住みながら家を売る方法|早期売却のポイントは内覧の準備と応対

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住みながら家を売る方法|早期売却のポイントは内覧の準備と応対

家を住みながらでも、家を売ることは可能です。引っ越しが不要なため、手間や費用などがかからないのがメリットです。ただし、空き家にして売却するのと比べると、さまざまなことに注意する必要があります。

どのようなことに注意すればよいのか、内覧の準備や対応など住みながらスムーズに家を売る方法を紹介します。

家を住みながら売却する方法

自宅を売却するときに、電化製品や家具などを撤去して引っ越し、空き家にすることが多いです。しかし、引っ越しをせずに、そのまま住み続けて売却することも可能です。

そのまま住み続けるため、新しい住まいを探すまでのあいだ、別の場所に引っ越したり、仮住まいを探す手間や費用を省けます。家の売却代金をできるだけ有効に使うのなら、住みながら売却はピッタリの方法です。

ただし、住んでいる家をそのまま購入希望者に見せることになるので、常にきれいにしたり、ものを整理整頓したりすることが求められます。あまり生活感を感じさせないように心がけることで、購入希望者によい印象を持ってもらえるでしょう。

また、急な内覧の依頼など、さまざまな希望に柔軟への対応も求められます。住みながら売却するには、多くのメリットがある一方で、気をつけるべき点もあるということを理解しておきましょう。

住みながら家を売るメリット・デメリット

家の売却では、空き家にする方法と住みながら売る方法のふたつがあります。住みながら家を売るのであれば、どういったメリットとデメリットがあるのかを把握しておきましょう。

デメリットが気になる場合は、空き家にして売る方法も検討してください。

住んだまま売るメリット

住んだまま売却をすることで得られる3つのメリットをご紹介します。

  • 資金計画が立てやすい
  • 家の劣化を防げる
  • 内覧者が実際の生活をイメージしやすい

それぞれのメリットについて解説します。

資金計画が立てやすい

住みながら売却をする場合、売却した費用を新居購入にあてられます。また、想定の売却価格ではなく、実際の売却価格をもとにした資金計画を立てられます。そのため、思ったよりも売却価格が安くなってしまったときでも、柔軟に計画を変更することが可能です。

資金面での不安やストレスを最小限に抑えて、販売活動を進められるのは大きなメリットでしょう。

家の劣化を防げる

家を長いあいだ空き家にすると、掃除や十分な換気が行えず、湿気やカビが繁殖して家の劣化が進みます。一方で住んだまま売却を行えば、日々の掃除や設備のメンテナンスも行えるため、劣化や汚れ、故障などへすぐ対応することが可能です。

売却直前まで家をきれいに保てるため、引き渡しも気持ちよく行えます。

内覧者が実際の生活をイメージしやすい

実際に暮らしている様子を見せることで、購入希望者が生活をイメージしやすくなります。さらに家具の配置や家事動線など、事前に生活環境が確認できるため、生活への不安や悩みが解消され購買意欲も高まります。

徹底した掃除や整理整頓を行い、生活感をなくして好印象を与えましょう。

住んだまま売るデメリット

売却を進めていくうえでの注意点、デメリットについて解説します。

  • 内覧のスケジュール調整が必要
  • 内覧準備が大変

それぞれのデメリットを確認してください。

内覧のスケジュール調整が必要

家の売却では「内覧してもらうこと」が重要なポイントです。家の購入では大きな金額を支払うことになるため、購入希望者は内覧を重要な判断材料にしています。そのため、できるだけ購入希望者の内覧に対応することが、早期売却につながるのです。

内覧の機会を逃さないために、売却期間中はいつでも対応できるように自身のスケジュールを調整する必要があります。内覧の予約は週末や休日に増えるため、休日はなるべく予定を入れずに、急な予約にも対応できるようにしましょう。

内覧準備が大変

内覧のときは、できるだけ家から生活感をなくす必要があります。人が暮らしている様子は、実際の生活をイメージできるメリットがある反面、みすぼらしさも感じさせるでしょう。

洗濯物を干していたり水回りが汚れていたりといった生活感は、内覧でイメージダウンにつながるおそれがあります。タバコやペットによる生活臭にも注意が必要です。

内覧のときはできるだけ生活感を出さないよう、日用品を片づけ、空気を入れ換えるなどの準備をしましょう。ふだんの生活でもできるだけ汚さないよう、注意を払う必要があります。

住んだまま家を早く売るには内覧が重要!

