住宅ローンを滞納したら、どうなる?どうしたらいい?差し押さえや競売のリスクとは

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住宅ローンを滞納したら、どうなる?どうしたらいい?差し押さえや競売のリスクとは

住宅ローンの滞納は家を失うだけでなく、信用力の低下や法的なトラブルにもつながるおそれがあります。そのため、滞納したからといって絶望したまま、何もしないのはよくありません

できるだけ早急に適切に対処することで、あなたの家を守り負債を抱えるリスクを減らせます。

この記事では住宅ローンを滞納したらどうなるのか、緊急度別の対処法など、滞納してしまった方に有益な情報をわかりやすく解説します。

住宅ローンを滞納してしまったら、リースバックを検討してみましょう!

住宅ローンを滞納したら?最悪自己破産になるまでの流れ

住宅ローン契約時は、今後のライフプランを考えて返済の計画を確認します。しかし、長い返済期間の間に、病気や転職などの理由から想定できなかった状況となり、住宅ローンの順調な返済が難しくなることもあるでしょう。

返済日当日に銀行口座の残高が返済予定額より不足したとき、当日中に不足分を入金できなければ滞納したことになります。

住宅ローンの返済が困難になり滞納が長く続くと、最悪「自己破産」を選択するしかないケースがあります。滞納の継続期間ごとに、どういったことが起きるかを解説します。

滞納1カ月後

滞納した債務者には、銀行より入金時期の見通しについての確認連絡が定期的にあります。銀行は滞納した債務者を延滞先として、期日管理しているためです。

遅延損害金が滞納初日から発生しており、支払総額が増加します。遅延損害金は住宅ローンの契約書で支払いを延滞させた場合に発生すると明記されており、年利14%前後が多いです。

滞納2カ月後

銀行から「督促状とくそくじょう」が複数回届きます。毎月の返済額に、遅延損害金を加えた支払総額が記載された請求書です。併せて入金時期の見通しの確認連絡が続きます。

対応の早い銀行は2カ月経過後に信用情報機関へ事故情報の登録をします。滞納は金融事故であり、銀行は信用情報機関への登録義務があるためです。

事故情報の登録により、クレジットカード発行ができなかったり、新たな借入の審査に落ちたりします

滞納3カ月後

銀行から「催告書さいこくしょ」が届きます。督促状とは違い、債権回収への強硬な姿勢を示しています。滞納が続き、記載された期日までに支払いがない場合に、期限の利益喪失手続きに移行する内容のためです。

期限の利益喪失とは、住宅ローンを分割返済する権利を失い、一括返済を請求されることです。

滞納約4~5カ月後

銀行から「期限の利益喪失通知書」が届きます。催告書に記載の期日まで滞納が長期化しているため、住宅ローンの支払いを分割返済する権利がなくなり、一括返済を請求されます。分割返済を滞納している状態では、一括返済の請求に応じることは難しいでしょう。

さらに代位弁済通知書が届き、保証会社が住宅ローンの支払総額を銀行へ支払ったとの内容が記載されています。返済相手である債権者が、保証会社へ変更されたことを明示する内容です。

代位弁済以降は、保証会社から住宅ローンの返済について請求が行われます。

滞納約6カ月以降

保証会社は、裁判所へ住宅ローンの担保不動産を対象とした「競売」を申し立てます。競売は不動産を強制的に売却して、債権回収するための手続きです。

申し立てのあと、「競売開始決定通知書」が裁判所から届きます。担保不動産を差し押さえた、というお知らせの内容です。

競売による家の売却価格は、市場価格の5割程度の価格です。家の売却代金が買い手より裁判所に納められた時点で、所有権が買い手に移転されます。

家の所有権が移転した時点で入居している場合、不法占拠者とみなされます。元の所有者である債務者は、家を明け渡す必要があります。

明け渡さないままでいると、元の所有者は強制執行により強制的に退去させられ、家に入ることさえできなくなります。強制執行にかかった費用は、所有者より元の所有者へ請求することが可能です。

家の売却により住宅ローンの残高は減少しますが、残債の返済をする必要があります。さらに新たな家への引っ越し費用や強制執行費用が発生して、支払いの負担が増加します。

費用支払いと住宅ローン返済の見通しが見込めない状況になると、債務者は「自己破産」を選択せざるを得ないでしょう。

【緊急度別】住宅ローンを滞納したらどうすべき?

