住民税を払えない時の対策。前年より大幅に収入が下がったらどうする?

新型コロナウィルス感染症などの影響で資金繰りが厳しくなり、住民税の支払いが困難になることがあります。今回は、住民税が払えないときの対策について詳しくみていきます。

住民税とは

そもそも、住民税とはどのような税金なのでしょうか。簡単におさらいします。

住民税の目的と種類

住民税は、公共施設(公園や図書館など)や上下水道設備、ごみ処理などの行政サービス運営に必要な費用を、その住民に負担をしてもらうための税金です。

個人の住民税は、以下の2種類の計算で求められた金額を納付します。

◆所得割

所得割の税率は、市区町村分が6%、都道府県分が4%の合計10%です。住民税の課税対象となる所得に、この税率を掛けて「所得割額」が計算されます。

◆均等割

均等割は市区町村によって異なります。東京都ならば、2021年1月現在、次の金額です。

都民税 1,500円
区市町村民税 3,500円
合計 5,000円

(東京都主税局より)

均等割の金額は、所得に関係なく、すべての住民が同額です。

住民税の納付方法と時期

納付方法には、働き方に応じて「特別徴収」と「普通徴収」の2つがあります。

◆特別徴収

会社員など給与所得者は、会社が代わりに納付してくれているのではないでしょうか。それが特別徴収です。6月から翌年5月まで、毎月の給料から天引きされます。

年金受給者も、特別徴収の方法により納めることができます。

◆普通徴収

フリーランスや自営業などの方は、お住まいの市区町村から直接郵送されてくる納付書で納めます。

一括納付なども可能ですが、原則、年4回(6月/8月/10月/12月)に分けて納めます。

住民税が払えないとどうなる?

具体的に、住民税が払えないケースについてみていきます。もし支払うことができなければ、どうなるのでしょうか。

住民税の滞納は増えている

東京都の主税局のホームページに掲載されているデータをもとに、当サイトでグラフを作成しました。

住民税滞納件数の推移

(出典:主税局 滞納件数)

2015年から住民税の滞納件数と滞納税額が増加傾向にあります。なぜ住民税の滞納が起こるのでしょうか。

サラリーマンの場合、住民税を自分で計算して申告しなくてよいため、住民税についての知識が不足していることあります。それが原因となり、住民税を滞納するケースもあるようです。

例えば、住民税が前年の所得にもとづき計算されることを知らなかったというケースです。翌年に年収が大幅に減少する方は、本来であれば納付まで資金を確保しておかなくてはなりません。しかしそれを知らずに手元資金を使ってしまえば、当然滞納につながります。

給与からの天引きではなく納付書で住民税を支払う場合には、資金繰りに十分に注意をしましょう。

支払えない場合は差し押さえになるか

「住民税が支払えなくても、自治体だから大丈夫では」と考えていませんか?

住民税を滞納した状態のままにすると、約1か月で財産を差し押さえられてしまう可能性があります。地方税法により、納付期限から20日以内に督促状が発行され、その10日後に差し押さえることができると定められているためです。

しかし実際には、差し押さえのタイミングは各自治体の判断に任されています。そのため、きちんと対応すれば、短期間で差し押さえをされることはほとんどないようです。

なお、差し押さえの対象となる財産には、次のものがあります。

  • 銀行口座(給料口座)
  • 不動産
  • 自動車・機械などの動産
  • 貴金属・棚卸資産
  • 生命保険など

市区町村は、資力のない人の生活を困窮させてまで差し押さえることはありません。支払えないとわかった時点でなるべく早く市役所に相談に行き、支払いが難しい事情をしっかりと説明しましょう。そして市区町村の担当者と協議の上、分割返済などを認めてもらうことが重要です。

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住民税が払えないときの猶予・免除

住民税が払えない場合は、次の3つの方法で納税を猶予又は免除できるかもしれません。

新型コロナウィルスの「特例制度」

新型コロナウィルスの影響で住民税が払えない場合、次の要件を満たすと納税猶予の特例が適用されます。

◯要件

  • 給与や売上などの収入が約20%以上減少した方
  • 本人や生計が同じ家族の方がコロナに感染した方
  • 財産に大きな損失が生じた方(備品や商品などを処分したなど)
  • 事業を廃止し、又は休止した方

猶予期間は最長1年間で、担保は不要です。延滞税もかかりません。

1.申請期限

2021年1月時点の申請期限は、2021年2月1日までです。今後の動向次第では、期限や制度の変更があるかもしれません。

具体的には、猶予期間は最長1年間ですので、最長で2022年1月31日まで納付猶予を受けられます。

2.申請様式

次の3つです。また、記入後、住まいある自治体に郵送して手続き完了です。数日から20日程度で審査が完了し、猶予決定の通知書と納付書が郵送で送られてきます。

①「徴収猶予申請書」

②「財産収支に係る書類」

(a)「財産収支状況書」(猶予金額100万円未満)

