不動産担保ローンのデメリットを解説。審査に通らない人はどうすべきか

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不動産担保ローンのデメリットを解説。審査に通らない人はどうすべきか

資金繰りが厳しいとき、自宅や所有する不動産を担保にしてローンを組むことを検討する方は多いです。しかし、この不動産を担保にしたローン(不動産担保ローン)にデメリットはないのでしょうか。また、よりよい資金調達の方法はないのでしょうか。

不動産担保ローンのデメリットとは

まずは不動産担保ローンの特徴を紹介します。失敗したと感じることがないよう、とくにデメリットを中心に解説します。

不動産担保ローンとは

不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保にして融資を受けることのできるローン商品です。

その意味では住宅ローンも不動産担保ローンの一種といえますが、一般的には、使途自由(事業資金への利用は制限している場合も)のフリーローンとして提供されているものを指します。銀行系のもののほか、ろうきんや、ノンバンクでの取り扱いもあります。

不動産担保ローンは、以下のようなメリットがあるといわれます。

  • 無担保ローンより低金利
  • 返済期間が長く設定でき、月々の返済額を抑えられる
  • 融資限度額が大きい

このような魅力がある一方、デメリットも存在します。不動産担保ローンの利用にあたっては、どんな点に注意すべきでしょうか。

返済できなければ担保物件を失う

まず、もっとも重要な点として、不動産を担保としている以上、返済できなかった場合に、担保不動産を失うリスクがあります。

返済を滞納すると、当初の2ヵ月程度は催促されるだけですが、やがて一括での全額返済を求める通知が届き、それに対応できなければ物件が差押さえられます。

差押えられた物件は競売にかけられ、落札した人に所有権が移ります。そうなると、物件に住んだり利用したりするのは不法占拠ということになってしまいます。つまり、退去して物件を明け渡さなくてはならないのです。

拒んでいても、最終的には裁判所を通じて引渡命令が出されるでしょう。

これらの手続きには時間がかかるため、滞納し始めてから、最後通告、差押え、競売、明け渡しとすべてが終わるまでには1年以上かかるのが普通です。とはいえ、やはりそのような事態になるのは避けたいものです。

審査がなかなか通らない、融資に時間がかかる

融資までに時間がかかるのも不動産担保ローンのデメリットのひとつです。融資には審査のプロセスが付き物ですが、無担保ローンは、借り入れる人の信用情報だけを審査します。最近は与信の仕組みが自動化されてスピーディーになり、即日融資が可能なこともあります。

しかし、不動産担保ローンの場合、担保物件の価格査定などを行うため、即日というわけにはいきません

不動産鑑定士による鑑定が必要な場合は、融資実行まで早くても1~2週間、遅ければ1ヵ月程度かかることもあるようです。

もちろん、常に審査に通るとは限らず、担保物件によっては融資を受けられないこともありえます。

金利の負担や諸費用などのコストがかかる

無担保ローンと比べた場合、不動産担保ローンの金利は低いです。

しかし、不動産担保ローンの金利は約10%であることが多く、決して軽い負担ではありません。融資限度額が大きく、返済期間も長期に渡ることが多いので、期間を通して多額の金利を負担します。

また、担保物件に抵当権を設定するため、登記をはじめとした諸費用が発生します。一般的には、以下のような費用です。

  • 事務手数料(不動産鑑定費用含む)
  • 登記費用(登録免許税)
  • 登記のための司法書士の報酬
  • 印紙税

無担保ローンでは諸費用無料ということも多いので、これも不動産担保ローンのデメリットとして数えられるでしょう。

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不動産担保ローンによくあるトラブル

不動産担保ローンで起こるトラブルも紹介します。ぜひ参考にしてください。

不動産を持っていても担保にできない、担保として不十分と言われた

まず、不動産担保ローンという名称だからといって、どんな不動産でもよいわけではない、という点に注意が必要です。

物件が担保としての価値があるかどうかは事前に審査されます。再建築不可の土地や、建築に自治体の許可がいる地域など、もし抵当権が実行されて売却となったときに買い手がつかなさそうな不動産は敬遠されます

