住宅ローンは予測の見誤りで支払いが厳しくなることがあります。住宅ローンの支払いが大変なときは、リースバックと任意売却のどちらを利用するべきでしょうか。リースバックと任意売却の違いについて解説します。
目次
リースバックと任意売却の違い
住宅の購入では、ほとんどの人が住宅ローンを組んで購入します。35年という長い期間の返済になるため、返済途中でけがや病気で仕事ができなくなって支払いが困難になる場合があります。
住宅ローンの支払いが滞ると、せっかく購入した自宅が競売にかけられてしまうおそれがあります。
滞納せずに住宅ローンを支払えるのがベストですが、それが叶わないときに競売を避ける方法として「リースバック」と「任意売却」を紹介します。
リースバック
リースバックとは、自宅をリースバック会社に購入してもらったあと、売却した自宅を賃貸物件として住むサービスのことです。
リースバックを行うということは、自宅をリースバック会社に売却してからリースバック会社が貸主となって自宅を賃貸として借りる、売買契約と賃貸借契約を同時に行うということです。
リースバックのメリット・デメリット
リースバックにはメリットばかりではありません。当然、デメリットもあります。リースバックのメリットとデメリットを比べて、利用するかどうかを決めることが大切です。
■メリット
- 売却した自宅に住み続けられる
- リースバックでは、売却した自宅に賃貸借契約を交わして住み続けられます。そのため、売却後の引越しにかかる費用や子どもの転校などの心配をせずに済みます。また、近所の人に自宅の売却を知られずに行えるのも魅力のひとつです。
- 現金化が早い
- 通常の不動産売却では、買主が見つかるまで時間がかかることがあります。しかしリースバックの場合は、リースバック会社が自宅を購入するので売却までの期間がとても短く、早く現金が手元に入ります。
- 維持費がかからない
- 戸建てを所有していれば固定資産税、マンションであれば管理費、修繕費などの維持費を払っていかなければいけません。しかし自宅を手放すことで、これらの支払いが必要なくなります。
■デメリット
- 通常の売却より安くなる
- リースバックを利用して自宅を売却した場合は、通常の不動産売却より価格が安くなります。通常の不動産売却の相場と比べて、7~8割程度の価格が目安です
- 賃貸できる期間がある
- リースバックは定期借家契約が一般的です。そのため、賃貸として住める期間が決まっています。通常2~3年で退去しないといけません。賃貸期間が過ぎたあとに賃貸借契約をあらためて交わすこともできますが、貸主が認めない限り再契約はできません。
- 家賃が相場より高い
- リースバックの家賃は近隣の相場は関係なく、住宅の購入価格によって決まります。そのため相場より家賃が高くなります。
任意売却
任意売却とは、住宅ローンを支払えなくて滞納してしまったとき、競売にかけられる前に融資を受けている金融機関と話し合って承諾を得た場合に、抵当権を解消して売却することをいいます。
通常の不動産売却では、住宅ローンが完済済み、または売却価格で住宅ローンを完済もしくは不足を自己資金で充当することで、抵当権を外して売却します。任意売却は金融機関合意のうえで抵当権を解消して売却する方法です。
任意売却のメリット・デメリット
住宅ローンの滞納で自宅を競売にかけられるのを防ぐ任意売却ですが、メリットもあればデメリットもあります。
■メリット
- 返済の相談ができる
- 任意売却したあとの住宅ローンの残債分の返済について金融機関と相談できます。金融機関も経済事情を理解していますので、無理のない返済額を提示してくれます。
- 希望する金額を提示できる
- 少しでも高く売却できれば、その分を返済に回せます。売却価格や日程なども自分で決められるので、予定を立てやすくなります。
- 退去後の費用ができる
- 自宅を売却したあとは、新しい住まいへ引っ越すための費用が必要です。任意売却であれば、新居や引越しの費用を売却価格に加算して売却できるため、新生活をスムーズにはじめられます。
■デメリット
- 信用情報機関に登録される
- 住宅ローンの滞納による任意売却なので、信用情報機関に情報が登録されてしまいます。そのため、新たにローンを組むことが数年は難しくなります。
