リバースモーゲージはマンションだと無理?適用条件と金融機関ごとの対応

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リバースモーゲージはマンションだと無理?適用条件と金融機関ごとの対応

リバースモーゲージとは、不動産を担保に、資金を借り入れるローン商品です。
そもそも「モーゲージ」とは英語で「抵当」や「担保」等を意味し、不動産を抵当とする不動産業界や金融業界で多く使用される単語です。

リバースモーゲージの大きな特徴は、リタイアした高齢者が自宅を担保に利用することを想定していることです。そのため、基本的には借入期間中は利息のみを返済し、借り入れた人が亡くなった時点で物件を売却して元金を精算とするいう仕組みです。

物件を担保にするリバースモーゲージですが、対象となる物件が少ないという欠点があります。特にマンションは対象外となるケースが多いです。

今回はどのようなマンションであればリバースモーゲージを利用できるか、利用するリスクや他の資金調達方法について紹介します。

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リバースモーゲージはマンションでも利用できる

マンションの価値によってはリバースモーゲージを利用することは可能です。
リバースモーゲージ全般では明確な決まりなどないものの、金融機関によっては対象外と明示しているところもあります。

リバースモーゲージが適用される物件はほとんどが戸建て住宅です。
理由は後述しますが一言でいえば、戸建て住宅の方がマンションより担保価値が高いからです。
しかし、マンションでも利用出来ないわけではありません。
リバースモーゲージにおいてマンションが不利な理由や各金融機関の提示する条件を解説します。

マンションは担保価値が低い

金融機関によって対象となる物件の条件は異なりますが、マンションは制限が大きくなります。
理由は市場価値が低い(価値が下がる可能性が高い)点です。
一方で、戸建て住宅が担保物件として評価されるのは、建物より土地に価値を見いだしているからです。

土地は基本的に価値が減少しないのに対して、建物は年を経るごとに劣化し、その価値は下がっていきます。
金融機関としては、価値が下がるものを担保としてお金を貸すことが難しいということです。

こうした理由から、マンションは、金融機関から見て、リバースモーゲージの担保とするには魅力に乏しく、評価額を低くせざるを得ないため、十分な融資ができません。
これが、マンションが対象外とされる理由です。

資産価値が高いマンションは利用できる可能性が高い

資産価値が高く、価値が下がりにくい物件であれば、マンションでもリバースモーゲージを利用できる可能性が高いです。

そこで主な指標となるのが立地条件や築年数です。
築年数に関しては15年~20年以下が目安とされています。
立地に関しては価値が評価されやすい都心部が中心となり、最寄りの駅まで徒歩10分以内が好ましいでしょう。

また近年では災害へのリスクも大きな評価対象です。

マンションの取り扱いのある各金融機関の条件

大手銀行から地方銀行までたくさんの金融機関がリバースモーゲージ向けのプランをだしています。
マンションを取り扱っている銀行のなかでも条件をしっかり明記している銀行を一部紹介します。(条件は抜粋しておりますので詳細は各行の専用サイトを確認してください)

各行、リバースモーゲージ(マンション)の条件
銀行名 商品名 対象年齢 マンションの条件(条件は一部です)
三菱UFJ銀行 リバースモーゲージ信託 70歳以上 対象不動産の評価額が 2,000 万円以上であること
東京スター銀行 充実人生 55歳以上84歳以下 対象不動産の評価額が 2,000 万円以上であること
みずほ銀行 みずほプライムエイジ 55歳以上 ご自宅の評価額(みずほ銀行所定の方法による評価)が 1 坪当たり 250 万円以上 かつ総額 5,000 万円以上となる物件

年齢に関しては、各プランで差が出ます。上記3行の中では早くて55歳以上で利用が可能です。
マンションの対象条件については2行が評価額2,000万円以上としています。

建物評価額は一般的に市場で取引されるの6割程度の評価です。市場価格で約3,300万円以上の物件がリバースモーゲージの対象となるマンションの目安です。

「リバース 60」は、マンションでも利用できることも

住宅金融支援機構の「リ・バース60」でもマンションは対象外とはされていないため、利用できる可能性はあります。

しかし、「リ・バース60」では住宅金融支援機構と、実際の融資を受ける金融機関のそれぞれで物件の審査が行われますし、審査の基準も戸建てに比べるとそのハードルは上がると思われます。

結果として、融資を受けられなかったり、希望するだけの融資額に達しない可能性もあります。
結局のところ、どのようなマンションなら、リバースモーゲージの担保として受け入れられやすいでしょうか。
やはり、資産価値が十分にあり、価値が下がりにくいことがポイントです。
たとえば、以下のような項目は金融機関も高く評価します。

  • 比較的、築浅である(築20年以内が目安)
  • 大都市圏である
  • 駅が近いなど利便性が良い

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マンションを担保にするときの注意点

リバースモーゲージはもちろん注意すべき点もあります。リスクを理解したうえでご利用の検討をしてみましょう。

コロナ禍における戸建て住宅の人気によってマンション価値が低下する?