住みながら家を売る方法

住んだまま家を売却する場合、内覧の対応がカギを握っています。一般的に中古物件は空き家のほうが早く売れるといわれており、内覧したときに生活感のある家だと購買意欲が低下する傾向があります。

しかし、住みながら家の売却を進める人は決して少数ではなく、住んだままでも家の売却は十分に可能です。

購入希望者に好印象を与え、早期に売却をするためのポイントを5つに分けてわかりやすく紹介します。

  • 業者にハウスクリーニングを依頼する
  • 部屋の臭いを対策する
  • 不要なものは早めに処分しておく
  • 住人ならではのメリットをアピールする
  • 内覧しやすい環境をつくる

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

業者にハウスクリーニングを依頼する

内覧のときに部屋に汚れがあると、よい印象を与えません。資金に余裕があれば、業者に家全体のハウスクリーニングを依頼しましょう。

費用を抑えたい場合は、浴室やキッチン、トイレなどの水回りなどの汚れが目立つ場所、自身だと掃除しにくい場所に限定して業者に依頼するのもひとつの手です。

部屋の臭いを対策する

長年生活していると、なかなか気づきにくいのが生活臭です。タバコやペットの臭いは気にする人が多いため、家の空気の入れ換え、消臭スプレーの散布など、徹底した臭い対策を行いましょう。

自宅の臭いは自身だとわかりにくいため、第三者の意見を聞いて判断するのがおすすめです。

不要なものは早めに処分しておく

部屋中にものがあふれていると生活感が出てしまいます。できるだけ部屋を広くきれいに見せるために、不要なものは早めに処分しておきましょう。

床にものが置いてあると、見えている床の面積が減って部屋がせまく見えます。なるべく床にものを置かないのもポイントです。モデルハウスなどを参考にすると、部屋をきれいに見せるコツの理解が深まります。

住人ならではのメリットをアピールする

内覧のときは購入希望者へ書類や図面ではわからない住人ならではのメリットや魅力を伝えて、住みやすさをアピールしましょう。

たとえば、近くにある美味しいお店、お得なスーパー、お子さんがいる家庭には幼稚園や小学校の口コミなどです。住んでからわかるメリットを事前に知ることで、購入希望者が生活前に感じる不安を減らせます。時間に余裕があれば、事前に簡単な資料をつくっておくと便利です。

不動産会社によっては、資料を作成してくれる場合やアピールポイントとして資料に載せてくれる場合もあるため、担当者に相談してみましょう。

内覧しやすい環境をつくる

内覧時はなるべく居心地よく内覧に集中できるよう、購入希望者に配慮することが大切です。早く売却したいために、購入希望者にしつこくすすめたり、必要以上に話しかけたりすることは好ましくありません。

必要に応じて席を外して話しやすい状況をつくるなど、内覧しやすい環境づくりを心がけましょう。内覧時には部屋を明るくする、換気をする、スリッパを用意するなど、細やかな気遣いが購入希望者に喜ばれるポイントです。

住みながら家を売る流れ

住みながら家を売るには、次のような流れで進めていく必要があります。

  1. 不動産会社の査定を受ける
  2. 不動産会社と媒介契約を交わす
  3. 販売活動をはじめる
  4. 内覧の準備・対応
  5. 売買契約を交わす
  6. 新居へ引っ越す
  7. 引き渡し

査定、内覧、引き渡しまでを7つの手順に分けて、それぞれ詳しく解説します。

① 不動産会社の査定を受ける

家の売却を検討しはじめたら、まずは不動産会社に査定を依頼しましょう。どれくらいの価格で売却できるか見当のつかない状態では、その後の生活の予定を立てられません。また、査定を受けるときに、住んだままで販売活動をしてほしいことを伝えましょう。住んだまま売るときの注意点やアドバイスをもらえます。

不動産会社へ査定を依頼するときは、1社だけでなく複数社へ査定を依頼するのがおすすめです。不動産会社によって得意分野が異なるため、複数社に査定を依頼することで正確な相場がわかります。

査定には次の2種類があります。

机上査定(簡易査定)
家の住所や築年数などの情報だけをもとに査定をする
訪問査定
情報だけでなく実際に売却する家を見て査定をする

大まかな相場だけを知るなら机上査定でもよいのですが、より正確な査定がほしいときは訪問査定を依頼しましょう。複数社の机上査定を受けたあとで、信頼できそうな不動産会社を選んで訪問査定を依頼してください。

