リースバックは、自宅を売却しても住み慣れた自宅で暮らし続けられるため、資金確保の選択肢として注目されています。まとまった資金を早期に確保でき、引っ越しの負担も避けられる一方で、家賃や契約内容など気になるポイントも多いでしょう。穴吹興産が提供する「あなぶきのリースバック」は、柔軟な家賃設定に加え、高齢の方でも利用しやすい仕組みとなっています。他社と比べてどのような特徴があるのか、利用前に知っておくべき仕組みや注意点を、分かりやすく整理しながら紹介します。
目次
あなぶきのリースバックとはどんなサービス?
あなぶきのリースバックとは、穴吹興産株式会社が運営するリースバックのサービスです。リースバックは不動産会社などに自宅を売却した後、家賃を払うことで賃貸住宅として自宅に住み続けられる仕組みを指します。
短期間でまとまった資金を得られるところや、引っ越しの手間や費用がかからない点が魅力のサービスです。近年では、ニーズの高まりに合わせてリースバックを扱う事業者が増えています。それぞれの会社によってサービス内容に違いがあるため、あなぶきのリースバックの特徴を知って比較・検討を行うとよいでしょう。
この記事では、あなぶきのリースバックを活用するメリットや注意点についてご紹介します。
あなぶきのリースバックの特徴
まずおさえておきたいのは、あなぶきのリースバックでは、扱う物件が「マンションのみ」ということです。運営元の穴吹興産は賃貸マンション・管理事業に強みとしていることもあってか、2025年11月現在において、戸建てのリースバックには対応していません。
現在マンションにお住まいで、短期間でまとまった資金を得たい方にとって、あなぶきのリースバックは有効な選択肢のひとつです。いくつか特徴があるので、詳しく見ていきましょう。
普通賃貸借契約を採用
あなぶきのリースバックはマンションを売却した後に、リースバック事業者である貸主(穴吹興産)と借主(リースバック利用者)は、「賃貸借契約」を結ぶこととなります。賃貸借契約には「普通賃貸借契約」と「定期賃貸借契約」の2種類があります。
定期賃貸借契約は、あらかじめ決められた契約期間が満了になると、更新することなく自動的に契約が切れる契約方式です。借主が引き続き入居するためには、貸主と再契約を結ぶ必要がありますが、貸主側は必ずしも受け入れる義務はありません。
それに対して、普通賃貸借契約は、契約期間が満了しても借主が希望する限りは何度でも更新ができる契約方式です。貸主側が更新を拒絶するには、相当の事由が必要とされているため、借主に有利な契約方法と言えるでしょう。
国土交通省が令和2年に行った調査によると、リースバック事業者の8割は定期賃貸借契約を採用しています。これは、数年程度賃貸で過ごしてからの買い戻し、あるいは引っ越しを検討している方を想定したケースが多いためと考えられます。
その一方で、あなぶきのリースバックで採用しているのは普通賃貸借契約です。原則として何度でも更新が可能なため、「希望するまで自宅に住み続けられる」のが大きな利点です。
なお、穴吹興産のWebサイトには普通賃貸借契約を解除する例として、以下のものが挙げられています。
- 家賃の滞納
- 近隣住民への迷惑となる行為をしたとき等
- 著しく信用に欠けると判断されたとき
- 住戸内及び付随する施設等に損賠を及ぼしたとき
- 公序良俗に反すると認められる者又は公序良俗に反する目的で本物件を利用しようとしていると認められる者
上記のように、極端なルール違反がなければ更新を続けられるため、売却後も長く自宅に住み続けたい方にピッタリのサービスと言えるでしょう。
参照:あなぶきのリースバック「よくあるご質問」
家賃設定を柔軟に相談できる
あなぶきのリースバックの大きな特徴は、家賃設定に柔軟に対応してもらえる点にあります。リースバックは売主と運営会社との直接的な取引となるため、賃貸する場合の条件は事業者との間で細かく相談することとなります。
あなぶきのリースバックでは、マンション内の賃料や近隣の相場をもとに算出することで、無理のない家賃設定を行っています。そのため、長く住み続けたい方も安心して利用できるのが特徴です。
豊富なサービス内容
あなぶきのリースバックでは、高齢の利用者にとって使い勝手のよいサービスが多数用意されているのも大きな特徴です。利用に年齢制限がなく、70歳以上の方はセコム株式会社が提供する見守りサービスに加入するため、家族が離れた場所に暮らしていたとしても安心できます。
