会社を退職したら、失業手当を受け取るための申請が必要です。失業手当の申請には期限があるため、のんびりしていると期限が切れてしまうおそれがあります。失業手当の申請期限は退職理由が自己都合でも会社都合でも変わりません。
退職したらできるだけ早く、失業手当を申請しましょう。失業手当の申請期限と受給期間のほか、退職したときにすぐやるべき手続きを紹介します。失業手当の申請方法とあわせて確認してください。
【注意】失業手当の申請期限は退職から1年!
失業手当の申請期限は、原則として退職の翌日から1年間です。失業手当の受給期間が退職の翌日から1年間ですから、申請期限も同じ期間になります。
例外として、失業手当の所定給付日数が330日以上ある方は、申請期限が1年より長くなります。特別な理由がなければ手当の受給は延長できません。失業手当を申請するなら、退職後はすみやかに手続きしましょう。
区分 | 申請期限(受給期間) |
---|---|
原則 | 1年 |
所定給付日数が330日の人 | 1年+30日 |
所定給付日数が360日の人 | 1年+60日 |
2年に延長されたのでは?
雇用保険の各給付金は支給申請期間が延長され、期限を過ぎた場合でも2年の時効までは申請可能です。
2年の時効対象となる給付金は、再就職手当や育児休業給付金などを指し、失業手当は2年の時効延長の対象外です。そのため、失業手当の申請期限は退職翌日から1年と従来どおりになっています。
失業手当の受給も退職から1年以内に完了
失業手当の受給期間は原則として退職の翌日から1年間です。失業手当を受給完了する期限が1年以内だということに注意しましょう。
申請の時期や給付残日数にかかわらず、退職から1年の期限を越えた分は給付されません。失業手当の申請が遅れると、1年以内に給付日数分を全額受給できず、損をするおそれがあります。
働けない場合は延長が可能
病気、ケガ、妊娠、出産、育児などの特別な理由で就業できない場合は、受給期間を延長できます。
継続して30日以上の就業が不可能な場合に、働けない日数分だけ受給期間を延長できます。延長期間は最長で3年間です。延長措置を受けたい場合は、継続して30日以上の就業が不可能になった翌日以降、すみやかに申請をしましょう。
申請先は、お住まいの地域を管轄するハローワークです。受給期間延長申請書はハローワークでもらうほかに、電話での取り寄せもできます。引き続き30日以上就業できないと判明したら、早めに手続きをしましょう。
受給開始日は会社都合と自己都合で違う
退職理由が「会社都合」か「自己都合」かで失業手当の受給開始日は異なります。自己都合は給付制限があるため、会社都合より失業手当の受給開始日が遅くなります。
会社都合とは、倒産や解雇など就業先の都合で退職となった場合です。会社都合の場合は、ハローワークで失業手当の手続きをしたあとに7日間の待期期間を経て、受給がはじまります。
自己都合とは、就職活動や家庭の事情など、一身上の都合で退職する場合です。7日間の待期期間のあとに2カ月の給付制限がつき、その後受給が開始します。
会社都合と自己都合で給付日数が違う
退職理由によって異なるのは、失業手当の受給開始日だけではありません。受給できる日数も会社都合と自己都合で異なります。
会社都合と自己都合による給付日数の違いは、次のとおりです。
被保険者期間 | 30歳未満 | 30~35歳未満 | 35~45歳未満 | 45~60歳未満 | 60~65歳未満 |
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 |
1~5年未満 | 90日 | 90日 | 90日 | 180日 | 150日 |
5~10年未満 | 120日 | 180日 | 180日 | 240日 | 180日 |
10~20年未満 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
20年~ | ― | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
被保険者期間 | 全年齢 |
---|---|
1年未満 | ― |
1~5年未満 | 90日 |
5~10年未満 | 90日 |
10~20年未満 | 120日 |
20年~ | 150日 |
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失業・退職後のいますぐやることリスト
