リースバックは便利なサービスである一方、利用後に後悔する人が少なくありません。それは、リースバックの仕組みをよく理解しないまま契約し、あとになってからデメリットに気づいてしまうためです。大切な家を売却するサービスなのですから、慎重に進めていくことが大切です。リースバックで後悔した理由、そして後悔せずに利用するためになにが必要なのか見ていきましょう。
目次
リースバックで後悔する11の理由
リースバックとは、いま住んでいる持ち家をリースバック会社に売却して現金化し、そのあと賃貸契約を結んで家賃を払いながら住み続ける方法を指します。売却後もいまの家に住み続けられるため、現在の住環境を大きく変えないまま、まとまった資金を得られることが大きなメリットです。
ただし、デメリットもあるため、後悔する人が少なくありません。リースバックを利用して後悔するケースとして、次の11点があげられます。
- 安い買取価格で契約してしまった
- 家賃が高すぎて家を売った意味がない
- 買い戻し価格が高くて家を買い戻せない
- 子どもが実家を相続したいと考えていた
- 新居へ引っ越したほうが費用を抑えられた
- 思ったほど長く住まなかった
- 賃貸借契約を更新できず退去することになった
- 駐車場が借りられなくなってしまった
- オーナーチェンジで約束が守られない
- 家賃を大幅に値上げされてしまった
- 高額の修繕費を負担することになった
それぞれのケースを参考にして、リースバックの落とし穴にはまらないように注意しましょう。
安い買取価格で契約してしまった
ひとつめは、「買取価格が相場より安いのにもかかわらず契約してしまった」というケースです。
そもそもリースバックは、通常の不動産売却と比べると、6~8割前後まで売却価格が下がるのが一般的です。また、リースバック会社に直接買い取ってもらう仕組みのため、相場を知らないまま契約を結ぶと、実際の価値よりも低い価格で手放してしまうリスクがあります。
価格が低くなる理由は、リースバック会社が売却後の家賃滞納や物件価値の下落といったリスクを抑えるためです。そういった事情から、相場より低めの取引になるケースが多く見られます。それだけに、あとから物件の本当の価値を知り、「もっと高く売れたはず」と後悔してしまうケースは少なくありません。
家賃が高すぎて家を売った意味がない
リースバックを利用していまの家に住み続けるには、物件のオーナーであるリースバック会社に家賃を支払う必要があります。毎月の家賃は、「買取価格」と「想定利回り」などによって計算されるため、場合によっては周辺の賃貸物件よりも高額になることもあります。
新たに賃貸物件を探す場合と比べ、住み慣れた自宅にそのまま住めることは、リースバックの大きなメリットです。ただし、通常の賃貸借契約とは内容が異なるケースがあり、場合によっては家賃負担の面で不満に感じることもあるでしょう。割高な家賃を支払い続けることで、売却で得た資金が目減りしてしまうことも考えられます。
特に住宅ローンを完済していない状態でリースバックを選択した場合は、売却によって残債がゼロになったとしても、「家賃負担が大きくて生活が楽にならない」と後悔をするケースがあります。
買い戻し価格が高くて家を買い戻せない
リースバックでは、契約の条件次第で物件の「買い戻し」ができます。買い戻しとは、売却した自宅を、あらかじめ決めた条件で将来再び購入することです。
リースバックの買い戻しでは、売却価格より高めの金額に設定されていることがあります。具体的な買い戻し価格はケースバイケースですが、10~30%程度が上乗せされることもあり、金銭的には損をするケースも少なくありません。
また、リースバックの買い戻し時には、最初にその物件を購入したときより年齢を重ねていることもあり、住宅ローンを組めないケースもあるでしょう。そのため、「いつでも買い戻せる」と軽く考えていたところ、想定よりも価格が高くて買い戻せなくなってしまうこともあるのです。
子どもが実家を相続したいと考えていた
リースバックでは、不動産の所有権が売却したリースバック会社に移るため、推定相続人(将来的に法定相続人になり得る人)である子どもとのトラブルに発展するリスクもあります。システム上、リースバックそのものは、持ち主本人の意思があれば推定相続人からの同意がなくても実行できます。
リースバックは、家の所有者であれば、推定相続人の同意がなくてもサービスを利用できます。しかし、事前に相談しないまま売却を進めると、親子間のトラブルにつながってしまうこともあるでしょう。子どもにとって生まれ育った実家は、替えの利かない特別な場所として考えているものです。
