身辺整理のやり方。終活で大切な相続対策と老後資金の確保について解説

エンディングノートを書くお年寄り

今回は、終活における相続対策と老後資金の確保について、身辺整理という切り口で解説します。

終活の重要なポイント「身辺整理」とは

一般的にいう身辺整理は、文字通り「自分の身の回りの人間関係や利害関係などを整理すること」を指します。

まずは、終活における身辺整理についてみていきます。

死後に家族に迷惑をかけないために

身辺整理をする目的のひとつに、「家族に対して迷惑をかけないため」というのがあります。

生命保険文化センターの調査によると、55歳以上で「遺言を作成したことがある」という人は、6~7%とのことです。この割合が多いか少ないかはさておき、歳とともに、自分が亡くなった後のことが気になるのは間違いないでしょう。

近年は、遺言だけでなく、いわゆるエンディングノートを作成する人が増えているようです。自分が亡くなったときに、残された家族などに自分の思いなどを伝えられるようにしておくというのです。これはとても大切なことです。気持ちの面だけでなく、葬儀はどうするのかであったり相続は問題ないかであったり、具体的な事務の面でも家族に迷惑はかけたくないようにしておくことができるからです。

身辺整理の対象は物・財産から人間関係までさまざま

身辺整理と一口に言っても、さまざまな意味合いがあります。大きく、以下の3つに分けて考えることができるでしょう。

  • 物の整理
  • 人間関係の整理
  • 財産の整理

物の整理とは、不用品を処分するなどして、できるだけ生活を身軽にしておき、自分が亡くなった後、遺族らが行う遺品整理の負担を軽くしておくというものです。もっとも狭い意味での身辺整理がこれにあたります。

人間関係の整理とは、おもに自分のために、残り少なくなってきた人生を誰とどう付き合って過ごしていくのかを考えるというプロセスです。相続について考えることもこれに含まれるかもしれませんし、最近は、SNSの整理などもあるでしょう。

そして重要なのが財産の整理です。これについては次の項目で詳しくみていきましょう。

財産の把握や不要な口座の解約など、お金の身辺整理を

財産の整理とは、具体的には次のようなことを指します。

  • 自分の財産を把握し、管理しやすくしておく
  • 亡くなるまでに必要なお金(老後資金)を確保しておく
  • 亡くなった後に必要なお金(葬式費用など)を確保しておく
  • 相続対策

今までの暮らしを通じて、複数の銀行口座を持っている人も多いと思いますが、財産が分散していると、後々煩雑ですので、管理しやすい口座にまとめ、不要な口座は解約したほうがいいでしょう。

預金だけでなく、自分が保有している金融資産については、わかりやすく一覧をつくるなどし、証券口座の情報などを(ネット証券のパスワードといったものも含めて)、万一の場合は遺族が見つけられるようにしておきます。

保険証券などもわかりやすい場所に保管しておきたいものです。

財産の身辺整理「相続対策」

自分が亡くなった後のお金のことを考えるという意味で、適切な対策をして、正しく相続させることも身辺整理のひとつといえるでしょう。

相続対策とは

相続対策は以下の2つに大きく分けられます。

  • 相続税対策
  • 相続トラブル対策

相続税対策とは、相続時に発生する相続税の課税に対する備えです。

少しでも課税額を減らす「節税」と、相続人が相続税をスムーズに支払えるようにする「納税資金対策」とに、さらに分けられます。

相続税は、相続財産の額に応じて課税されます。しかし、一定額までは基礎控除があるため、実際に相続税が課税されるのは、ある程度以上の財産がある場合に限られます。

国税庁の発表では、年間に亡くなる人のうち、その人の相続財産に相続税が課税される割合は6~7%程度です。したがって、相続税が問題になるケースは、実はそう多くありません。

一方、相続トラブル対策はすべての人に関係のある話です。

財産の多寡にかかわらず、相続自体は行われるため、相続税が課税されるほどではない額の遺産でも、分割をめぐってトラブルになることはありえます。

相続がトラブルになりやすい理由は?

なぜ、相続でトラブルが起きてしまうのでしょう。

さまざまなケースが考えられますが、やはり「遺産分割が平等で行われていない」と相続人が感じると、トラブルになりやすいでしょう。

遺産の分け方は、法定相続分という形で、分け方のガイドラインが示されています。それに加え、生前に財産を受け取っているとみなされるぶんを「特別受益」として考慮したり、故人の財産増加に貢献した人の取り分を「寄与分」として認めたり、さまざまな規定があります。

それでも、最終的には人の感情の問題になり、トラブルが生じてしまうことはあるものです。

こればかりは、エンディングノートや遺言で、自分の意思をしっかり残しておくことはもちろん、生前に、家族とよく話し合っておくことが大切でしょう。

そしてもうひとつ、「分割しにくい相続財産をなるべく残さない」というのもポイントです。

トラブルを招きやすい財産の代表格が「不動産」

現金なら容易に分割できます。しかし、相続財産は現金ばかりではありません。簡単には換金できないものが含まれていると、うまく分割することができずに不平等は生じやすく、結果、トラブルにつながる可能性があります。