(b)「財産目録・収支の明細書」(猶予金額100万円以上)

③「猶予該当事実があることを証する書類」

※③の書類については、提出が困難な場合は窓口の担当者に相談をしましょう。

相談による住民税の分割納付

市区町村の担当者に相談すると、分割納付を認めてくれることがあります。

担当者の裁量やそれぞれの状況によりますが、災害や大きな病気など、一定の要件を満たした場合には1年間の猶予や分割納付に応じてもらえることが多いです。

客観的にみて明らかに生活が苦しいと認められる場合については、月々数千円の分割納付でいいと認められる場合もあります。

ただし、分割納付を滞納し、督促も無視した場合には、預金口座や給与などを差押えられる可能性があります。また、納税資金が十分にあると認められる場合や、支払えない理由がギャンブル等の場合には、分割納付ができない場合があるので注意しましょう。

住民税の減免

非常に稀な場合ですが、次のような場合には、必要に応じて減免を受けられる場合があります。

  • 災害によって住宅、家財が滅失等された場合
  • 生活保護を受けている場合、又は生活保護に準ずる場合
  • 前年の所得が一定額以下で、1ヶ月以上失業などによって所得がない場合
  • 障害者、未成年者、ひとり親などに該当する方のうち、前年の合計所得金額が125万円以下の人

市区町村の担当者に相談する場合は、申請理由を客観的に証明することが重要です。災害や生活保護の有無、所得などを把握できる資料(預金通帳や給与明細まど)を持っていきましょう。

一時的な資金調達で住民税を支払うことも

一時的に資金調達する方法がいくつかあるので、紹介します。

生活福祉貸付制度(「緊急小口資金」(新型コロナ感染症特例))

生活福祉貸付制度とは、各都道府県の社会福祉協議会による「低所得者の生活費などに必要なお金を貸す制度」です。

特例制度の詳細は次のようになっています。

  • 対象者:新型コロナウイルスの影響により、休業等により収入の減少がある方
  • 貸付限度額:収入の減少によって生活費が不足した場合は20万円以内
  • 必要書類:運転免許証などの本人確認ができる書類や収入が減少していることを確認できる書類
  • 利子、保証人:なし
  • 返済方法:1年間は返済不要で、また借入金額を2年間で返済

住居確保給付金

新型コロナウイルスの影響などで、失業や給与が大幅に減少して家賃が支払えない場合には、住居確保給付金により、自治体が家賃の3か月分を給付してくれます。

こちらは、「生活福祉貸付制度」とは異なり、給付なので返済の必要がありません。

対象者は、「離職や廃業から2年以内」又は「給与が離職や廃業と同程度まで減少している」の方々です。ただし、「収入基準」や「資産基準」などの要件が市区町村ごとに設定されているので、注意しましょう。

東京都中央区にお住まいの単身者が活用する場合は、次のようになります。

【収入基準】

15万3,800円以下

【資産基準】

50万4,000円以下

また、対象者の要件をすべて満たした場合でも、支給額の上限についても市区町村ごとに定められているため、家賃全額が支給されない場合もあります。

東京都中央区の場合は、次の金額が支給金額の上限です。

【住居確保給付金の支給上限額】

単身世帯:6万9,800円

(3か月間支給を受けた場合は、20万9,400円、9か月間支給を受けた場合は、62万8,200円)

支給期間は原則として、3か月間です。しかし、就職活動を行っているなどの一定の要件をみたす場合には、9か月間まで延長することができます。

リースバックによる資金調達

「生活福祉貸付制度」や「住居確保給付金」では、金額が少なすぎて住民税を支払うことができないかもしれません。

その場合には、リースバックがおすすめです。

リースバックならば、生活環境を変えることなく、住居を売却して売却資金を受け取ることができます。

毎月の賃借料の支払いがありますが、借入金と異なり、借入金の元本返済や支払利息の支払いはありません。また、借入と比べて厳しい審査もないため、コロナによって収入が著しく減少した方にも選択可能な資金繰りの方法です。

さらに、持ち家の所有権を手放すため、固定資産税やマンション修繕費や管理コストなどの住居維持費の負担がなくなります。

ただし、諸条件がリースバック事業者によって異なる場合があります。そのため、複数の会社に問い合わせをして、条件を比較してみるとよいでしょう。

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