また、以前は継ぐ気がないと言っていても、結婚や子育てといったライフステージの変化にともない、考え方が変わることもあります。そのため、リースバックを行う際には、あらかじめ子どもと話し合っておくことが大切です。
新居へ引っ越したほうが費用を抑えられた
リースバックでよくある後悔のひとつに、「新居への引っ越しも視野に入れるべきだった」というものがあります。
リースバックは、売却価格に対する利回りやリスクを考慮して家賃が決まるため、周辺の賃貸相場より家賃が割高になる傾向です。また、周辺に立地や広さ、間取りなどの条件が合う、より家賃の安い物件が見つかっても、リースバックの契約内容によってはすぐに退去できないことも少なくありません。中途解約となると違約金の支払いが発生することもあります。
そのため、売却で得られた資金で家賃の安い賃貸物件に引っ越したほうが、結果として費用対効果が高かったと後悔してしまうことがあるのです。
思ったほど長く住まなかった
リースバックでは、賃貸物件として借りはじめてから、どのくらいの期間まで住み続けるのかを事前に計画しておく必要があります。
リースバックは通常の不動産売却と比べ、相場の取引価格より安くなってしまうのが特徴です。それだけに、すぐに引っ越してしまうのであれば、初めから通常の手順で売却をしたほうが、金銭的に得をする可能性が高いでしょう。
転勤や体調の変化などで想定より短期間で退去してしまうと、仲介よりも割安な価格で売却したというデメリットのほうが大きくなってしまいます。このように、「思ったほど長く住まなかったため、金銭的なデメリットを被ってしまった」と後悔するケースもあるのです。
賃貸借契約を更新できず退去することになった
リースバックで起こりやすいトラブルのひとつに、「契約の仕組みがよくわからないまま利用し、突然退去を求められてしまった」というケースがあげられます。これは、リースバックの賃貸借契約では「定期借家契約」が用いられることが多いためです。
一般的な賃貸物件では「普通借家契約」が用いられており、契約期間が満了したら自動的に契約が更新されます。普通借家契約は借主が希望する限り、よほどの事由がなければ貸主は契約の更新を拒絶できません。
それに対して、定期借家契約は契約期間が満了となると、原則として更新されずに終了する賃貸借契約です。期間満了後も住み続けるには、あらためて契約を結び直す必要があります。国土交通省が公表している調査データによれば、リースバックの80%は定期借家契約を採用していると示されています。
定期借家契約の場合、借主が再契約を希望しても、貸主には再契約の義務がないため断ることができます。したがって、リースバックにおける定期借家契約の仕組みを理解していなければ、契約期間満了時に更新を拒否され、退去を求められるといった事態も起こり得るのです。
参考:株式会社価値総合研究所「リースバックの現状について」(PDF)
駐車場が借りられなくなってしまった
マンションのリースバックでは、これまで使えていた駐車場が借りられなくなってしまうケースがあるため注意が必要です。マンションでは管理組合の規定により、駐車場の利用が区分所有者に限られていることがあります。
マンションは管理組合の規定により、駐車場の利用が区分所有者に限られていることがあります。こうしたマンションでリースバックを行うと、売主は区分所有者から賃借人へと立場が変わってしまうため、駐車場が利用できなくなるおそれがあるのです。
また、賃借人の駐車場利用が認められているマンションでも、リースバックのタイミングでは、一度その権利を管理組合へ返却することが基本です。そのあと、物件を買い取った不動産会社に管理組合と駐車場の契約を結んでもらう必要がありますが、必ず再契約できるとは限りません。
そのタイミングでほかの区分所有者が駐車場の利用を希望していれば、そちらが優先される可能性があるからです。その結果、「駐車場が遠くなって不便になった」「駐車スペースが見つからず、自家用車を手放さざるを得なくなった」といった後悔をすることもあります。
オーナーチェンジで約束が守られない
リースバックを行うと、物件の所有権は買い取った不動産会社に移ります。そのため、売主は所有者としての権限は失い、物件の管理や売却に関する最終的な判断は不動産会社が行います。
多くのリースバック契約では、転売を禁止する特約が設けられておらず、所有者となった不動産会社が第三者へ売却することが契約で認められています。つまり、より高く購入してくれる買い手が見つかれば、不動産会社が第三者に売却することもあり得るのです。
