国の教育ローンは追加融資可能?さらなる融資の条件と他の方法を紹介

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国の教育ローンは追加融資可能?さらなる融資の条件と他の方法を紹介

教育資金が不足している場合は、教育ローンを利用する世帯が多いです。とくに国の教育ローンは借入がしやすく、多くの子育て世帯の助けとなっています。

しかし、一度の融資では資金が不足してしまい、さらに資金を調達しなくてはならなくなる場合も散見されます。そのような場合、どのようにして資金を調達すべきなのでしょうか?追加融資なのか、それ以外の方法があるのか、解説します。

ゆるやかな審査で教育資金が借りられる「国の教育ローン」

まずは、教育資金の調達事情と「国の教育ローン」の特徴をみていきます。

2割の人が教育資金を、借り入れで調達している

教育資金は、コツコツと貯蓄や学資保険などで貯めていくのが王道です。しかし、子どもの進路によっては1,000万円を超えることもある教育資金を、すべて貯蓄だけでは賄えない場合もあることでしょう。

そこで、教育ローンなどを利用する人も少なくないと思います。住宅資金については、住宅ローンを組んでマイホームを購入するのは一般的です。教育資金も、不足するのであれば借り入れを検討するのもおかしなことではありません。

実は、子どもの大学入学費用をなんらかの形で「借入」したという家庭は、全体の約17%です。5世帯に1世帯近くが、借入をして教育資金をまかなっているということです。

また、借入額の平均をみてみると、約194万円だったという調査※もあるのです。

参考:私立大学新入生の家計負担調査2019年度(東京私大教連)

「国の教育ローン(教育一般貸付)」の概要とメリット

教育ローンは民間の金融機関でも取り扱っていますが、人気があるのは「国の教育ローン」でしょう。

正式には「教育一般貸付」といい、日本政策金融公庫を通じて提供されている公的な融資制度です。

概要を確認しておきましょう。

教育一般貸付の概要
融資限度額 学生1人あたり350万円※1
金利 年1.68%(固定金利)
返済期間 最長15年※2

※1自宅外通学や大学院、海外留学など、一定の条件で450万円
※2母子家庭や低所得者など一定の条件で18年

一般的なローンに比べて低利ですし、公的な制度であるという安心感もあります。なにより、審査が比較的ゆるやかとされているのが魅力です。

同様に、よく利用されるものとして、日本学生支援機構の奨学金制度がありますが、奨学金は原則として入学後に借り入れます。そのため、入学金として資金調達をしたい場合は、国の教育ローンのほうが向いています。

民間の金融機関の教育ローンは、国の教育ローンに比べると金利も高めの水準ですが、変動金利型であったり、親子リレー返済、条件による金利優遇、担保による高額の融資限度額など、商品ごとに多様な特徴があります。

目的や状況に応じて使い分けると良いでしょう。

 国の教育ローンの審査基準は?

さて、比較的ゆるやかとされる国の教育ローンの審査基準とはどのようなものでしょうか。

まず、そもそもの利用条件として、国の教育ローンには年収(所得)の制限があります。国の教育ローンは、子どもに教育を受けさせたくてもお金が不足する人のための制度であるという趣旨から、一定以上に年収がある人は利用できない決まりです。

上限は子どもの人数によって異なります。

子供の人数と教育ローンの年収上限額
子どもの人数 世帯年収の上限(万円)
1人 790
2人 890
3人 990
4人 1,090
5人 1,190

上限は「世帯年収」ですので、共働きの家庭なら夫婦の収入を合算して考えます。

子どもが2人以内の場合、勤続年数が3年未満や、災害で被害を受けたなど、いくつかの条件のいずれかにあてはまれば上限が990万円まで緩和されます。

世帯年収が上限以内で、進学予定の学校が、学校教育法にもとづく教育施設であるなどの要件を満たしていれば、国の教育ローンに申し込めます。

そのうえで審査となりますが、信用情報に不備がないかなどが審査対象になるようです。

収入については、むしろ少ないほうが、趣旨を踏まえて通りやすくなるとも言われています。ただし、公共料金の支払いが滞っている、生活保護を受けているなど、極端に困窮している場合は例外です。

国の教育ローンで追加融資は可能?