スムーズに家を売るには、不動産会社の力量が重要です。不動産会社を選ぶときは、過去の販売実績、取引件数、担当者の提案力などを比較しましょう。不動産会社のWebサイトでは、不動産売買に関するさまざまな情報を得られるため、事前に確認することをおすすめします。

② 不動産会社と媒介契約を交わす

家の売却を依頼する不動産会社を選んだら、媒介契約を交わします。不動産会社の販売活動に影響するため、契約を交わす前に住みながらの売却であることを必ず伝えてください。

媒介契約は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類から選べます。それぞれの特徴は次のとおりです。

媒介契約の種類
媒介契約の種類 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
複数社との媒介契約 不可 不可
自己発見取引 不可
契約期間 規定なし 最長3カ月 最長3カ月
販売活動の報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上

できるだけ広範囲に情報を拡散したいのであれば、一般媒介契約がよいでしょう。ただし、媒介契約を交わしたからといって、不動産会社がきちんと活動してくれるかどうかはわかりません。ほかの不動産会社が契約を決めてしまうかもしれないため、不動産会社は熱心に販売活動をしにくいのです。ほかの不動産会社が契約を決めてしまうと当然仲介手数料は得られないため、報酬がありません。

住みながら家を売る場合は、内覧への対応が重要です。複数社から内覧希望の連絡が入ると対応しきれないおそれがあるため、1社とだけ契約する専任媒介または専属専任媒介するのもよいでしょう。1社とだけ契約していれば、内覧のスケジュールを把握してもらえるのもメリットです。

③ 販売活動をはじめる

媒介契約を交わすと不動産会社は、不動産のポータルサイトや広告の掲載、チラシの頒布などの販売活動をはじめます。加えてレインズという物件情報共有システムへ売却する家の情報を登録し、全国の不動産会社へ情報を共有します。

購入希望者が見つかれば、実際に住んでいる家を内覧してもらいます。

④ 内覧の準備・対応

内覧の予約が入ったら、売主も立ち会うことをおすすめします。そのため、内覧希望の多い土曜日と日曜日は予定を入れず、スケジュールを空けておきましょう。

内覧ではできるだけ生活感のない状態で、家を見てもらうことが大切です。空き家と比べると人が住んでいる状態はどうしても見劣りがしてしまいます。そのため、内覧の前に室内の掃除、整理、換気をしておきましょう。

内覧の予約が入ってからあわてて準備するのではなく、住みながら家を売ることを決めたときから準備を進めましょう。

購入希望者が気兼ねなく内覧できるように、室内から出るなど配慮も必要です。早期売却には内覧の機会を逃さないことが重要です。販売期間中は、大変でもできる限り柔軟に内覧へ対応しましょう。

⑤ 売買契約を交わす

購入希望者が決まったら売買契約を交わします。宅地建物取引士から買主へ重要事項の説明があり、問題がなければ売買契約書に署名・捺印をします。

不明点は売買契約時までにしっかりと確認しておきましょう。

⑥ 新居へ引っ越す

無事に契約を終えたら、新居へ引っ越します。このときに新居が決まっていない場合は、賃貸で仮住まいをする必要があります。

賃貸への引っ越しは、一時的な仮住まいであっても高額な初期費用や引っ越し資金が必要です。さらに2年以内の短期契約は違約金が発生する可能性もあります。

コストを抑えるには売買契約までに新居を決めておき、契約したらすぐに引っ越せるよう調整し準備しておきましょう。

⑦ 引き渡し

新居への引っ越しが済んだら、売却した家の引き渡しを行います。引き渡しでは主に次のことを行います。

  • 残代金の受領
  • 所有権移転登記
  • 抵当権抹消登記
  • 書類やカギの引き渡し
  • 諸費用の精算

引き渡し時に最終的な内容確認を行います。そして、所有権移転登記や抵当権抹消の手続き、残代金の精算などを行い、無事に引き渡しを終えたら売却完了となります。

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住みながらの売却なら買取もおすすめ

家に住んだまま売却するのであれば、不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。

不動産会社が仲介する方法では購入希望者を見つける必要があるものの、買取であればそういった手間がかかりません。

不動産買取のメリットとデメリット

買取で住んだまま家を売却すると、次のようなメリットとデメリットがあります。

不動産買取のメリットとデメリット
メリット デメリット
  • 早く売却でき、現金化が早い
  • 内覧の対応が必要ない
  • 契約不適合責任を負わない
  • 仲介手数料がかからない
  • 売却価格が安くなる傾向がある
  • 買い取り拒否をされることがある