また、積極的に売却をするつもりがなくても、経営の悪化や資金繰りの問題により倒産してしまうリスクはゼロではありません。その場合、会社が保有している不動産が処分されたり、債権者や第三者へ売却されたりする可能性があります。
法律上、賃貸借契約は、オーナーが変わっても新しい所有者へそのまま引き継がれます。所有者が変更されたからといって、直ちに退去を求められるケースは少ないでしょう。
しかし、契約書に賃料や契約期間、更新条件などの取り決めを明記していなければ、オーナーの変更によって「家賃が高くなった」「定期借家の再契約をしてもらえなくなった」「買い戻しができなくなった」といった事態に陥るリスクは否定できません。
家賃を大幅に値上げされてしまった
リースバックの家賃の設定は、契約時から変わらないとは限りません。たとえ契約のタイミングで家賃は上がらないと説明されていても、オーナーの変更や、再契約のタイミングで値上げが行われることもあります。
さまざまな理由から大幅な値上げを要求され、退去せざるを得なくなって、リースバックを後悔してしまうケースもあるでしょう。
高額の修繕費を負担することになった
リースバックで物件を売却したあとは、「所有者」ではなく「借主」の立場になります。そのため、物件に不具合が生じた際、借主としてどれくらい修繕費を負担するかは、リースバック会社と結ぶ賃貸借契約の内容に左右されます。
通常の賃貸借契約では、建物の構造部分や経年劣化による設備故障は貸主の負担となるのが一般的です。しかし、リースバックでは特約の内容によって、本来は貸主が負担することの多い雨漏りや給排水設備の修理、給湯器の交換費用なども借主が負担することがあります。
内容をきちんと確認しないで契約してしまうと、想定外の高額な修繕費を請求されるおそれがあるのです。リースバックは賃貸と同じ感覚で考えず、修繕負担の範囲や金額上限を契約書で必ず確認しましょう。
リースバックで後悔する人の特徴まとめ
リースバックで後悔しないためには、どうして後悔してしまうのか、その原因を知ることが大切です。リースバックで後悔をしている人には、共通する考え方や行動などが見られます。リースバックで後悔しやすい人に共通する、5つの特徴を見ていきましょう。
自宅に住み続けられるメリットを大きく評価しすぎる
リースバックは、必ずしも家計に負担が少ない選択肢とは言えません。それにもかかわらず、リースバックを選んでしまった方の背景には、「自宅に住み続けられる」というメリットを過大評価してしまった可能性があります。
引っ越しは心理的な負担が大きいライフイベントのひとつであり、住み慣れた環境を変えたくないという思いは誰しもが抱く感覚です。特に高齢になってからの引っ越しは、精神だけでなく肉体的にも大きな負荷となるでしょう。
そのため、自宅に住み続けられるというメリットがより魅力的に感じられ、買取価格の安さや家賃の高さといったデメリットを正しく評価できなくなったことが考えられます。
契約書の内容をよく確認せずに契約してしまう
リースバックで後悔してしまう原因として、契約書の内容が不明瞭なまま契約するケースがあげられます。不動産の契約書には、普段はあまり聞きなれない専門用語も多く記載されているため、自分だけで正確な内容を把握するのは難しいでしょう。
そのため、契約書を読み込まないまま「担当者から聞いたから大丈夫」と安易に署名し、あとから不利な条項に気づくケースも多いのです。たとえば、定期借家契約は普通借家契約と比べて住み続けられる保証がないため、法律で必ず事前説明が義務づけられています。
しかし、「更新がない」という説明を受けても、その時点で重大性を把握できずに契約してしまい、後悔につながるかもしれません。
第三十八条
3 第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
借地借家法 第三十八条 3項
しかし、「更新がない」という説明を受けても、その時点で重大性を把握できずに契約してしまい、後悔につながるかもしれません。契約時にしっかりと確認し、場合によっては契約内容の修正を依頼するなどの対応が必要です。
リースバック会社を比較しないで選んでしまう
リースバックは、売主がリースバック会社と直接的にやりとりするため、提示された価格や条件の妥当性を判断しにくい面があります。なかには、売主が明らかな損をしてしまうような取引を持ち掛ける悪徳業者がいないとも言い切れません。
