リバースモーゲージと生活保護の関係について解説

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リバースモーゲージと生活保護の関係について解説

家を担保にして住みながら融資を受けることができるリバースモーゲージ。

そして、世帯の収入だけでは国が定める最低生活費に満たない場合に受け取れる生活保護。

リバースモーゲージと生活保護の併用ができるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、リバースモーゲージと生活保護の関係性や、併用できないのならばどちらを選択したらよいのか詳しく解説します。

 

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生活保護でもリバースモーゲージは使える?

すでに生活保護を受けている方がリバースモーゲージを使いたいケースを考えてみましょう。

原則は使えない

リバースモーゲージには2種類あります。

  • 民間のリバースモーゲージ
  • 自治体による「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」

民間のリバースモーゲージは、生活保護世帯が融資審査に通るのはほぼ不可能です。営利目的であるため、生活保護受給者は返済できない可能性が高いとみなされ、審査が厳しくなるからです。

一方、自治体のリバースモーゲージである「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」であれば、生活保護を受給している世帯でも利用できます。

しかし、利用するためには、基本的には生活保護の受給をやめなくてはいけません。つまり、生活保護とリバースモーゲージとを併用することはできません

要保護世帯向け不動産担保型生活資金とは?

要保護世帯向け不動産担保型生活資金は、民間のリバースモーゲージと同様の仕組みで、厚生労働省の生活福祉貸金貸付制度のひとつです。

対象となる世帯は、生活保護を受給している世帯やこの制度を利用しなければ生活保護を受ける対象となる世帯です。

生活保護を受けていない方が自治体に「自力での生活立て直しが困難な状況だ」と相談にいくと、不動産を所有していれば、まずこの制度を利用することを勧められることが多いようです。

民間との違いは、民間は対象不動産が一戸建てで、資産価値が1,500万円以上が対象になる場合が多いのに対して、この制度であれば、マンションでも可能で、かつ資産価値が500万円以上の不動産を対象としています。

ただし、対象の不動産の住宅ローンが完済されており、抵当権が設定されていない状態でなければ利用できない点に注意が必要です。

自治体のリバースモーゲージを利用するための条件

要保護世帯向け不動産担保型生活資金を利用するための主な条件は、以下のとおりです。

  • 世帯全員の年齢が65歳以上であること(配偶者と2人暮らしの場合は配偶者も65歳以上)
  • 子どもと同居していないこと(本人や配偶者の親は可)
  • 持ち家の資産価値が500万以上であること
  • 生活保護の受給を継続しないこと
  • 賃借権や抵当権が設定されていないこと

要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付が終了した後に生活保護の条件を満たせば、生活保護を受けることは可能です。

また、この制度を利用できるのは「生活保護を受けていない人」となっていますが、この条件はあくまで原則です。生活保護を受けている人やそのほかの条件に満たない人でも、可能性は低いですが利用できることもあるようです。

リバースモーゲージ利用世帯は、生活保護を適用できる?

次に、リバースモーゲージを利用している状況で、生活保護を適用できるか考えてみましょう。

リバースモーゲージ利用世帯の懸念点

すでにリバースモーゲージを利用している世帯が、生活保護を検討しなければならなくなるケースを紹介します。

借入の限度額

社会福祉法人東京都社会福祉協議会が、「不動産担保型生活資金貸付のごあんない」というチラシを出しています。それによると、自治体のリバースモーゲージの借入の限度額は、不動産の評価額の約70%までです。そして、貸し付けてくれるお金は3カ月ごとに30万円(1カ月あたり10万円の計算)です。

貸付期間中、3年ごとに土地の再評価が行われます。つまり、評価額が後から変わることがあるということです。

評価額が減少した場合は、貸付限度額の変更が求められることになり、当初予定していた金額を借り続けられなくなる可能性があります。

借入できる期間

元金と利息を合わせた金額が貸付限度額に達すると、リバースモーゲージは終了です。

長生きをしても家の評価額以上の金額は受け取れません。したがって、当初の予定より長生きした場合に、生活資金が不足し生活保護に頼らざるを得なくなる可能性があります。

持ち家と生活保護の関係性

持ち家は資産として見られるので、原則、売却等を行わない限り受給できません。

具体的には、2,000万以上で売却できると判断された場合には、売却によってその後の生活を維持できると考えられます。

ただし、持ち家に住んでいて、なくなってしまうと生活そのものが成り立たなくなってしまう場合には、売却せずとも生活保護を受けられる可能性があります。

また、住宅ローンの残債があると生活保護を受けられないケースが多いです。生活保護で手にしたお金を住宅ローンの返済に充てられては、本来の制度の意味をなさないからです。

住宅ローンの残債が原因で生活保護を受けられない場合は、自己破産や任意売却を検討する必要があります。

当然ですが、そうした場合は持ち家がなくなるのでリバースモーゲージは利用できません。

リバースモーゲージ利用世帯は、生活保護を基本的には適用できない

リバースモーゲージの利用には一定以上の資産価値があることが求められますが、逆に生活保護受給のためには資産価値がないほうが受けやすいので相性がいいとは言えません。

生活保護を受けるためには、リバースモーゲージの貸付期間が終了するタイミングで自治体に申請する必要があります。

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生活保護とリバースモーゲージ利用するならどっち?

生活保護の受給とリバースモーゲージの利用を併用することは厳しいのが現状です。

では、今から利用する方はどちらを選択すべきでしょうか。

生活保護とリバースモーゲージの違い

今回のテーマにおける生活保護とリバースモーゲージの一番の違いは、資産価値のある持ち家を持っているかどうかです。持ち家を持っていない、または資産価値が高くなければそもそもリバースモーゲージの利用ができません。

また、リバースモーゲージで得られる資金は、生活保護の給付とは異なり、貸付です。

生活保護を利用したほうがよい人

  • 持ち家を持っていない、もしくは、資産価値が高くない
  • 保証人(相続人)がいない
  • 世帯に65歳以下の家族がいる

年齢や持ち家の資産価値などが原因で、リバースモーゲージ含めほかの公的支援を受けられない方は生活保護の受給を検討すべきです。

リバースモーゲージを利用したほうがよい人

  • 住んでいる持ち家があり、将来もそこに住み続けたい
  • 持ち家の資産価値がある程度ある
  • 世帯全員の年齢が65歳以上である
  • 生活保護の受給を継続しなくてもよい
  • リバースモーゲージ終了後に生活保護を受給したい

高齢で、持ち家に住みながら融資を受けたいという人はリバースモーゲージを検討してみましょう。

このほか、リースバックという選択肢もあります。

リースバックを利用したほうがよい人

そもそもリースバックとは、融資ではありません。不動産を売却し、そのあと同じ物件について賃貸借契約を交わし住み続けるというものです。

第三の選択肢として、リースバックに向いている方の特徴も紹介します。

  • 金融審査に通りにくい
  • すぐにまとまったお金を手にしたい
  • 生活保護受給予定
  • 年齢が若い

生活保護について考えている方にとっては、リバースモーゲージよりも現実的な選択です。まだ比較的新しいサービスであることから事業者によって買取金額や家賃が違うので、いくつかの事業者に問い合わせしてみるとよいでしょう。

その際は、比較サイトがおすすめです。いくつかの情報を入れるだけで簡単に事業者が見つかるので、ぜひ試してみてください。

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