不動産買取のメリット

購入希望者を探さずに不動産会社が家を買い取るため、査定を受けて買取金額に納得したら売買契約を交わすだけです。取引を非常にスピーディに行えるのが、買取の魅力です。数カ月もかかる仲介に比べると、早く家を現金化できます。

不動産会社が家を査定するときに、特にものを片づけたり、掃除をしたりする必要もありません。不動産会社が再販売するときに、リフォームなどを施すため、そういった対応をする必要がないのです。

仲介ではないので、仲介手数料がかからないのもメリットです。

不動産買取のデメリット

買取のデメリットは、仲介と比べて価格が安くなってしまうことです。不動産会社は買い取った物件に、リフォームなどをして再販売します。そういった費用を差し引くため、仲介で売却したときよりも価格が安くなってしまうのです。

また、買取の対象になるのは、不動産会社が再販売で利益を出せると判断したものに限られます。どのような家でも買い取るわけではないので注意しましょう。

リースバックなら買い取ったあとも住み続けられる

住みながら家を売る方法

リースバックは家を買い取ってもらったあとも、家賃を支払うことで住み続けられるサービスです。そのまま住み続けるのですから、家に住みながら売却できます。

リースバックであれば、家の売却代金を受け取ってから転居先を探せます。すでに転居の資金があるうえに、急いで引っ越す必要がないため、じっくり時間をかけて転居先の検討ができるでしょう。

リースバックのメリットとデメリット

リースバックは不動産買取と賃貸借契約を組み合わせたサービスのため、買取と同じメリットとデメリットがあります。それに加えて、リースバックのメリットとデメリットがあることに注意してください。

リースバックのメリット、デメリットには次のものがあります。

リースバックのメリットとデメリット
メリット デメリット
  • 同じ家に住み続けられる
  • 家を売ったことが周囲に知られない
  • 税金や維持費の負担がない
  • 不動産を所有するリスクがない
  • 家賃は市場価格より高くなる傾向がある
  • ずっと住み続けられないことがある
  • 家を自由に改修できない
  • 相続で家を残せない

リースバックのメリット

家を売却してからも住み続けられるのは、リースバックの大きなメリットです。愛着のある家に住みながら、売却による資金調達ができます。また、売却前の生活をそのまま続けられるため、周囲の人に家を売ったことが知られないのもよいところです。

ほかにも固定資産税の負担や震災などによる被害など、不動産を所有することによる負担やリスクもなくなります。

リースバックのデメリット

リースバックの家賃は売却価格をもとに算出します。年間の家賃が売却価格の8~10%が一般的なため、周辺の賃貸価格の相場より高めになることが多いです。長期にわたって住み続けると、家賃の負担が重くなることに注意しましょう。

また、リースバックでは賃貸借期間を決められていることがあります。長期にわたって住み続けたい人は、長期間の賃貸借契約が可能な会社を選んでください。

また、家の所有者ではなくなるため、自分の自由にリフォームをしたり、子どもに家を相続させたりといったことはできなくなります。

リースバックを利用する方法

メリット、デメリットを踏まえてリースバックの利用を決めたら、対応が可能な会社に問い合わせましょう。リースバックはどこの不動産会社でも対応できるものではなく、サービスを提供する会社に依頼する必要があります。

リースバックは、会社ごとにサービスの内容が異なることに注意しましょう。長期の賃貸借契約を交わせる、家を買い戻せる、対象物件がマンション限定など、会社によってサービス内容はさまざまです。そのため、必ず複数の会社に相談することが大切です。サービス内容に納得しないまま、大切な自宅を売却しないでください。

リビン・テクノロジーズのリースバック比較PROは、一度の入力で複数の会社へ問い合わせられるサービスです。わざわざ会社を探さなくても、自宅に対応できる会社を紹介します。

リースバックを利用するときは、比較が重要です。一括で複数社に問い合わせられます!

大手の会社をはじめ、多くの会社がリースバック比較PROに登録しています。それぞれの会社のサービス内容や売却代金などを比較すれば、きっと自分に合った会社を見つけられるでしょう。

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