国の教育ローンで借り入れを行っているものの、見通しが甘く、資金が不足することがわかった場合、どうすればいいでしょうか。

その場合、国の教育ローンで追加融資を受けることを検討しましょう。

追加融資は可能だが手続きが煩雑

先述のように、国の教育ローンは、学生(子ども)1人につき原則350万円が融資上限です。融資額がこの額に達していない場合は追加融資を受けることが可能となっています。

ただし、キャッシングやカードローンなどとは異なり、申し込めば限度額までのお金がすぐに借りられる、というわけではありません。

追加融資は、すでに借り入れているものとは別の、2つめの融資として、あらためて申し込みを行い、審査等の手続きを行わなくてはなりません

そのため、追加融資は可能ではありますが、手続きは非常に煩雑で面倒だと言えます。以下のような申し込みに必要な書類をあらためて用意する手間が生じます。

  • 住民票の写し
  • 運転免許証、パスポートなどの身分証明書
  • 源泉徴収票または確定申告書の控え
  • 預金通帳

安易な追加融資は要注意

資金が不足したからといって、追加融資がベストな選択かどうかもよく考えておきましょう。

国の教育ローンは低利とはいえ、借り入れには違いありません。追加融資を受けるということは、それだけ多くの負債を抱えることを意味します。

借入額が膨らむことで、その後、住宅ローンやカーローンといった、他のローンを組みたいと思ったときの審査にも影響します。

いくら子どものためとはいえ、多額の負債を抱えたことで生活が苦しくなったり、十分な貯蓄ができなくなったりしては、親自身の老後資金の準備にも影を落とすでしょう。

最初の融資を受ける時点で、返済計画のシミュレーションなどはしていると思いますが、お金を借り入れる際は、しっかりと計画を立てたうえで行うことが重要です。

もしも国の教育ローンで融資を断られたら?

ここまでお伝えしてきたように、国の教育ローンは比較的審査もゆるやかで、借り入れできないというケースはそう多くはないでしょう。

それでも、審査が通らなかった、あるいは、一度は利用できたが、その後、資金不足に陥ってしまった場合は、どうすればいいでしょうか。

国の教育ローンが使えない場合の、教育資金不足対策

安易に追加融資すべきでないことはお伝えしたとおりです。

国の教育ローンを利用できない・追加融資すべきでない人が、民間の教育ローンを利用するのは現実的ではありません。

借り入れであれば、子ども自身が、奨学金を借りるという方法が考えられます。

しかし、返済不要の給付型奨学金であればいいのですが、貸与型の奨学金であれば、これは親に代わって子どもが負債を抱えるということです。

近年、卒業後も長期間に渡って奨学金の返済が続き、困窮する人がいることは社会問題にもなっています。安易に「借りればいい」とは言えないでしょう。

借り入れを避けるなら、なんらかの方法で資金を調達しなくてはなりません。

現実的なのは、すでにある資産を売却してお金に換えることです。具体的には、自宅不動産を処分するなどが考えられます。

自宅を売って換金しても住み続けられる「リースバック」とは?

しかし自宅を売ってしまっては、住むところを失ってしまいます。

そこで、検討したいのがリースバック」という方法です。


リースバックとは、不動産を売却した後、買い手との間に賃貸契約を結び、物件を今までどおり使用し続けるという仕組みです。

家を売ることで売却益を入手したうえで、以後は、同じ家に賃貸として住み続けます。

書類上の所有者こそ変わりますが、同じ家に同じ住人が住むのですから、引っ越す必要がないのはもちろん、生活は基本的に変わりません。また、外部から、家を売却したことを知られることもまずありません

リースバックの仕組み

リースバックの仕組み

家を売った代金として資金が調達できるので、不足する教育資金にあてることができます。借り入れではないので審査もなく、金利負担もありません

不動産を持っているなら、ただ売却するよりも、

  • 物件を使い続けられる
  • 買い手を見つけやすい

という点でメリットがあります。教育資金不足の際の対策として、選択肢のひとつになるのではないでしょうか。

リースバックは会社ごとに条件やサービスが違う

リースバックを利用する場合は、複数のリースバック会社と相談しましょう。会社ごとに条件やサービス内容が違うため、1社だけでは期待するようなサービスを受けられないかもしれません。

「リースバック比較PRO」は一度の入力で複数のリースバック会社に問い合わせられるサービスです。自宅の情報や連絡先などを入力するだけなので、簡単に利用できます。あらかじめ登記事項証明書(登記簿謄本)などの資料を用意しておくとスムーズに入力できます。

リースバックという選択肢について、一括で複数の専門業者に相談してみましょう!

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執筆・編集

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