生命保険料が払えず滞納すると解約になる?失効させないためにできること

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生命保険料が払えず滞納すると解約になる?失効させないためにできること

自分にもしものことがあったとき、家族が困らないような保障を準備することができる生命保険。人生のリスクヘッジとして大切な生命保険ですが、保険契約を有効に維持するためには、生命保険料の払い込みが必要です。とはいえ、収入減などで払い込みが苦しくなるときもあるでしょう。そんな場合は、どうすればよいのでしょうか。対処法を整理しました。

 

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生命保険に加入している人は、当然のことながら、生命保険料を支払わなければなりません。では、もし、なにかの事情で払えなかった場合はどうなってしまうのでしょうか。やはり解約になってしまうのかなど、保険の払込の仕組みについてみていきましょう。

保険料払い込みの期限

生命保険に加入している人は、決められた額の保険料を、決められたサイクルで払い込まなくてはいけません。

保険の払込方法は、そのサイクルにより、

  • 月払い
  • 半年払い
  • 年払い

などがあり、商品やプランによって、一定の範囲から選ぶことになっています。月払いなら毎月、半年払いなら半年に一回のペースで払うということであり、間隔が空くほど、一回の払込額は高くなりますが、月で割ったときは割安になります。

払込の期限は、基本的には、応当日が属する月の月末です。

応当日とは、契約した日に対応する日付のことで、たとえば1月10日に契約した保険契約について、月払いであれば毎月10日、半年払いであれば半年ごとの10日(1月10日と7日10日)、年払いであれば毎年同じ日付の日(毎年1月10日)となります。

応当日の属する月の末日ですから、月払いであれば、結局は毎月末が期日ということです。

この日を過ぎると、ただちに失効するのかといえば、そうではありません。以下の通り、「猶予期間」が決められています。

保険失効までの猶予期間
月払いの場合 翌月の末日まで
半年払い・年払いの場合 翌々月の月単位の応当日まで

この猶予期間の間は「払込を待ってもらっている状態」となり、失効はしませんが、猶予期間中に、保険金が支払われるようなことになった場合は、未払いの保険料分を差し引いた保険金しか受け取れません。

猶予期間を過ぎても保険料の払い込みがない場合、保険契約は失効してしまいます。

自動貸付が行われる場合も

ただし、保険によっては、猶予期間を過ぎて払い込みがなくても失効しないことがあります。

それは、契約者貸付がある保険の場合です。契約者貸付とは、保険契約者が保険会社からお金を借りることのできる仕組みで、

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 個人年金保険
  • 学資保険

など、満期金が受け取れたり、解約返戻金があったりする、いわゆる「貯蓄型」保険(「掛け捨て」ではない保険)に備わっている制度です。

契約者貸付制度がある保険では、猶予期間を過ぎて払い込みがない場合、自動的に契約者貸付が行われる「自動貸付」制度により、保険料が払い込まれたことになり、契約は失効しません

ただし、これは「保険会社からお金を貸してもらって支払いにあてた」のと同じ意味ですから、この仕組みで払い込まれたぶんは、いつかは返済しなくてはなりませんし、利息もつきます。

また、契約者貸付は解約返戻金の一定範囲内でしか貸し付けを受けられないので、その範囲を超えた場合、自動貸付を受けることができず、やはり失効することになります。

放置すると失効する

自動貸付制度のない保険を、猶予期間を過ぎても払い込まなかったり、自動貸付があっても受けられない状態になれば、保険は失効します。

自動貸付を返済しないまま失効した場合、返済は行わなければならないので、負債を負うことになります。

失効すると、保障はすべて失われます

安易に「またお金ができたら入ればいい」とは思わないほうがいいでしょう。保険契約は、加入時の状態によって保険料などが決まり、加入の可否も審査されています。

一度失効や解約をしたら、同じ保険に入ろうと思っても、加入できなかったり、以前とは違う条件で加入しなくてはならないケースもあります。自分の意志で保障内容を見直す場合を除いて、すでに入っている保険はできるだけ維持したほうがいいのです。

なお、失効した保険を一定期間内(おおむね3年以内)に、保険会社の許可を受ければ、もとの契約のまま入り直せる仕組みもあります。これを復活と呼びます。ただし、復活では、再度の告知(健康状態などを保険会社に申し出て審査を受けること)をしなければならないので、必ずできるとは限りません。

生命保険料が払えない場合の対処法は?