そのため、1社だけの提案を鵜呑みにしてそのまま契約を結ぶと、気づかないうちに大きな損失につながるおそれもあります。また、リースバックは一般的な不動産売買よりも取り扱い数が少なく、情報収集が難しいことも後悔につながる要因といわれています。
リースバック以外の選択肢への検討が足りていない
自宅をもとにまとまった資金を得る方法には、リースバック以外にもさまざまな選択肢があります。自宅に住み続けられるのはリースバックの大きな魅力ですが、そのほかの選択肢と冷静に見比べることが重要です。
不動産会社や専門業者の広告、営業でリースバックを知った人は、それ以外の方法を十分に検討しないまま判断してしまうおそれもあります。通常の不動産売却や「リバースモーゲージ」との違いをよく調べなければ、納得のいく選択をするのは難しいでしょう。
リバースモーゲージについては、後ほどくわしく説明します。
契約前に親族などへ相談していなかった
住宅に関するトラブルは、「周囲への相談が不十分なこと」によって引き起こされることも少なくありません。特に自身が高齢になってからは、「お金のことで心配をかけたくない」という心理が働き、配偶者や子どもへの相談をためらってしまうこともあるでしょう。
その結果、家族が事情を十分に理解しないままリースバックで自宅を手放してしまい、あとから相続などで揉めてしまうケースも多いのです。
リースバックのメリットとデメリットを比較
リースバックで後悔しないためには、メリットとデメリットを客観的に比較して検討することが重要です。リースバックの特徴をひとつずつ整理しながら、メリットとデメリットをそれぞれ確認していきましょう。
リースバックのメリット
リースバックには、大きく分けて次のメリットがあります。
- 仲介よりも現金化が速い
- 引っ越し不要
- 維持費の負担がなくなる
リースバックは、まとまった資金を短期間で得られることが大きな魅力です。一般的な仲介による不動産売却では、個人の買い手を見つける必要があるため、広告宣伝や内覧対応、売買手続きなどに時間がかかり、売却代金が手元に入るまで早くて3カ月、ときには半年や1年を超えることもあります。
一方、リースバックの場合は、リースバック会社が直接不動産を買い取るため、売却代金を得るまでの流れがスムーズです。
そして、リースバックであれば、売却後も同じ住宅に住み続けられます。家賃こそかかってしまいますが、生活環境を大きく変える必要がないため、引っ越しによるストレスを軽減できます。
また、自宅に住み続けられるため、周囲の人たちに売却を知られずに済むのもメリットといえるでしょう。
リースバックのデメリット
重要なのは、リースバックのデメリットです。どのようなデメリットがあるのか、それぞれ見ていきましょう。
- 買取価格が市場相場よりも安い
- 周辺の賃貸物件より家賃が割高になる
- 不動産の所有権を失う
リースバックの買取価格は、通常の不動産売却と比べて低くなるのが難点です。リースバック会社は一定の利回りや将来のリスクを見込んで価格を設定するため、相場より安くなってしまうのです。
さらに、売却後は家賃の支払いが発生し、賃料も相場と比べて割高なことにも注意しましょう。単純に金銭面にだけ着目すると、損をしやすい傾向にあります。
また、売却によって所有権が失われるため、「第三者にわたるおそれがある」「使い方や入居条件を細かく決められる」「契約の更新が保証されない」などのデメリットもあります。
デメリットはしっかり確認することが大切
リースバックには、決して軽視できないデメリットがあります。特に、相場よりも売却価格が安くなりやすいことと家賃が高くなりやすいことの2点により、金銭的な負担が大きくなる可能性があるため、後悔の原因になりやすいのです。
自宅に住み続けながらまとまったお金を手に入れられるのは、リースバックの大きな魅力ですが、メリットだけでなくデメリットが存在するため、慎重に判断することが大切です。
後悔しないために。リースバックの契約前にやること
デメリットを正しく理解したうえで利用すれば、引っ越しをせずに自宅を現金化したい人にとって最良の選択肢となるでしょう。ここでは、後悔をせずにリースバックを利用するために、どのような点に気をつけるべきなのかを具体的にご紹介します。
いつまで自宅に住み続けるのか話し合う
リースバックの利点として、「売却後も自宅に住み続けられる」という点があげられます。一方、自宅に住むことのウェイトがそれほど大きくないのであれば、金銭的なデメリットを考慮すると、あまり合理的な選択とはいえません。