また、住宅ローンを組んでいて完済していない場合、物件にはすでに住宅ローンの金融機関の抵当権が設定されています。こういう場合でも不動産担保ローンを申し込める場合はあります。しかし、不動産担保ローンの貸し手にとっては「第二抵当」(すでに抵当権設定がされている物件に、二番目の順位で抵当権設定をすること)となり、リスクが高まるため、融資が受けられないことも多いです。

さらに、担保と認められた場合でも、物件の評価額全額が融資限度枠になるとは限りません。

物件の値下がりリスクを織り込んで、「掛目(かけめ)」が設定されることがあります。掛目とは、担保評価額に対する、融資限度額の割合のことです。

たとえば評価額が1,000万円の物件に対して、掛目が「70%」であれば、

1,000万円×70%=700万円

が融資限度額です。物件として1,000万円の価値があるのに、その70%の700万円までしか融資は受けられないということです。

追加の担保を求められたり、抵当が実行されたのに完済できなかった

返済中に物件の値下がりが起これば、追加担保が求められるケースもあります。

先ほどと同じ例で、評価額1,000万円の物件を掛目70%で担保とし、700万円を借り入れたとしましょう。

返済が進んで、借入残高が400万円となったところで、何らかの事情で物件が大きく値下がりするような事態になったとします。何らかの事情とは、たとえば周辺地域で公害事件があったとか、交通の便が大きく変わったなどです。

これにより、評価額が500万円になったとすると、融資限度額は以下のようになります。

500万円×70%=350万円

現在の残債が400万円なら、

400万円>350万円

担保が50万円不足している状態です。

この場合、元本50万円ぶんについては追加で担保を差し入れるか、繰り上げ返済するかを求められます。

このように、担保の価値は常に一定とは限りませんから、最終的に抵当権が実行されて物件を手放すことになったとしても、それによって完済できるとも限らないのです。その時点での担保価値が残債をすべてカバーできなければ、物件を失ったうえで残債が残るという結果にもなりかねません。

繰り上げ返済したら違約金をとれらた

不動産担保ローンには「途中解約違約金」が設定されている場合があります。

借りている立場からすれば、「早く返すことの何が悪いのか」と思います。しかし、貸し手は一定期間貸し付けることで金利収入を見込んでいるので、途中解約に違約金を設定することもあるのです。

そのため、せっかく頑張って繰り上げ返済したり、より有利な融資が受けられるので借り換えを行ったりしても、違約金を支払わなくてはならない、ということが起こりえます。

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融資の審査が通らない人はリースバックという方法も

ここまで不動産担保ローンの注意点、デメリットを紹介しました。こうした問題点を回避する方法はないのでしょうか。

不動産を売却するのに住み続けられる、リースバックとは

不動産担保ローンではなく、リースバックを利用することでうまくいく場合があります。

リースバックとは、物件を売却し、売却した物件について買い手との間で賃貸契約を結び、住み続けるという方法です。

不動産を用いてまとまった資金を調達するという点では同じですが、借り入れではなく売却であるという点が大きく異なります。そのため、

  • 借り入れとしての審査はない
  • すでに抵当権設定がされている物件でも利用しやすい
  • 金利の負担がない

というメリットがあります。

審査については、不動産の査定はされますが、売り手の信用情報の審査は最低限であり、融資に比較すると審査が厳しくないといえます。そのため、不動産担保ローンの審査に通らないという人は、リースバックが有力な選択肢になるでしょう。

リースバックのその他のメリット

リースバックの、他のメリットも整理しましょう。

  • 所有権が買い手に移るため、固定資産税や区分所有の場合の管理費など、維持コストがかからなくなる
  • 物件をそのまま使用し続けられる
  • リースバックを行ったことを周囲に知られない

といった点が挙げられます。

特に、そのまま住むことができるため、生活環境を変える必要がなく、ご近所はもちろん、場合によっては家族にも知られずに資金調達ができる点を魅力に感じる人は多いでしょう。

もちろん、引き続き住めるとはいえ、以後は賃料が発生します。状況に応じて、不動産担保ローンと比較し、適した方法を選択しましょう。

リースバックでは比較が重要

リースバックを利用するときは、サービスを提供する会社の比較が欠かせません。リースバック会社によってサービス内容が違うため、1社だけと相談していると、期待するサービスが受けられないことがあるためです。

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執筆・編集

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