誰もが住宅ローンを滞納し続けて、自己破産という最悪の選択は避けたいはずです。住宅ローンの滞納をしている状態を、緊急度別に分けると以下のとおりです。

  • 【緊急レベル1】1回のみの滞納で終わる
  • 【緊急レベル2】何度も滞納が発生する
  • 【緊急レベル3】返済額の資金確保が困難
  • 【緊急レベル4】返済条件の見直しができない
  • 【緊急レベル5】競売による差し押さえ

緊急度別に対処法を解説します。

【緊急レベル1】1回のみの滞納で終わる

想定外の急な出費で一時的に返済資金が不足しただけで、滞納解消の見込みがあるレベルです。滞納日数が経過するごとに遅延損害金は増え続けるため、できるだけ早く滞納を解消することが大切です。

家の不用品の売却や親族からの借入などにより返済資金を確保して、住宅ローンの返済を優先しましょう。

【緊急レベル2】何度も滞納が発生する

常に滞納と滞納解消を繰り返し、少しでも収入状況が変わると滞納し続けてもおかしくないレベルです。

家計の見直しを行いましょう。家計の見直しにより支出を減らすことで、返済資金に充てる金額を増やせるためです。

まずは保険料や通信費などの固定費を見直したり、娯楽費や交際費などの予算を抑えたりすることから取りかかりましょう。

【緊急レベル3】返済額の資金確保が困難

家計の収支と返済予定額のバランスが取れておらず、滞納解消を見込めないレベルです。住宅ローンを借りている銀行に、返済条件の見直しの相談を行いましょう。

返済条件の見直しは、返済負担の軽減を期待できます。銀行が返済条件の見直しに対応するということは、見直し後の返済計画は実現性が高いと判断しているためです。返済計画に沿った行動を確実に行いましょう。


【緊急レベル4】返済条件の見直しができない

銀行に返済条件の見直しを対応してもらえないときは、自宅の「任意売却」を相談してみましょう。任意売却は、自宅の売却代金を住宅ローンの返済に優先的に充てることが可能です。

住宅ローンが完済にならない場合は、残りは返済計画を策定して返済していきます。自宅の売却代金により住宅ローンの残高を大幅に減らせるため、残りの金額の返済負担は軽減されます。

【緊急レベル5】競売による差し押さえ

競売開始手続きの通知を受領して不動産が差し押さえられた場合、早急に任意売却を成約できるように動きましょう競売取り下げができる期日は、競売の入札開始前日までだからです。競売取り下げには債権者の同意を得る必要がありますが、任意売却の成立が確実でないと難しいのが現状です。

債務者は債権者へ任意売却することを伝えるとともに、早急に買い手を探して成約を目指します。

任意売却なら住宅ローン残高を減らせる!任意売却の特徴とは?

任意売却とは、住宅ローンの滞納が続いているときに、債権者の合意を得て住宅を売却する手段です。売却代金を住宅ローンの返済に充てることで、住宅ローンの残高を大幅に減らせます。

住宅ローン残高を減らせる任意売却の特徴は、以下の4点です。

  • 売却による住宅ローン完済が必須ではない
  • 抵当権を抹消できる
  • 競売より高く売却できる
  • 売却先によっては住み続けることが可能

特徴の詳細について解説していきます。

売却による住宅ローンの完済が必須ではない

不動産の売却価格が、住宅ローンの残債より少ない状態をオーバーローンといいます。通常の不動産売買はオーバーローンの状態だと売却代金や手持ち資金でローンを完済できなければ、抵当権を抹消できません。つまり、売却自体できないのです。