失業・退職後のいますぐやることリストをまとめました。退職が決まったら、漏れなく手続きできるように前もって準備しておきましょう。
やること | 期限 | 必要書類 | 手続き |
---|---|---|---|
健康保険 | 退職の翌日以降すみやかに | 新規加入先の健保資格取得申込書、前職の資格喪失証明書 | 市区町村役場もしくは健康保険組合など |
年金 | 退職の翌日から14日以内 | 基礎年金番号、前職の資格喪失証明書 | 市区町村役場 |
住民税 | 納付書に記載の期限に準ずる | 住民税納付書 | 納付書が届く。または一括徴収 |
所得税 (確定申告) |
退職翌年の確定申告期間 | 前職の源泉徴収票 | 税務署 |
失業手当 | 退職翌日から1年以内 | 離職票、マイナンバー、身元確認書類、証明写真、通帳 | ハローワーク |
健康保険
退職の翌日以降は健康保険の資格を喪失するため、勤務先に健康保険証を返却します。そのまま健康保険に未加入だと、医療機関での治療が自費負担になってしまいます。そのため、いずれかの健康保険に加入しなくてはなりません。
退職後の健康保険の選択肢
- 任意継続被保険者
- 国民健康保険
- 家族の被扶養者
任意継続被保険者
在職中に加入していた健康保険組合などで、そのまま個人で継続して加入し続けることも可能です。
在職中は、健康保険料を会社と個人で折半して払っています。任意継続被保険者とは、いままで会社が負担していた分も全額自分で負担することで、在職中と同様の保険給付を受けられる制度です。被扶養者の数や在職中の給与額など、条件によっては国民健康保険より保険料が安くなるかもしれません。
国民健康保険
国民健康保険(国保)に加入するためには、市区町村役場で手続きが必要です。国保とは自営業者のような、健康保険組合などに加入していない人を対象に保険給付する制度です。国保の保険料は、市区町村によって異なります。任意継続か国保、どちらが保険料は安くなるか比較して加入するのがおすすめです。
国保はお住まいの地域によって保険料が異なるため、市区町村役場に問い合わせましょう。地方公共団体(自治体)によっては、Webサイトに保険料の早見表を掲載していますので参考にしてください。
家族の被扶養者
一定の条件を満たせば、家族が加入している健康保険の扶養に入れてもらうことも可能です。被扶養者には保険料がかかりませんから、3つの選択肢のうち費用がもっとも安く済みます。
一般的には年収が130万未満で、かつ家族の年収より2分の1未満であれば被扶養者に該当します。条件は家族が加入している健康保険によって異なるため、加入前に確認しておきましょう。
年金
会社を退職したら年金を切り替えましょう。在職中に加入していた厚生年金は、退職の翌日に資格を喪失します。次の就職先が決まっていない場合は、国民年金第1号被保険者もしくは第3号被保険者となります。
第3号被保険者に該当するのは、配偶者の扶養に入る人です。そのため、該当しない場合は第1号被保険者へ変更します。市区町村役場で手続きできるため、健康保険を国民健康保険にする場合は、まとめて処理を済ませてしまうのがおすすめです。
住民税
在職中は給与から天引きされていた住民税も、退職後は自分で納付する必要があります。
退職時期が1~5月の場合は、未納付の住民税は原則として在職中の給与から一括徴収されます。以降は6月に自宅へ届く住民税納付書にしたがって、自分で納付しましょう。
退職時期が6~12月の場合は、一括徴収の対象となりません。会社が住民税の切り替え手続きを完了すると市区町村から自宅へ納付書が届きますから、以降は自分で納付しましょう。
所得税(確定申告)
通常、会社員は年末調整で当年分の所得税を確定します。しかし、年の途中で退職した場合は、年末調整が受けられません。年末までに再就職するなら新しい勤務先で年末調整を受けられますが、そうでなければ確定申告をしましょう。
確定申告は、退職した年の翌年2月ごろに税務署などで受けられます。納め過ぎている税金が還付される可能性があるため、必ず確定申告をしましょう。
失業手当
会社から離職票が届いたら必要書類をそろえて、すみやかに失業手当を申請しましょう。具体的には、お住まいの地域を管轄するハローワークで求職の申し込みをします。
申請後は待期期間を経て、指定された日にちの雇用保険説明会に参加しましょう。定期的に求職活動を報告し、受給要件を満たせば失業手当を受給できます。
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失業手当の支給までお金がない…どうする?
