも特殊なものです。そのため、利用条件や審査のポイントも、一般的なローンとは異なる点があります。まずはリバースモーゲージの審査とはどのようなものか、基本的な内容を整理しましょう。

リバースモーゲージの利用条件

リバースモーゲージの利用のための前提条件を確認しましょう。金融機関や商品によって細かな点は異なることがありますが、リバースモーゲージを利用できる人として定められている条件は次のようなものです。

一定の年齢
60歳以上80歳未満としている金融機関が多いですが、50歳、55歳から可能としているところもあります。
居住エリア
リバースモーゲージは不動産を担保とした借り入れで、亡くなった後にその不動産を売却することが前提のため、貸し出す金融機関にとって物件を売却するのに都合の良いエリアである必要があります。基本的には自身が住む地域の金融機関を利用することになります。
物件の制限
後ほど詳しく解説しますが、リバースモーゲージでは、担保とする物件の審査が行われます。それ以前に、そもそも対象とならない物件の条件が定められていることもあります。たとえば、戸建て物件に限り、マンションが対象としないなどです。
同居家族
多くの場合、同居家族として本人の配偶者・子ども以外が同居している物件は対象にできません。
年収に占める返済額の割合
年収に占める返済額の割合をおおむね3割以内としていることが多いようです。

また、リバースモーゲージで借り入れた資金は、使途が制限されている場合もあるので注意しましょう。自宅のリフォーム資金など、住まいに関することのみに限定し、生活資金などには使えない場合があります。

リバースモーゲージの審査のポイント

リバースモーゲージの審査のポイントを見ていきましょう。リバースモーゲージはローンであり、不動産を担保とするものです。

そのため、その審査では以下の2点がチェックされます。

  • 借り入れる人
  • 担保とする不動産

前者については、一般的なローンと同じように、

  • 安定した収入があるか
  • ほかに大きな借り入れをしていないか

などが審査のポイントとなります。もちろん、リバースモーゲージは高齢者向けという側面もあり、存命中の返済は利息分だけなので、収入面の審査はさほど厳しくはありません。現役をリタイアした人でも公的年金を受け取っていれば安定した収入があるとみなされるでしょう。

不動産については、

  • 担保として十分な価値があるか
  • 売却する際に問題が起こらないか

といったことが重要視されます。

貸し手である金融機関は、不動産を売却して元本の返済を受けるので、物件が魅力的であることは大切です。

  • 都心に近い
  • 新しい
  • 駅が近い

といった、一般的に見て人気の物件といえる条件ほど有利に働くでしょう。

子供がいないとリバースモーゲージの審査に通らない?

リバースモーゲージは、自身の死後に物件を売却して、借り入れ元本を精算するという仕組みです。では、自分の死後にそうした手続きをしてくれる相続人=子どもがいなくても、問題ないのでしょうか。

子どもがいなくてもリバースモーゲージは利用可能

子どもがいないからといって、リバースモーゲージが利用できないという決まりはなく、審査に通らないということもないと思われます。

むしろ、子どもがいない人にこそ、リバースモーゲージは向いているともいえます。なぜなら、子どもに家を残す必要性がないからです。

リバースモーゲージでは、家を売って、その売却益で元本を返済することが前提のため、リバースモーゲージを利用していた人が亡くなった後、家を手放さずに残しておくためには、現金での一括返済をするしかありません。

そのため、リバースモーゲージを利用する際は、あらかじめ推定相続人の同意が必要とされています。推定相続人とは、その人が亡くなれば相続人になるであろう予定の人をいい、一般的には配偶者や子どもがそれにあたります。

子どもにとって、親のマイホームとは、すなわち自分にとっての実家です。たとえ、自分が独立していたとしても、生まれ育った家を売ってしまうのは心理的に抵抗があるという人もいるでしょうし、実家を相続することを望む子どもがいる場合があります。

そんな場合、親がリバースモーゲージを利用してしまって、実家を手放さざるを得ないことから起こるトラブルを防ぐために、相続人の事前の同意が求められるのです。

なお、相続人がいない人がリバースモーゲージを利用した場合、死後の返済に関する手続きは、金融機関側で行われます。

住宅ローンが残っているとリバースモーゲージの審査に通らない?

リバースモーゲージはローンの一種のため、利用にあたって、ほかに借り入れがあるかどうかも審査の対象になります。では、住宅ローンの残債がある場合はどうなるのでしょうか。住宅ローンとリバースモーゲージの審査の関係を見てみましょう。

住宅ローン残債があっても問題なし。借り換えにも利用できる

リバースモーゲージは借り入れであるため、ほかに借り入れがあるかどうかも審査の対象です。そう考えると、住宅ローンが残っていることはマイナス要素ではないかと思えます。

しかし、実際には、住宅ローンが残っていてもリバースモーゲージは問題なく利用できるケースが多いです。と、いうよりも、リバースモーゲージは住宅ローンの借り換えに利用されることがあります。

借り換えとは、この場合、リバースモーゲージで借りたお金で、住宅ローンの残債を一括返済してしまうことを指します。

リバースモーゲージは存命中は利息分のみの返済であるため、リバースモーゲージに借り換えすることで返済の負担を大幅に抑えることができます。

ただし、担保物件の価値が、住宅ローンの残債を下回っていると思われる場合は、利用できないこともあります。リバースモーゲージで調達できる資金は物件の価値に左右されますから、調達資金がローン残債より少ない場合、住宅ローンを返済し切れず、リバースモーゲージでお金を借りてなお、住宅ローンも残ってしまうことになるからです。

リバースモーゲージを借り換えに使う場合の注意点

審査上、問題がなかったとしても、住宅ローンの借り換えとしてリバースモーゲージを利用するときは注意すべき点があります。

ひとつは、リバースモーゲージでは、住宅ローン利用者が加入できた団体信用生命保険に加入できないことです。

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを借り入れている人が亡くなった場合、ローンの残債相当の保険金が支払われ、ローンが精算されるという仕組みです。

遺族がローンの残債を相続する必要がなく、また、住宅ローンを貸している金融機関が、確実に返済を受けられるための保障の機能といえます。保険料は、あらかじめ住宅ローンの金利に含まれています。

リバースモーゲージは、借り入れ人が亡くなった場合、物件を売却して返済する仕組みのため、団信を利用することはできません。団信は、同額の保障がある生命保険に比べると割安な保険という側面もあるため、このメリットを捨ててもよいかは一考の余地があります。

もうひとつの注意点は、住宅ローンに比べると、リバースモーゲージは高金利であることです。

住宅ローンをリバースモーゲージで借り換えることで、月々の返済額は大幅に下げられることはお伝えしたとおりです。しかし、それは、リバースモーゲージが、元本の返済を存命中は行わないため、元本と金利の両方を返済しなければならない住宅ローンに比べて、一回の返済額が少ないからに過ぎません。

金利そのものはリバースモーゲージのほうが高いため、死後に行われる元本返済も含めた、トータルの返済額はリバースモーゲージのほうが多くなります。

審査に通らなければ、リースバックも検討しよう

子どもや住宅ローンのこと以外にも、リバースモーゲージの審査ではさまざまな点がチェックされます。万一、その審査に通過できない、もしくは途中で問題が生じた場合には、リースバックと比較検討することをおすすめします。

リースバックとリバースモーゲージの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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