しかし、任意売却なら売却後にローンを完済できる見込みがなくとも、債権者から抵当権抹消の同意を得ることで抵当権を抹消できるため、売却が可能になります。

債権者が抵当権抹消、つまり任意売却に同意する理由は、滞納している住宅ローンをできるだけ早期に回収したい、という事情があるためです。

任意売却に同意することで得られる債権者のメリットは、以下のとおりです。

  • 競売よりも多くの住宅ローンの債権を回収できる
  • 競売手続きで時間をかけるよりも、早期に住宅ローンを回収できる

残債部分については実現可能性のある返済計画を立て直し、分割で返済していくことが必要です。

抵当権を抹消できる

抵当権は融資条件のため完済後に抹消手続きとなりますが、任意売却のときは完済しなくても抹消できます。任意売却に同意した債権者が、不動産売却手続きのために特例で対応するためです。

抵当権とは特定の債権を対象に不動産へ担保設定を行い、債権回収のために不動産売却の手続きができる権利です。不動産の買い手は抵当権のある不動産に対して、購入後に抵当権を行使されるかもしれないと考えます。

抵当権を抹消することで買い手の不安を取り除くことが可能となり、不動産売却の交渉が進めやすくなります

競売より高く売却できる

任意売却の売却価格は市場価格の8〜9割に対して、競売の売却価格は市場価格の5割程度になるため、高く売却できるのは任意売却です。

任意売却では通常の不動産売買と同じく仲介業者として不動産会社に入ってもらい、売却価格は早期成約を見込んで市場価格の8〜9割で決定します。

市場価格と同水準での価格設定では、買い手が見つからずに時間をかけすぎて、債権者が競売による売却へ方向転換する危険性があるためです。

競売での売却では、市場価格の5割程度です。最低入札価格である買受可能額が、市場価格の7割程度である売却基準価格から、さらに2割差し引いた価格で設定されているためです。

もし市場価格が3,000万円であれば、任意売却の売却価格が最低2,400万円、競売で最低入札価格で落札されると売却価格が1,500万円程度になります。売却価格の差額は約900万円と、決して無視できない金額です。

売却先によっては住み続けることが可能

任意売却では売却先によって、売却後も住み続けることが可能です。親族またはリースバックの対応が可能な企業および投資家に売却することで、売却後に賃貸住宅として借りられるためです。

リースバックとは、売却後に買主となった企業または投資家を貸主とし、売却した住宅を賃貸住宅として家賃を支払いながら住み続ける方法です。

一方、親族への売却では親族からの協力を得られることが前提です。売却価格や家賃などを親族と相談します。親族によっては、家賃の支払いをゼロにしてもらうことも可能です。この方法を利用すれば、売却で得た資金を住宅ローンの返済に充て、残ったローンの残債分を月1万など返済できる金額で債権者に分割で返済できるため、生活に困窮せずにローンの完済をしやすくなります

しかし、売却価格が極端に安い・低いといった場合は「みなし贈与」と見なされ、贈与税がかかってしまうため注意してください。

任意売却+リースバックで現金を増やしつつ、自宅に住み続けられる

任意売却は自己の意志で不動産を売却し、得られた現金を住宅ローンの返済に充てられますが、その後の住まいに困るという問題が生じます。そこでリースバックが役立ちます。これは、売却した不動産を元の所有者が賃借人として借り戻すことを指します。つまり、自宅を売却して現金を得たあとでも、引き続きその家に住めるのです。

この方法を利用すれば住宅ローンの滞納による生活の困窮を和らげ、安定した生活を送ることが可能です。ただし、任意売却とリースバックは専門的な知識を必要としますので、専門家の助けを借りることをおすすめします。また、契約内容によっては、将来的に再び自宅を購入することも可能です。

任意売却やリースバックを検討する際は、専門家と相談し、自身の状況に最適な解決策を見つけることが大切です。住宅ローンの滞納に悩む皆様が、安心して生活できる日々を取り戻せますように。

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