子供がいない夫婦。老後の生活費と資金不足時のリースバックという選択

年金手帳の上の老夫婦

今回は、子供のいない夫婦の老後資金について解説します。

子供がいない人の老後の生活費

まずは子供がいない夫婦が老後に必要な生活費について、具体的な数字を用いてみていきます。

老後資金はどれくらい必要?

「老後資金は2,000万円必要」などとする情報が話題になったこともありました。実際、老後の生活費はどれくらい必要なのでしょうか。

総務省の家計調査年報(家計収支編)によると、令和元年の高齢夫婦無職世帯(夫 65歳以上、妻 60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の収入は月平均 23万7,659円。無職世帯ですので、ほとんどが公的年金による収入です。

対して、支出は、社会保険料等の非消費支出が平均3万982円、生活費などの消費支出が平均23万9,947円となっており、収支としては月あたり3万3,269円の不足が出ていることがわかりました。

この結果からは、老後生活が基本的に赤字になると言えます。

厚生労働省が統計をもとに平均余命を発表したものである簡易生命表(令和元年版)によれば、65歳男性の平均余命は19.83歳、60歳女性の平均余命は29.17歳です。

そのため老後生活は20~30年続くと考えられますから、

3万円の不足×12月×30年=1,080万円

これくらいは、少なくとも準備しておくべき資金だと言えます。

ただし、今後、公的年金の額は下がると考えられる一方、平均余命は伸びると思われますから、老後資金の必要額はさらに増大する可能性があります。まして、豊かな老後生活を望むのであれば、そのための資金を確保しておかなくてはなりません。

終活の手続きにかかる費用

老後生活を見据えたとき、「終活」についても考えないわけにはいきません。

エンディングノートなどを通じて、自分の意思をはっきりさせておくのはもちろんのこと、さまざまな実務的な手配や準備もしておく必要があります。たとえば、以下のようなことです。

  • 葬儀の準備
  • お墓の準備
  • 相続の準備
  • 死後事務の依頼や手配
  • 生前整理、遺品整理の準備
  • 自宅の処分の準備

これらの準備にも、費用がかかります。順を追ってみていきましょう。

◯葬儀の準備
いくつかの消費者団体や専門メディアの調査では、葬儀の費用は200万円前後が相場のようです。費用はもちろんのこと、葬儀社を選ぶなどの準備もできていればスムーズでしょう。

◯お墓の準備
すでに菩提寺があれば良いのですが、そうでない場合はお墓や霊園の手配が必要です。お墓の費用はかなり幅があるため一概には言えませんが、100万円単位にはなることが多いようです。

◯相続の準備
子供がいないとしても、自身の死後に財産をどうするか決める手続きは必要です。

子供がおらず兄弟姉妹がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹の間での遺産分割が行われますので、生前に話し合っておくべきでしょう。

相続については、やはり遺言を作成するのが確実です。費用は、もっとも確実性の高い公正証書遺言を作成した場合で、公証人役場での手数料、司法書士への報酬などを合わせて約10~15万円かかるとされています(相続財産の額や相続人の数などで変わります)。

◯死後事務の依頼や手配
死後事務とは、死後に発生するさまざまな手続きのことをいいます。葬儀もそのひとつですが、死亡届を出すなどの行政上の手続きや、亡くなった人が契約していた携帯電話を解約するなど、細々した「やるべきこと」は無数にあるものです。

子供がおらず、頼れる親族などもいなければ、死後事務のことも誰かに頼まなくてはなりません。その場合、司法書士などの専門家に、死後事務委任契約という契約を通じて依頼するのが一般的です。費用はどこまで依頼するかによって変わりますが、数万円から数十万円といったところでしょう。

◯生前整理、遺品整理の準備
死後に、残った家財などを処分するのが遺品整理、それをできるだけ生前に済ませておくのが生前整理です。

不用品買取業者などに依頼することが多いでしょう。価値のあるものは売却できますが、整理作業の費用と相殺して、持ち出しになる場合が多いのではないでしょうか。処分する物の量、住まいの広さによって費用が変わり、戸建てだと30万円程度だと言われています。

◯自宅の処分の準備
自宅そのものをどうするかという問題があります。子供がいない場合、親族の誰かが相続したとしても、空き家のままということになり、なんらかの対応が必要でしょう。不動産の処分は簡単ではありません。もし解体するなら、坪あたり数万円の解体費用がかかります。

