思わぬ出費やボーナスの減額などで、住宅ローンの返済が難しくなることがあります。もし住宅ローンを返済できなくなったら、どうなってしまうのでしょうか。住宅ローンを返済できなくなったときの流れや住宅ローンを解消する方法などを解説します。
住宅ローンを支払えないときの対処法
住宅ローンを支払えなくなった場合、次のような対処法があります。
- 住宅ローンの見直し
- 住宅ローンの借り換え
- 自宅の売却
- 任意売却
- リースバック
住宅ローンの見直し
住宅ローンの返済計画を見直すという方法があります。住宅ローンが支払えなくなる前に、住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。
たとえば、次のような相談に応じてくれる可能性があります。
- 月々の返済額を減らす
- ボーナス払いを中止または減額する
- 返済期間を延長する
- 一定期間元本を据え置いて利息だけ返済する
返済計画を見直したとしても、最低でも利息だけは支払い続ける必要があります。
住宅ローンの借り換え
ほかの金融機関へ住宅ローンを借り換えるという方法があります。現在借りている金利よりも低い金利で借りられる金融機関があれば、その金融機関で住宅ローンを組み直しましょう。
ただし、次のようなケースは、借り換えても金利減少のメリットが小さく、かえって借り換えにかかる諸費用の方が高いこともあるので注意しましょう。
- 金利差が年1.0%未満
- 残りの返済期間が10年以内
- 住宅ローンの残債が1,000万円未満
自宅の売却
自宅を売却した代金で、住宅ローンを完済する方法があります。依頼した不動産会社が探してきた買主との間で売買契約を交わし、売却代金を住宅ローンの返済にあてます。
ただし、自宅の価格が住宅ローンの残債より下回っている「オーバーローン」という状態の場合、自宅を売却できないため注意が必要です。
任意売却
すでに住宅ローンを滞納している場合や、オーバーローンの場合は、任意売却という方法があります。本来、自宅を売却するには、売却代金で住宅ローンを完済して、抵当権を抹消しなければいけません。任意売却の場合、債権者である金融機関の了承を得て、オーバーローンの場合でも自宅を売却できます。
ただし、債権者の了承を得られないと任意売却はできないため、債権者との交渉が不可欠です。
リースバック
自宅を売却して、その自宅を賃貸して住み続けるリースバックという方法があります。リースバック会社に自宅を売却し、リースバック会社から自宅と賃貸借契約を交わします。リースバックを利用するメリットは、自宅にそのまま住み続けられることです。
オーバーローンの場合は、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できないため、リースバックを利用できません。
住宅ローンを返済できないとどうなる?
住宅ローンが払えないと、最終的に競売によって自宅が売却され、売却代金が強制的に住宅ローンの返済にあてられることになります。
住宅ローンを滞納してから、強制的に住宅ローンを返済されるまでの流れは次のとおりです。
金融機関から通知が届く
住宅ローンを3~4カ月滞納すると、金融機関から支払いを求める督促状が届きます。督促状が届いても住宅ローンを支払わないと、住宅ローンを分割返済する権利(期限の利益)を失ったという通知が届き、一括返済を求められます。
保証会社を利用している場合、保証会社が債務者に代わって金融機関へ住宅ローンを一括で返済します(代位弁済)。代位弁済が行われると、債権者が金融機関から保証会社に変わります。
自宅の差押え、競売の申し立てがされる
保証会社が自宅を差し押さえて、差押え登記を行います。保証会社が差押えの登記した以降は、許可なく第三者へ自宅を売却することはできません。その後、保証会社は、裁判所へ自宅の競売を申し立てます。
競売の手続きが行われる
競売が申し立てられると、裁判所が自宅の現地調査を行います。現地調査をもとに、自宅の売却価格を決定する評価書が作られ、入札が開始されます。
落札した落札者の審査を経て、自宅が売却されます。売却代金は、住宅ローンの残債に強制的に充当されます。
落札者に引渡しをするまでに、自宅から自主的に退去する必要があります。退去の引っ越し費用は、自分で用意しなければいけません。自主的に退去しなければ、強制執行となり、執行官によって強制的に荷物が運び出されます。
残った住宅ローンを返済する
競売による売却代金を支払っても、住宅ローンが残っていれば、住宅ローンの残債を返済する義務は残ります。競売で家を失っても、まだ住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンの返済を継続しなければいけません。
リースバックで住宅ローンを完済できる
リースバックを利用することで、リースバック業者に自宅を売却した代金で、住宅ローンを完済できます。
リースバックの仕組み
リースバックは、不動産の売買契約と売却した自宅の賃貸借契約を同時に交わすサービスのことです。売却代金で住宅ローンを完済できるだけでなく、賃貸で自宅にそのまま住めるため、引っ越しの手間がかかりません。買い戻しに関する契約を交わしていれば、資金を調達して売却した自宅を買い戻すことも可能です。
リースバック会社は借主から毎月の家賃収入を得られるほか、購入した自宅を第三者に転売して売却益を得ることもできます。基本的にリースバックは、自宅の転売によってリースバック会社が利益を出す仕組みになっているため、自宅を賃貸できる期間に限りがあることに注意しましょう。
よくあるリースバックのトラブル
リースバックにはメリットが多いように見えますが、トラブルも少なくありません。リースバックでよくあるトラブルと対策について解説します。
再契約できず退去することになった
リースバックは、リースバック会社が自宅を転売することで利益を出す仕組みのため、賃貸借契約に定期借家契約を用います。定期借家契約は、通常の賃貸借契約と異なり、賃貸期間が限られています。賃貸期間を満了してからも自宅に住み続ける場合は、再契約が必要です。
しかし、リースバック会社が再契約を拒否すると、自宅に住み続けることはできません。自宅に長く住み続けたい場合は、最初に交わす賃貸借契約書で再契約に関する条項を盛り込むほか、一般的な普通借家契約が利用できるリースバック会社を選びましょう。
再契約で家賃が高くなった
リースバックの賃貸期間が満了してリースバック会社に再契約を申し込んだところ、家賃の値上げを要求されることがあります。再契約は更新と異なり、新しく契約を交わすことになるので、最初と異なる契約内容になることがあります。
リースバックの家賃は、もともと周辺相場より高い傾向にあるため、値上げをされると経済的にも苦しくなってしまいます。
こういったトラブルを防ぐには、当初の賃貸借契約で再契約時に家賃の値上げに条件をつけるなどの対策が必要です。後々のトラブルを予防するため、口約束ではなく、きちんと契約書に書いておくことが大切です。
買取価格が安すぎる
リースバック会社には、借主が家賃を滞納したり賃貸期間中に不動産の相場が下がったりするリスクを抱えています。そのため、通常よりも買取価格が安くなる傾向にあります。
買取価格があまりにも安すぎると、せっかくリースバックをしても手元に入ってくる現金が少なくなってしまいます。このようなトラブルを防ぐには複数のリースバック会社に自宅を査定してもらい、買取価格を比較することが大切です。
またリースバック会社によって買取価格だけでなく、賃料や契約内容なども異なります。納得してリースバックを利用できるように、複数のリースバック会社に相談しましょう。
リースバックは比較して選ぶのが大切
自宅の買取に対応できるリースバック会社を探して、複数社に連絡するのはかなりの手間がかかります。「リースバック比較プロ」の一括問い合わせサービスを利用すれば、自宅の情報を一度入力するだけで、複数のリースバック会社に問い合わせることができます。
リースバックを検討しているのであれば、まずは手間をかけずに相談できるリースバック比較プロの利用をご検討ください。
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