- 買い手がつかないと競売になる
- 決められた期間内に買い手がつかないと、自宅は競売にかけられてしまいます。任意売却中も住宅ローンを滞納していることになっているため、期間が設けられています。
- 売却後もローンは残る
- 任意売却しても、住宅ローンの残債は支払わねばなりません。住宅ローンの残債は、完済するまで分割で払い続けることになります。
リースバックと任意売却の比較
リースバックは自宅をリースバック会社に売却後、賃貸借契約を交わすことで住み続けられます。売却にかかる時間も短く、現金もすぐに手に入ります。リースバックで売却することで住宅ローンの支払いはなくなりますが、賃貸として借りるので住み続ける限り家賃を払わなければいけません。
任意売却は住宅ローンの延滞で競売にかけられるよりもよい条件で売却するため、金融機関と話し合って抵当権を解消して売却します。もし売却できなければ競売にかけられますし、売却できたとしても住宅ローンの残債があるため、完済するまで支払いを続けなくてはなりません。
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任意売却でリースバックを利用できる
住宅ローンの支払いが難しくなっていたものの、自宅から引っ越したくない、という場合は、自宅を任意売却してリースバックで住み続けるという方法も可能です。任意売却とリースバックを組み合わせたときのメリットや注意点などを紹介します。
任意売却でリースバックを利用するには
任意売却でリースバックを利用するときの流れを紹介します。
1.任意売却とリースバックを併用できる業者を見つける
任意売却でリースバックを検討する際は、両方を取り扱っている業者を見つけなければいけません。任意売却だけ、リースバックだけという業者では対応できないためです。
2.家賃と残債のダブル支払いができるか調べる
任意売却による残債の支払いと、リースバックによる家賃の支払いのダブル支払いができるかをよく調べておかなければいけません。任意売却とリースバックを利用することで当然支払いが多くなります。家族の収入や支出などをよく計算して利用しましょう。
3.将来、買い戻すための資金は調達できるかチェックする
将来、自宅を買い戻すつもりでも、肝心の資金が調達できなければ買い戻すことはできません。自宅を買い戻す予定がある場合は、生活設計をしっかり立てて買い戻し資金を作っていくことが大切です。
任意売却後にリースバックを利用するメリット
リースバックを任意売却後に利用するメリットを紹介します。
自宅に住み続けられる
自宅を売却してからも、賃貸借契約を交わしてそのまま住み続けられます。一般的な不動産売却では、売却したら自宅を退去して新しい住まいに引っ越さなければいけません。しかしリースバックの場合は、住み続けられるので引越しなどの費用がかからず、余裕をもって生活を送れます。
買い戻すことができる
リースバックでは契約時に買い戻しについての特約をつけることで、将来的に自宅の買い戻しが可能になります。収入が安定して金銭的な余裕が出たら、買い戻しを検討してもいいでしょう。
任意売却でリースバックを利用するときの注意点
自宅の任意売却を行ってリースバックを利用する場合、家賃を抑えるために売却価格を低くするのは難しいでしょう。任意売却では、売却価格を決める際に金融機関の承諾が必要になるためです。
また、リースバックでの売却は相場の7~8割になるため、一般的な不動産売却より安くなることも覚えておきましょう。
リースバックは比較が重要
リースバックを検討する際は、1社だけにこだわらずいろいろなリースバック会社を比較・検討していきましょう。対応するエリアやサービス内容、賃貸契約の違い、買い戻しの有無などリースバック会社によって違いがあります。比較して自分に合ったリースバック会社を選びましょう。
リースバック会社を比較するために、1社1社に連絡するのは手間がかかって、とても大変です。一括問い合わせサイトを利用すれば、一度の入力で複数社に相談できます。リースバックの利用を検討されている場合は、ぜひ試してください。
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