住環境に対する考え方は人それぞれなので、家族間でも異なるでしょう。まずは、金銭的なデメリットを受け入れても自宅に住み続けたいのか、どのくらいの期間まで居住を続ける予定なのかなどを、家族で話し合うことが大切です。
そのためには、あまり先入観にとらわれず、自宅以外の住居にも目を向けてみるとよいでしょう。たとえば、これまで一戸建てで暮らしてきた人であれば、思い切ってマンションへの引っ越しを検討してみるのもひとつの方法です。
マンションはワンフロアでバリアフリー性が高く、オートロックや防犯カメラといったセキュリティ設備も充実している物件が多いのが特徴です。老後の暮らしに適した条件がそろいやすいため、一度近隣のマンションを見学してみるのもよいでしょう。
リースバックのトラブル事例を確かめる
リースバックにまつわるトラブル事例を知っておくことも、後悔しないための重要なポイントです。たとえば、独立行政法人国民生活センターでは、リースバックに関するトラブル事例を詳細に公表しています。
そのなかには、「途中で家賃が値上げされて支払えなくなってしまった」「強引な勧誘に恐怖を感じて契約してしまった」など、深刻なケースも数多く紹介されています。実際にリースバックでどのようなトラブルが起きているのかを事前に学び、リスクを具体的に把握することで、判断が求められたときにも冷静に対応しやすくなるはずです。
参考:独立行政法人国民生活センター「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!-本当に『そのまま“ずっと”住み続けられる』契約ですか?-」(PDF)
契約書に不明点があれば担当者に質問する
リースバック会社のなかには消費者の無知につけ込み、悪質な契約を進めようとする会社も存在します。後悔することがないよう契約書の内容はしっかりと目を通し、不明な点があれば遠慮をせず担当者に確認をしましょう。
特に確認すべき項目には、次のものがあります。
| 確認項目 | 主なチェックポイント |
|---|---|
| 契約相手 |
|
| 契約形態・契約期間 |
|
| 家賃 |
|
| 買い戻し条件 |
|
| 修繕負担区分 |
|
認すべき項目は多岐にわたるため、必要に応じて弁護士などの専門家にも相談をしながら、納得がいくまで検討することが大切です。
将来相続するつもりがあるか親族に確認する
リースバックのトラブルは、家族ときちんと話し合っていれば防げるケースもあります。特に、相続に関しては自分ひとりで考えてもよい解決方法が見つかるとは限りません。
リースバックを行うと所有権は第三者へ移るため、将来、家を相続することはできなくなります。相続人が複数いる場合、事前の説明がないままリースバックを利用すると、あとからトラブルに発展するケースが考えられます。
事前に親族へ相談し、相続の意向がないかを確認したうえで、話し合った内容はメモや同意書などの形で残しておくと確実です。将来、相続の考え方が変わる可能性も踏まえたうえで、ほかにどのような選択肢があるのかを話し合うとよいでしょう。
複数のリースバック会社へ査定を依頼して比較する
納得して自宅を手放すには、売却先を1社だけに絞るのではなく、複数のリースバック会社を比較しながら検討することが大切です。同じ物件であっても、リースバック会社によって評価が異なることは少なくありません。
また、そもそも1社の査定だけでは、買取価格や家賃の設定が妥当かどうかを見極められません。後悔することなくリースバックを利用するため、必ず複数の会社に査定を依頼して契約条件などを比較しましょう。
後悔しないためのリースバック会社選び
ースバックで後悔しないためには、「どの会社と契約するか」が非常に重要なポイントになります。なぜなら会社ごとに契約内容や考え方、対応姿勢には大きな差があるからです。ここでは、リースバック会社を選ぶ際に押さえておきたい重要なポイントを項目ごとに解説します。
大手と中小のリースバック会社の違い
リースバック会社は大手企業が参入している一方で、中小規模でも対応しているところがあります。
大手のリースバック会社を利用するメリットは、資金力があり経営も安定している点や、契約書式や対応が一定水準で保たれている点です。ただし、画一的な条件になりやすく、柔軟な交渉が難しいケースもあります。
一方、中小規模のリースバック会社は、個別事情に応じた柔軟な提案をしてくれることが期待できます。資金力や継続性については、事前に確認しておくとよいでしょう。
これらの違いを理解したうえで、大手・中小にかかわらず、会社の実績や経営状況、契約内容を冷静かつ慎重に見極めることが大切です。
賃貸管理は自社?外部委託?