マンションの価値が下がってしまったときに心配なのが、担保割れです。担保割れ(担保に借りたローンの額より不動産の価値が下がっていた場合)になってしまうと一括支払いをする場合もあります。

新型コロナウイルスの影響で郊外に移住する人や広さを求めて戸建て住宅に引っ越す方が増えました。
そうすると、都心部のマンション価値が下がってしまう可能性があります。

しかし、マンションリサーチ株式会社の
2021年上半期中古マンション市場|東京都23区中22区で2001年以降築の価格が高騰」によると都内中心でマンション価格が高騰していることがわかりました。
理由は、マンションの供給減少によって需給バランスが崩れたことだと言われており、今後の動向に注目が必要です。

長生きすることのリスク

マンションに限りませんが、長生きすることでリスクが発生します。
リバースモーゲージは基本的には死亡時に担保物件を売却し、精算します。

しかし、期限付きのプランで提供している金融機関が多いようです。
たとえば、契約期限が到来しても存命の場合、担保物件が売却されてしまいます。
生きているのに家を売却されないように、契約期間や契約内容の確認は慎重にしましょう。

金利の上昇リスク

こちらもマンションだけに限りませんが、リバースモーゲージは借金ですから当然利息が発生します。
現在は低金利が続いていますが、金利なのでもちろん上がる可能性もあります。
金利が上がれば毎月の返済額も上がりますので余裕を持った返済額にしましょう。

リバースモーゲージ以外の資金調達

リバースモーゲージについて、説明しましたが、他にも物件をお金に変える方法はあります。
その方法について紹介します。

賃貸に出す

賃貸に出すことで同じ物件に住み続けることはできませんが、賃料収入を得ることができます。
入居者は、不動産会社へ依頼して探してもらうことが一般的です。

賃料や管理費も不動産会社と相談して決めることが可能です。
まとまった資金を得ることはできませんが、毎月安定して家賃収入を得ることができます。

売却する

一般的な方法ですが、売却することでまとまった資金を得ることができます。リバースモーゲージとの違いは所有権を完全に手放してしまうことです。
所有権を手放すので固定資産税などのランニングコストがかからず、今後の手間が一切なくなります。

複数の不動産会社に査定依頼をし、査定額を把握しておくといいでしょう。

リースバック

リバースモーゲージと同様に、物件には住み続けながら、資金調達する方法としてリースバックがあります。

リースバックとは、物件を売却し、資金(売却益)を得たうえで、物件の買い手との間に賃貸契約を結び、以後は賃料を払いながら物件に住み続けるという仕組みです。

リースバックは、一見するとリバースモーゲージに似ていますが、借り入れではないため金利負担がなく、調達した資金は返済の必要がありません。

リバースモーゲージで、金融機関が物件を厳しく審査するのは、リバースモーゲージが長期の借り入れになるからです。長期間の借入期間が終わった後に、売却しても十分な利益が出る資産価値のある物件かどうかを、銀行は厳しくチェックします。

対して、リースバックでは、売却した物件はすぐに売り手が借りることが約束されています。つまり買い手から見ると「確実に借り手がいる賃貸物件」であるため、不動産としての資産価値を厳密に評価する必要があまりありません。

もちろん、マンションでも問題なくリースバック可能です。
リースバックとの比較を下記にまとめます。

リバースモーゲージとリースバックの比較
リバースモーゲージ リースバック
所有権
月々の支払 利息のみ(元金含まない) 賃料を支払う(相場より高くなることが多い)
担保の条件(マンションの場合) 厳しい 緩い
その他 ・相続人の承認が必要
・エリアや物件種別の制限が多い
・後に買い戻すことが可能
・家賃が払えなくなると退去しないといけない

マンションの場合、リースバックのほうが審査がとおりやすく、リバースモーゲージよりも利用しやすいでしょう。
一度専門の不動産会社へ相談してみることをおすすめします。

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