生命保険料が払えない場合で、自動貸付なども使えないか使いたくないとき、失効を避けるにはどうすればいいでしょうか。保険の仕組みを活用したいくつかの方法があります。

保障内容の変更や一部解約

保険料は、保険の保障内容に応じて決まっています。より手厚い保障を受けるには、保険料は高くなります。つまり保障内容を変更すれば、保険料も変わるわけです。

そこで、保険会社の仕組みが許すなら、保障内容を下げることで、保険料を払い込みできる額まで下げるという方法があります。

たとえば「保険金額」です。死亡保険金3000万円の保険を、月額保険料6万円で加入していた場合、保険金額を1500万円に減額することで、保険料を3万円にする、といったことが可能です(例です。実際は必ずしも単純に半額になるわけではありません)。

保険は、メインの保障である「主契約」と、オプションである「特約」からなっています。

オプションの保障については、たくさん付けるほど保険料が高くなるので、これらの特約を外す(一部解約)ことで、保険料を下げることができます。

払済保険への変更

払済(はらいずみ)保険とは、保険料の払い込みを中止し、その時点での解約返戻金を使って一時払いで保険を購入するという仕組みです。

以後は保険料を払う必要がなくなり、保険そのものもなくなりません。

その代わり、以前の保険よりも、保障内容(保険金額)は減額された保険になります。また、特約(オプションの保障)はすべてなくなります。

払い込みを中止したうえに、保障を維持できるのが大きなメリットですが、まったく同じ保障ではない点は注意が必要です。

延長保険への変更

延長保険も、払済保険と同様に、保険料の払い込みを中止し、その時点での解約返戻金を使って新しい保険を購入する仕組みです。

払い済み保険との違いは、以前と同等の保障内容を確保できる点です。

反面、保障期間は短縮されることがほとんどで、もとが終身保険であった場合でも、定期保険になってしまうなどします。

つまり、「今の保障を変えずに、続けられるところまで続ける」という形の保険です。

特約(オプションの保障)がすべてなくなる点などは払い済み保険と同じです。

保障を変更する場合の注意点

ここまで紹介したような方法は、有効に思えますが、安易には選べないことも理解しておきましょう。

たしかに、失効するよりはましに思えますが、もともと必要だと考えて加入していた保険の保障内容が変わってしまっては、本来の保険の目的が果たせない場合があります。

たとえば死亡保険は、自分が亡くなったときに、残された家族が困らないよう、お金を残す目的で加入しているはずです。

このとき、契約した保険金額は「家族が困らないだけ」の金額に設定しているでしょう。この保険金額が減額されてしまったら、たとえ保険が失効しなかったとしても、受け取った保険金額は結局は「足らない」かもしれません。

「保険料が払えない」という問題を根本的に解決するには?

保険料の払い込みが難しい場合の対処法を紹介しましたが、根本的な原因は、資金不足です。この根源を解決しないと、暮らしの他の面でも問題が生じるでしょう。解決策を考えてみましょう。

慢性的な資金不足には、借り入れはリスクが高い

資金調達の方法として、まず思いつくのは「借り入れ」です。キャッシングやカードローンなら、気軽に少額からお金を借りることができ、スピーディーに用立てられます。

しかし、生命保険料のような、継続的・日常的に必要なお金が足りない、という状況で、借り入れを利用するのはリスクがあります。

そうした状況は、なにかの理由で一時的にお金が不足しているというのではなく、慢性的に収支がマイナスになっている状態だと思われるからです。

すると、借り入れで一時的にしのいでも、すぐにまたお金が足りなくなります。これをまた借り入れで対処すると、多重債務に陥ってしまう危険性があります。キャッシングやカードローンは金利負担が大きいという点でもおすすめできません。

根本的な解決策は資産売却による資金調達

借り入れを避けるべきであれば、どうやって資金調達するとよいのでしょうか。答えは「資産の売却」でお金をつくるという方法です。

つまり、今すでに持っていてお金に換えられるものを売るということです。たとえば、家にある不用品をフリマアプリで売るというのもそのひとつ。もちろん、まとまったお金を入手するには、ある程度、資産価値の高い物を売らなくてはなりません。

代表的なものが、不動産でしょう。マイホームに住んでいるのなら、家を売るのが、もっとも大きなお金を手に入れられる可能性が高いです。

今現在暮らしている家を売ってしまうと住む場所を失ってしまいますが、リースバックのように、売却後に賃貸契約を結ぶことで、家を売りながら同じ家に住み続けるという方法もあります。

リースバックについては、専門の事業者がありますので、一度相談してみるとよいでしょう。近年、注目されている方法なので、複数の事業者があります。それぞれ得意分野があり、相性などもありますので、複数社に問い合わせて比較検討するのが利用のコツです。

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