リースバックの利用中、賃貸管理をリースバック会社が自社で行っているのか、外部の賃貸管理会社に委託しているのかは重要な確認ポイントとなります。なぜなら、リースバックは自宅が賃貸物件となるため、賃貸管理を担う会社は、家賃の請求や修繕対応、更新手続きなど、日常的に借主と関わる重要な存在だからです。
管理体制が不十分だと、連絡が取れない、対応が遅いといったトラブルにつながることもあり、結果として借主が不利益を被るおそれもあります。リースバックの契約を結ぶ際には、賃貸中の物件管理をどこが行うのか、その実績や対応体制まできちんと確認しておくと安心です。
買い戻し価格の「算出根拠」を確認する
将来、買い戻しを検討している場合は、買い戻し価格の根拠を必ず確認しましょう。信頼できるリースバック会社であれば、買取価格との関係や利回り、契約期間、保有コストなどを踏まえ、買い戻し価格の考え方を具体的に説明してくれます。
一方で、「将来はこのくらいで買い戻しできますよ」といった口頭説明のみで、書面や数値の裏付けがない場合は注意が必要です。根拠が不明瞭なままでは、買い戻す際に想定よりも高い金額が提示されるおそれがあります。
説明のていねいさや資料の有無は、会社の姿勢や信頼性を見極める重要な判断材料です。あいまいにせず、きちんと確認しましょう。
付帯サービス(見守り、家事代行など)の有無
リースバック会社のなかには、買取や賃貸借契約に加えて、見守りサービスや家事代行などの付帯サービスを提供しているところもあります。
特に高齢者の方が利用する場合、見守りサービスは安心材料のひとつになるでしょう。ただし、サービス内容や費用、利用条件は会社ごとに大きく異なり、すべてが無料で提供されるわけではありません。必要性を見極めたうえで、契約に含まれる範囲や追加費用の有無まで確認することが大切です。
付帯サービスの有無や内容から、その会社がどのような利用者を想定しているのかも読み取れるため、リースバック会社を選ぶ際のポイントにもなるでしょう。
営業の仕方が強引なリースバック会社は要注意
担当者の営業が強引なリースバック会社には注意が必要です。十分な説明を行わずに契約を急がせたり、不安を過度にあおったりする場合、利用者が納得しないまま不利な条件を押しつけてくるおそれがあります。
特に、比較検討の時間を与えない、即決を求めるといった対応の場合は、悪徳業者の可能性があります。その場で強引に契約を迫られた場合でも、きちんと断り、持ち帰って契約書や条件を第三者と確認する姿勢が重要です。
また、会社の規模に関わらず、営業担当者が利用者の事情や要望を正しく理解していなければ、希望に沿わない契約になるかもしれません。担当者の説明に違和感を覚えた場合は、その場で契約せず、複数社から話を聞いて冷静に判断することが重要です。
定期借家契約と普通借家契約が選べるかを確認する
リースバックの賃貸契約の形態が選べるかどうかも確認しておきましょう。リースバック後の賃貸借契約が普通借家契約なのか定期借家契約なのかによって、将来の住み続けやすさは大きく変わってきます。
特に定期借家契約の場合、契約期間満了後は更新がなく、原則として退去が前提となります。再契約できるかどうかは、オーナーであるリースバック会社の判断次第です。更新や再契約の条件があいまいなまま契約すると、「長く住めると思っていたのに出て行くことになった」ということになりかねません。
会社によっては、借主が普通借家か定期借家かを自由に選べる場合もあります。どの契約形態が可能なのか、条件を含めて説明を受けたうえで、希望に合ったリースバック会社を選ぶことが重要です。
リースバック以外にはどんな選択肢がある?