失業手当の支給までは、自己都合の退職になると2カ月以上もかかります。当面の生活費や資金繰りが心配になるでしょう。
そこで、失業手当の支給までお金がない場合、どういった対処法があるかまとめました。
- 臨時特例つなぎ資金貸付制度
- 国民年金保険料の猶予・免除制度
- 国民健康保険の猶予・免除制度
- 賞与を待って退職する
- 不用品を売る
貸付制度や保険料の免除、不用品整理などハードルの低いものも挙げています。取りかかりやすいものから、ぜひ活用してみてください。
臨時特例つなぎ資金貸付制度
臨時特例つなぎ資金貸付制度とは、条件に合致すれば連帯保証人不要、無利子で10万円まで借りられる制度です。前提として、住居のない離職者に限られます。
条件は2つあり、どちらも該当して審査に通過した場合に資金が借りられます。
- 失業手当などの公的給付制度の申請が受理されているものの、給付開始まで困窮している
- 本人名義の銀行口座を持っている
窓口はお住まいの地域の社会福祉協議会です。
国民年金保険料の猶予・免除制度
国民年金保険料は、失業した人なら納付が猶予または免除となる場合があります。
手続きには退職後に会社から届く離職票や、雇用保険受給資格者証が必要です。手続きは市区町村の役所でできますので、退職したらできるだけ早く申請をしましょう。ただし、免除期間をそのままにしておくと、国民年金保険料を全額納付した期間と比べて、将来の年金額が少なくなるので注意してください。
猶予・免除期間の年金は10年以内ならさかのぼって納付できます。再就職できて生活に余裕ができたら、追納するのがおすすめです。
国民健康保険の猶予・免除制度
お住まいの市区町村によっては、国民健康保険の猶予・免除制度を設けている場合があります。
失業による猶予・免除の場合は、国民年金と同様に離職票などで離職年月日を証明する必要があります。国民健康保険は市区町村によって取り扱いが異なるため、加入手続きの前に確認するとよいでしょう。
賞与を待って退職する
退職日が確定していないなら、賞与支給を待って退職するのも有効です。単純に給与だけの月と比較して賞与額がプラスで見込めますし、健康保険料・厚生年金保険料を節約できる可能性があります。
月の途中で退職した場合、健康保険や厚生年金の保険料は該当月にはかかりません。賞与月の途中で退職するなら、最後の賞与から保険料が引かれずに済むのです。ただし月末を退職日とした場合は、徴収対象になるため注意してください。
会社によっては賃金規定で、退職日などの賞与支給要件が決まっています。退職の意志を告げる前に、就業規則などを確認しておきましょう。
不用品を売る
当面の生活費として、身の回りの不用品を売るのもおすすめです。
再就職先が決まっていない場合はライフスタイルが大きく変わるため、会社員時代に使っていたものは不要になるでしょう。公的な免除制度とは異なり、タイムラグなしでお金が手に入るのも助かります。
生活費を工面するために、副業やアルバイトを検討するのはおすすめしません。就業とみなされると、失業手当の給付に抵触するおそれがあるのです。まずは失業手当を申請準備しつつ、断捨離を兼ねて不用品整理してみてはいかがでしょうか。
失業手当まで待てない場合はリースバックも
失業手当の給付を受けるには、さまざまな要件があり、うっかりすると資格を喪失してしまうおそれがあります。そのため、待期期間を乗り切るだけの貯蓄がないと大変です。
もし所有するマンションや戸建て住宅がある場合は、リースバックの利用を検討してはいかがでしょうか。
リースバックとは自宅を売却して代金を受け取り、家賃を払ってそのまま住み続けられるサービスのことです。不動産会社が仲介する不動産売却と異なり、リースバックにはスピーディに自宅を現金化できるメリットがあります。仲介と比べて売却価格は安くなりますが、早く現金が必要な方にはおすすめです。住宅ローンの残債があっても売却代金と相殺できるのであれば、リースバックを利用できます。リースバックの詳しい仕組みについては、次の記事を参考にしてください。
リースバックは会社によってサービス内容が異なるため、複数のリースバック会社に相談して比較することが大切です。「リースバック比較PRO」では売却する物件の情報と連絡先を一度入力すれば、複数のリースバック会社に問い合わせられます。大手のリースバック会社も多数参加していますので、相談するときも安心です。どのような大手のリースバック会社が参加しているのか、各社のサービスの違いは次の記事で詳しく解説しています。
リースバックに興味のある方は、まずリースバック比較PROでの問い合わせからはじめてください。
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