また、室内設備の修繕に対応してくれる点も、リースバック利用者にとって嬉しいポイントです。一般的に、リースバックの賃貸期間中に室内設備の修繕が必要になった場合、借主が費用を負担することとなります。
しかし、あなぶきのリースバックでは、原則として利用者は管理費や修繕金を負担することがなく、貸主である穴吹興産が費用を負担してくれます。ただし、利用者の故意・過失により生じた損傷・破損は、費用負担が発生することがあるため注意が必要です。
長く住み続けることを想定している方にとって、自宅のメンテナンス費用を貸主が負担してくれるのは大きなメリットです。
一緒にライフプランを考えてもらえる
穴吹興産では、リースバックをあくまでも選択肢の1つとして捉えています。実際に、あなぶきのリースバックのWebサイトには、次の記載があります。
リースバックは不動産会社による買取の一種となりますため、通常の売却金額と比較すると安くなります。
より高く売却されたい場合や引っ越しすることに問題がない場合はリースバックではなく通常の売却をお勧め致します
あなぶきのリースバック「よくあるご質問」
利用者はほかのリースバックサービスと比較しながら、利用を検討できます。細やかな説明を受けられるので、納得感のある答えを探せるでしょう。
あなぶきのリースバックの運営会社
あなぶきのリースバックの運営元は、穴吹興産株式会社です。会社概要は以下の通りです。
| 運営会社名 | 穴吹興産株式会社 |
|---|---|
| 設立 | 1964年5月25日 |
| 所在地 | 〒760-0028 香川県高松市鍛冶屋町7-12 |
| 営業拠点 | 関東支店(東京都港区)、大阪支店(大阪市西区)、高知支店(高知市本町)、広島支店(広島市中区)、仙台支店(仙台市青葉区)、北部九州支店(福岡市博多区) |
| 代表者 | 代表取締役社長 穴吹 忠嗣 |
| 資本金 | 755百万円 |
| 従業員数 | 484名(単体) 3,268名(連結) ※2025年6月30日現在 |
32のグループ会社
穴吹興産株式会社は1964年の創業以来、四国を地盤としながら国内各地で不動産関連事業を提供している企業です。現在は、介護関連事業や観光事業など幅広く事業を展開しており、東南アジアを中心に海外進出も果たしています。
穴吹興産グループには、マンションの賃貸やリフォームをメインに行っている事業もあります。リースバックでは自宅を賃貸として借りることになるため、貸主が賃貸マンションに関するノウハウや実績が豊富な会社である点は、借主からすると契約の大きな安心材料といえるでしょう。
あなぶきのリースバックを利用するときの注意点
リースバックは、自宅を売却してからも住み続けられるため、生活環境を変えずにまとまった資金を得たい方には魅力的な仕組みです。しかし、利用するうえでは注意点もあるため、理解してから検討する必要があります。
ここでは、あなぶきのリースバックを利用する際に気をつけたいポイントを確認していきましょう。
駐車場などが使用できなくなるケースがある
リースバックでは、売却によって利用者の権利の状態が変わることがあります。そのため、それまでに使っていたマンションの駐車場を使用できなくなるリスクがある点に注意が必要です。自身の立場が区分所有者から「借主」へと変わるため、駐車場使用の権利を引き継げないケースも少なくありません。
駐車場を利用する優先順位が「区分所有者を優先」と定められているマンションも多く、空きを待っている所有者がいる場合、借主よりも優先されます。状況によっては継続して使用できるケースもありますが、駐車場を利用している場合は、事前に管理人や管理会社へ確認してください。
また、バイク置き場や駐輪場も、駐車場と同じ理由で使用できなくなるおそれがあります。
家賃以外にも諸費用がかかる
リースバックを利用する際は、家賃以外にもいくつかの諸費用がかかる点に注意しましょう。一般的な不動産売買では売買契約書を交わす際の印紙代や、抵当権を抹消するための登記費用がかかりますが、その点はリースバックも同様です。
あなぶきのリースバックでは仲介手数料は不要ですが、登記費用や印紙代などの諸経費は発生します。また、賃貸借契約を交わす際には敷金や火災保険料金、賃貸保証料が必要です。それぞれにかかる費用はマンションのエリアや売買金額によって変わるため、事前に目安の金額を確認することをおすすめします。