自宅を活用してまとまった資金を得る方法には、リースバック以外にもいくつかの方法があります。ここでご紹介するそのほかの選択肢と比較しながら、自分に合ったものを見つけて検討しましょう。
リバースモーゲージで資金を確保する
リバースモーゲージとは、自宅を担保として金融機関などから借り入れるローンの一種です。基本的に借主の生存中は利息だけを支払い、元金は契約者が死亡後に自宅を売却するなどの方法で一括返済する仕組みです。
ローンの元金は生前に繰り上げ返済することもできるため、借主の死亡後に自宅を売却することなく、相続人がそのまま取得することが可能です。
リバースモーゲージの大きな特徴は、リースバックと同じように自宅に住み続けられることに加えて、「所有権を失わずに済む」という点にあります。また、借主が死亡したとしても、配偶者に契約が引き継がれる金融機関が多いため、配偶者の住居が失われる心配もありません。
不動産仲介で売却する
「できるだけ高く売却したい」「売却時期はそれほど急いでいない」という人は、高く売れる可能性がある仲介による不動産売却がおすすめです。仲介では、物件を市場に出して個人の買い手をじっくり探すため、リースバックより高く売れるケースがあります。
自宅での居住にこだわらないのであれば、売却で得られた資金で、新しい住居に引っ越すのもよいでしょう。たとえば、子どもの独立で広い自宅を持て余している場合は、仲介で自宅を売却し、コンパクトで管理しやすい物件へ引っ越すほうが合理的かもしれません。
不動産買取で売却する
「すぐにまとまった資金が必要」という場合は、不動産買取を検討してもよいでしょう。不動産買取とは、売りたい物件を不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法のことです。
仲介のように広く買い手を探すわけではないため、現金化までがスピーディで、仲介手数料もかからないというメリットがあります。一方で、リースバックと同じように、仲介での売却と比べると売却価格が市場の6~8割と低くなる点がデメリットです。
ただし、家賃の安い賃貸物件に引っ越すことで、住居費の負担を軽減できます。自宅へ住み続けることにこだわらなければ、現金化までがスピーディな売却方法としておすすめです。
不動産担保ローンで現金化する
リースバックの代わりとなる選択肢のひとつに、不動産担保ローンがあります。不動産担保ローンとは、現在所有している不動産を担保にして金融機関などから資金を借り入れる方法で、所有権を手放さずに現金を確保できる点が特徴です。
一方、金利は住宅ローンよりも高めに設定されているのが一般的で、返済期間も短い傾向があります。そのため、毎月の返済負担が大きくなりやすく、返済計画をしっかりと立てておかなければなりません。また、返済が滞った場合は、担保にした不動産を失うリスクがあります。
不動産担保ローンは、売却に抵抗がある場合に検討しやすい手段ですが、資金調達のスピードや条件だけで判断せず、将来の返済まで見据えて慎重に検討することが重要です。
リースバックで後悔しないためにも信頼できる会社を探そう!
リースバックは、住み続けながら自宅を現金化できる便利な仕組みです。しかし、売却価格や売却後の家賃、契約内容を十分に理解しないまま進めてしまうと、後悔につながるケースも少なくありません。
特に、賃貸契約の期間や更新条件、修繕費の負担範囲、将来の買い戻し条件などは、契約前に必ず確認しておくべき重要なポイントです。これらを曖昧なまま契約すると、想定外の不利益を被るおそれがあります。そのため、「どの会社と契約するか」を慎重に判断することが大切です。
1社にだけ相談していると、売却価格や契約内容の妥当性に気づけないことがあります。リースバックで後悔しないためには、複数のリースバック会社を比較し、条件の違いを把握したうえで検討することが欠かせません。
「リースバック比較Pro」は、物件情報を入力するだけで、複数のリースバック会社へまとめて相談できるサービスです。各社の買取価格や家賃、契約条件を一度に比較できるため、自分に合った選択肢を見つけやすくなります。納得のいく選択をするためにも、ぜひ活用してみてください。