そのような「分けにくい相続財産」の代表格が不動産でしょう。具体例を紹介します。

◆不動産相続の例

ある人が、1,000万円の預金と、自宅として3,000万円相当の不動産を持っているとしましょう。

この人が亡くなり、2人の子ども(兄と弟)が相続をすることになりました(配偶者はすでに他界しているとします)。

法定相続分でも、この場合、兄弟が1/2ずつ財産を分割するのが本来です。

しかし、たとえば兄が家を相続し、弟が預金を相続したとしたなら、兄の相続額は3,000万円、弟は1,000万円ですから、受け取る額がかなり違い、不平等です。

そこで、兄から弟へ1,000万円を渡すことで、兄弟の取り分を平等に2,000万円ずつにする「代償分割」という方法があります。しかし、このためには兄は1,000万円もの大金を現金で用意しなくてはなりません。

これができないとなると、兄には家を売ってお金に換えることを求められるでしょう。「換価分割」という方法です。

しかし、この家は、兄弟にとって自分たちが生まれ育った「実家」です。思い出のつまった家を、できれば売らずにいたいと考えるのは自然でしょう。兄は、せっかく相続した家にそのまま住みたいと考えるかもしれません。まして、不動産というものは、売りたくてもそんなに簡単には売れません。買い手がいつ見つかるかもわかりませんし、売れたとしても、思ったような額で売れるとは限らないのです。

このように、相続財産に不動産が含まれていると、相続人が分割に苦労するケースがありえるのです。

相続対策と老後資金確保を両立する方法「リースバック」とは?

「財産の整理を含めた、身辺整理が終活の大きなポイントであること」、そして「相続財産に不動産が含まれていると、相続トラブルを招くおそれがあること」をお伝えしてきました。

それでは、財産に不動産がある場合、身辺整理や終活として、どのようなことをしておくべきでしょうか。

不動産がもととなる相続トラブルを回避する方法

まず考えられるのは、生前に不動産を処分しておくことです。

不動産が相続財産として扱いづらい場合があるのは、処分が容易ではないからです。相続の手続きには期限があります(原則として相続開始から10ヵ月以内に相続税の申告を行うことになっています)が、この間に、不動産を希望通り売却できるとは限りません。

そこで、相続が開始する前に売っておくのが良いといえます。ところが、この場合、問題は、あたりまえのことながら売却した不動産は手放さなくてはならないことです。

自宅を売ってしまったら、その後、どこに住めばいいの?ということになってしまいます。

そこで、有効なのが、「リースバック」という方法です。

リースバックは、比較的容易に不動産の処分ができるうえに、まとまった資金が手に入るので、老後資金対策にもなります。なおかつ家にはそのまま住み続けることができるため、身辺整理の一環としては、非常に適した方法なのです。

身辺整理としてのリースバックのメリット

リースバックとは、不動産を売却した後、買い手との間に賃貸契約を結び、その不動産を賃貸として使用し続けるという仕組みです。

売り手は、売却代金を入手した後、家の持ち主から借り手となり、以後は賃料を支払って住み続けます。

リースバックにはさまざまなメリットがあります。

まず、不動産の処分という観点では、通常の売却は条件が合う買い手が見つかるまで時間がかかりますが、リースバックの場合、専門の業者が買い取ることが多いため、買い手を見つけやすく、現金化までの時間が短くて済みます。

売り手は売却代金としてまとまったお金を手にすることができ、これは借り入れではないので、審査もありませんし、金利負担もありません。

そして、賃料が生じるとはいえ、今まで住んでいた家にそのまま住み続けられるというメリットは大きいでしょう。引っ越しの必要もありませんし、リースバックをしたことがご近所に知られることもありません。

つまり、生活スタイルを変えることなく、売却代金はその後の老後資金として使うことができ、かつ身辺整理の一環としての不動産の処分も生前に完了するのです。

「家を売ってしまうことには変わりないのだから、相続開始後は家を手放さなくてはならないのでは?」と思うかもしれませんが、リースバックでは、住んでいる人は、家の買い手との間に賃貸契約を結んでいます。

通常、賃貸契約をしている賃借人が亡くなった場合、その地位は相続の対象になりますので、相続人は、賃借人の地位を承継し、賃貸契約を引き継ぐことができます。

つまり、先ほどの例でいえば、親が実家をリースバックした後に亡くなれば、子どものどちらかが賃貸契約を承継し、家を賃貸し続けることができます(※当然、賃料を支払う義務を承継するという意味でもあります)。

この点は、リースバックと同じような仕組みであるリバースモーゲージとは異なります。リバースモーゲージは不動産を担保に資金を借り入れる仕組みですから、家の持ち主が亡くなれば、残債の精算のために家を手放さなくてはなりません。

身辺整理のために不動産を処分したいが、手放すのはためらわれるという場合は、やはり、リースバックが適しているでしょう。

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