自宅を売却して得た資金がまるまる手元に残るわけではないという点を理解しておきましょう。
住宅ローンが残っている場合は売却代金での完済が必須
リースバックに限らず、自宅を売却する際には住宅ローンを完済し、金融機関による抵当権を抹消しなければなりません。住宅ローンが残っている状態でリースバックを利用するには、売却代金などを返済に充てて、完済する必要があります。
なお、住宅ローンの残債が売却額を上回る場合は、自己資金などで差額を補填します。手元の資金だけでカバーできなければ、そもそもリースバックが利用できないため、事前に残債と査定額のバランスを確認しておきましょう。
リースバックが可能なマンションの条件がある
2025年11月現在において、あなぶきのリースバックが対応している地域は、本社がある香川県を含む四国全域と東京・神奈川・千葉・埼玉・名古屋市(一部を除く)・大阪・京都・兵庫・広島・岡山・福岡です。
ただし、現時点で対応していないエリアでも、山陰地方や九州地方は穴吹興産が「取込検討エリア」に指定しているため、今後取り扱いが始まる可能性があります。
エリア以外にも、原則として以下の5点がリースバックの利用条件として設定されています。
- 専有面積が40平米以上
- 築年数が10年以上
- 鉄筋コンクリート構造もしくは鉄筋鉄骨コンクリート構造
- 保証会社と火災保険への加入
- セコムホームセキュリティへの加入(70歳以上が対象)
すべての条件を満たしていなくても対応してもらえる場合もあるため、まずは気軽に問い合わせてみるとよいでしょう。
あなぶきのリースバックが向いているのはこんな人
あなぶきのリースバックは、更新可能な「普通賃貸借契約」を採用しているため、自宅にそのまま住み続けたい方に適したサービスです。そのほかにも、あなぶきのリースバックに向いているケースがあるため、見ていきましょう。
自宅の取り扱いについて幅広く相談したい方
あなぶきのリースバックでは、リースバックの仕組みや注意点を丁寧に説明しています。そのため、リースバックと仲介での売却を比較・検討したい方の判断材料として活用することが可能です。
また、実際にリースバックを利用することになれば、近隣の物件をもとに柔軟に対応してもらえます。基本的に利用者の負担を抑えられるような価格設定にしているので、透明性が高く選びやすいのが特徴です。
マンションのリースバックを検討中の方
リースバックを扱う企業によっては、取り扱い実績や得意分野などの関係から、対象物件を「一戸建て限定」としているケースもあります。マンションの賃貸には、建物の管理規約や管理組合といった一戸建てにはない要素が関わってくるため、専門的なノウハウが必要です。
そのため、マンションの取り扱い経験がない企業では、リースバックの対応が難しい場合があるでしょう。その点、穴吹興産では分譲マンション事業が主軸のため安心して利用できます。
所有者以外の親族に引き続き住んでもらいたい場合
あなぶきのリースバックでは、同居している親族であれば、所有者以外の方でも借主として契約を引き継げます。そのため、自身が高齢者施設に入った後、あるいは亡くなった後でも、配偶者や子どもを借主として住み続けることが可能です。
また、状況によっては別居中の親族でも対応してもらえる可能性があり、ケースバイケースでの柔軟な判断が期待できます。たとえば、離婚の財産分与を行う際に、自身が所有者であるマンションに配偶者が住み続ける場合でも、借主として契約をしてもらえるということです。
このように、状況次第でリースバックが利用できるケースは多いため、まずは担当スタッフに相談してみるとよいでしょう。
リースバックは比較して選ぶことが大事
リースバックはサービスを提供する会社によって、さまざまな違いがあります。そのため、1社とだけ相談して契約してしまうと、期待するようなサービスを受けられないことがあります。リースバックを利用するときは、幅広く各社を比較することが大切なのです。
各リースバック会社のサービスを比較するときは、リビン・テクノロジーズ株式会社が運営する「リースバック比較PRO」が便利です。必要情報を一度入力するだけで、対応できる複数のリースバック会社へ相談できます。
ほかのリースバック会社のサービスもチェックするなら、次のページで大手をはじめとする事業者の情報をまとめていますので、ぜひご確認ください。