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子供がいない老後のメリットと面倒なこと

子なし夫婦の老後は、夫婦だけの時間を遠慮せず過ごせるなど、メリットもあるものです。特に、老後資金の観点からはいろいろなメリットがあります。

子供にかかる費用がなく、老後資金を準備しやすい

子供がいれば、1,000万円とも2,000万円ともいわれる教育資金が必要です。子供が小さいうちは夫婦のどちらかが家事に時間を割かざるをえず、世帯の収入も制限されるかもしれません。子育てを終えてからも、結婚資金や住宅資金の援助が必要な場合もあるでしょう。

子供がいなけば、そうしたお金の心配がありませんので、収入はすべて夫婦のために使うことができます

老後資金についても、早い段階から準備ができるため、子供のいる家庭に比べると有利だといえます。

遺産分割に悩む必要がない

頑張って老後資金を貯めたとしても、今度は亡くなった後にその財産をどのように相続させるかという悩みが生まれます。

特に子供が複数人いる場合や、相続財産が自宅不動産しかない場合などは、遺産分割について注意が必要です。事前によく話し合い、遺言なども準備したほうが良いですが、それでももめごとのリスクは常にあります。

子供がいないとしても相続の対策は必要ですが、子供がいるからこそ生じる問題も多いことを思えば、子供がいないことの気楽さもやはりあるのです。

反面、子供がいない夫婦が直面する問題もあります。以下のような点について、子供のいない夫婦は対策が必要でしょう。

認知症や要介護のリスク

子供は親の介護をするためにいるわけではありませんが、とはいえ、子供がいるのといないのとでは、要介護になった場合の対応力が違います。特に、配偶者に先立たれ、単身になった後に、認知症などで判断力が低下した場合、近くに頼れる親族がいないと困ることは多いでしょう。

要介護については、事前に福祉の制度や、地域の福祉サービスの情報を把握しておき、いざというときに頼れる準備をしておきましょう。認知症リスクには、任意後見契約を専門家と結ぶなどして、備えておくことが重要です。

死後事務や遺産処分の問題

死後事務委任の重要性についてはすでにお伝えしました。相続についても、子供がいない場合は、誰が財産を相続するのかという問題があります。

子供がおらず、自身の親・配偶者も他界した状態で相続が開始すると、兄弟姉妹がいれば兄弟姉妹が、兄弟姉妹も亡くなっていればその子(甥・姪)が相続人になります。

特に、自宅不動産が遺産に含まれる場合、甥・姪がこれを相続しても扱いに困るだけ、というケースがあります。できれば事前になんらかの対策が望まれます。

持ち家があるならリースバックという選択肢も

老後の暮らしのためには相当な資金がいること、それに加えて、子供がいない場合はいろいろと準備が必要であることをお伝えしました。

これらの対策として、近年、注目されているのがリースバックです。

自宅に住み続けながら老後資金を調達

リースバックとは、持ち家を生前に売却し、売却益を得ると同時に、あらためて賃貸契約を結び、賃料を支払うことで、もとの家をそのまま借り受けることをいいます。

つまり、自宅不動産を生前に処分してしまうのです。

ただ売却しただけだと家を手放すことになり、退去しなくてはなりませんが、リースバックであれば、慣れ親しんだ自宅にそのまま住み続けることが可能です。

最近、よく聞かれるリバースモーゲージと似た仕組みですが、リバースモーゲージは、自宅を担保に資金を借り入れます。リースバックは売却ですので、手にした資金は返済の必要がありません。

リースバックには、次のようなメリットがあります。

  • まとまった資金が手に入る
  • 自宅の所有権が売却先に移るので、固定資産税などの維持費が不要になる
  • 家を売ったのに、その家にそのまま住み続けられ、生活を変えなくてもいい
  • 家を売却したことは外部からはわからない(ご近所などに知られることはない)

持ち家という資産を、手放すことなく、老後資金の一部にする方法だと言えるでしょう。

相続の面倒ごとの対策としても役立つリースバック

不動産は、相続で難点となる場合があります。

特に、現預金や、ほかの金融資産が少なく、財産に占める不動産の価値の割合が大きい場合、「分けにくい」「換金しにくい」という不動産の特性がデメリットになってしまうのです。

子供がいないのであれば、相続でもめることはないように思えますが、関係性の遠い親族が相続人になるため、むしろトラブルになる場合もあります。また、不動産の処分という面倒ごとを相続人に押し付ける格好になってしまうのを気に病む人もいるでしょう。そういう場合にも、現金ならば相続財産として分割しやすく、融通が利きます。リースバックは、生前に自宅を処分してしまえるという点で役に立つのです。

なお、リースバックはまだまだ新しいサービス。そのため、提供各社によってサービス内容に差があります。いくつかの会社に相談して、比較してみましょう。

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